家電製品ミニレビュー

ツインバード工業「DR-4215」

~お手軽価格で煮込み料理もできる電子レンジ
by 林 佑樹
ツインバード工業「電子レンジ DR-4215」

 一人暮らしを初めて、10年以上。このままではいけないと思いつつも、なかなか改善できていないのが食生活だ。自宅作業が大半だが、何しろ予定の立たない職種のため、食材の買いだめが出来ない。冷蔵庫が小さいのであまりまとめ買いもできないし、野菜室が小さいため野菜がすぐ傷んでしまう。と、言い訳ならいくらでも出てくるが――とりあえず、少しでも食生活を改善するべく、電子レンジを導入した。

 といっても電子レンジで凝った料理を使うわけでもないし、温められればOKという考えて選んだのが、ツインバード工業「電子レンジ DR-4215」だ。実は長い一人暮らし歴で初めて導入した、電子レンジ。低価格帯ながら煮込み機能アリというのが大きなポイントとなった。


メーカーツインバード工業
製品名電子レンジ DR-4215
希望小売価格12,600円
購入場所楽天ショップ
購入価格7,080円



とってもシンプルなビジュアル

 ツインバード「電子レンジ DR-4215」は極めてシンプルな外観である。高級機に見られる液晶モニタやおまかせ調理的なスイッチはなく、出力切り換えつまみとタイマーつまみがあるだけで、操作に戸惑うことがない。

 サイズは455×330×265mm(幅×奥行×高さ)、庫内寸法は305×280×175mm(幅×奥行×高さ)、庫内容量17Lと広く、コンビニ弁当やどんぶり物のあたためも楽々である。

操作パネルはシンプル。出力切り換えつまみとタイマーつまみがあるだけ電源ケーブルは約1m、アース線は独立している
側面には変な出っ張りもなく、フラット。仕様全般も側面に記載されている庫内の容量は17Lで、コンビニのお弁当の温めもOK

 外装の合金はやや薄めで、タッチすると庫内の温度が伝わる。電子レンジの上に炊飯器を置こうかと思ったが、へこみそうなのであまり重い物は置かないようにしている。このあたりも低価格になった理由のひとつだろう。

 庫内は耐熱ガラス製の丸皿と、それを回すための回転ローラーがあるだけで、特筆するべきところはない。丸皿は取り外し可能で、形状もシンプルであるため、お手入れはスムーズ。また庫内へアクセスするためにドアを開けることになるのだが、ハンドルロックなどもなく、引っ張ると開く作りだ。

耐熱ガラス製の丸皿は細かい凹凸があり、実にホールドしやすい回転ローラーは3軸のシンプルな作りハンドルロックがないため、加熱中でも開けられてしまう


ダイヤル式のアナログな操作系統

 出力切り換えツマミは、「弱」「解凍」「中」「強」の4種類で、W(ワット)数での記載は一切ない。説明書を見ても記載されておらず、レシピに電子レンジ500Wで3分とある場合、困ってしまう。しかし、温めるだけなのであれば、タイマーつまみ下部にある参考時間を目安にテキトーに決めてしまえばOKという使い勝手の良さはよく、感覚としてはコンビニやスーパーに設置されている電子レンジに近い。

操作系統がシンプルなので、だいたいこれくらいで……の感覚で使えてしまうタイマーつまみ下部に記載されている目安だけでも調理は可能だ

 判明しているW数は本体側面の仕様記載から読み取ると、「強」が700W。説明書の記載から「中」が500W前後。「弱」「解凍」については一切ヒントとなる記載はなかった。説明書には「強」でごはんやハンバーグ、味噌汁などの加熱時間が掲載されているので、凝ったものを作らない限り、困ることはないだろう。また使い込んでいる間に気がついたのだが、タイマーはともかく、出力切り換えはデジタルだろうと思っていたのだが、「強」と「中」の間のパワーの設定ができる。

 タイマーつまみは、1分~30分まで設定可能だ。スタートスイッチも兼ねており、タイマーを回すと加熱が開始される。そして設定した時間から「切」に目盛りが到達すると「チンッ!」と甲高いベルの音で加熱完了を知らせる。近年の電子レンジは電子音で知らせるものが、ほとんどなので、このベルの音は、非常に懐かしい気分にさせてくれた。このベルの音は意外にもわかりやすい。キッチンから一部屋離れたところで音楽を流しながら作業をしていても「チンッ!」という音がしっかり聞こえてくるのだ。

「弱」を使った煮込み料理に挑戦してみよう

電子レンジに入れる前の様子。なるべく材料がスープに浸るようにしておくこと

 「DR-4215」の特長はシンプルな機能だが、その中の出力「弱」での煮込みも大きな魅力である。

 マニュアルに掲載されているレシピを参考に、肉じゃがを作ってみることにした。材料は牛肉200g、じゃがいも3個、たまねぎ1個。牛肉は3~4cm幅にカット、じゃがいもは4つ切り、たまねぎは6つ切りに。スープは水400ml、砂糖大さじ4杯、しょうゆ大さじ5杯、酒大さじ1.5杯、みりん大さじ1.5杯。以上が説明書にある必要材料だが、肉じゃがに糸こんにゃくは欠かせない主義なので、糸こんにゃく半袋を追加した。

 材料を深めの耐熱容器に入れて、落とし蓋をして、「強」で10分加熱、そのあと「中」でラップをかけて更に15分加熱する。その後、容器を取り出して、全体を軽くかき混ぜたら、いよいよ「弱」の出番。30分間加熱すれば完了。結果、ジャガイモに芯まで火が通ったおいしい肉じゃがができあがった。

 「弱」の部分の時間がとても長く、電気代も気になるところだが、ここがじゃがいもの芯まで火を通す煮込みパートなので、おいしくつくるためには外せない。調理時間を省きたい場合は、じゃがいもだけラップして「強」で5分くらい加熱しておくと、最後の煮込みが不用になる。

「強」の加熱が終わったところ。落としぶたはお忘れなく。「中」の加熱が終わったところ。アクが落としぶたとボール周辺に付着しているため、アク取りはしなくて済んだこのままでも食べられそうだが、じゃがいもが固いのでかき混ぜたあと、「弱」で煮込む
グリーンピースをトッピングして肉じゃがの完成ジャガイモは芯まで火が通っており、ホクホクしておいしかった

 肉じゃが以外にも、いくつか電子レンジ調理をしてみた。ひとつめは肉詰めピーマン。丸めて、焼くだけで、あっという間にハンバーグができてしまう、筆者お気に入りの市販食材「生肉ハンバーグ」をテキトーにちぎり、半分にカットしてヘタを取ったピーマンに詰めて、個別にラッピング。加熱時間は「強」で5分。ノンオイルなので意外とさっぱりしている。お酒のおつまみにちょうどよかった。つまみ一つで、なんとなく調理できてしまう感覚はアナログならではだ。

肉詰めピーマン。焦げ目がついていないのでビジュアル的にはちょっと弱い。アルミホイルを敷いておけばよかったかも意外と面倒なベーコン巻きアスパラも作ってみた。「強」で4分ほど加熱するだけでお手軽なおつまみの完成だ!

 次に作ったのがシンプルな野菜スープだ。ふたり分の材料はもやし半袋、ピーマン2個、にんじん半個、ウィンナー5本。スープは水400ml、中華だし大さじ5杯、調理酒大さじ3杯、いのいちばん大さじ2杯。ピーマンは短くカット、にんじんも幅3mmを目安にカット。なるべく薄くすればすぐ火が通るためだ。加熱時間は「強」で4分→「中」で7分。ウインナーが少し焦げたが、非常に美味しく仕上がった。

食材全般にいえることだが、なるべく薄くカットしておくこと。そうすることで加熱時間を短くできる電子レンジに入れる前の状態。ちょっと材料を多く入れすぎた感アリアリだ中華風味の野菜スープ完成。ウィンナーが少し焦げてしまった点以外は問題なし
賞味期限が迫っていた野菜をフル投入し「野菜とマメいっぱいコンソメスープ」も作ってみた。写真は加熱前の写真先に紹介した肉じゃがとほぼ同じ加熱コースで作成してみたが、じゃがいもだけは火が通らなかった。2つ切りで大きかったことが原因だろう

シンプルだから直感的に使いやすい

 料理にこだわりまくっている人には物足りないかもしれないが、ちょっと温めたり、簡単な料理を作ったりする程度ならば、なんら問題のない仕上がりの製品である。価格帯も1万円以下で入手しやすい。

 筆者のように、独り暮らしを始めたときは電子レンジはいらないと思っていたが、やっぱり欲しくなった人にはオススメしたい。またお弁当作りのときだけ電子レンジを使うというお母さんにも使い勝手がよく、活躍してくれるだろう。





2009年5月25日 00:00