家電製品ミニレビュー

コロナ「除湿機 CD-Hi185」

~リーズナブルでパワフル大容量の除湿機
by 清水 理史

ジメジメ退治に

コロナの除湿機「CD-Hi185」。18L/1日の除湿能力を持ったパワフルな除湿機

 暑いんだか、寒いんだか……一日一日、天候が変わりやすく、強烈な日差しで汗ばむこともあれば、雨で肌寒く感じることもある。いわゆる季節の変わり目というやつだ。これから梅雨にかけて、まだしばらくははっきりしない天気に悩まされることになりそうだ。

 そんな天候の中、ぜひ試してみたい家電が、今回取り上げる除湿機だ。すっかり家庭の定番になった空気清浄機や冬に欠かせなかった加湿器に比べると、まだまだなじみのない家電だが、暑くはないのでクーラーを使うまでもないがどうもジメジメする、雨が続いて洗濯物の乾きがイマイチなどという場合に重宝する製品だ。

 我が家でも、雨の日などはリビングに隣接する和室で洗濯物を干そうものなら、ただでさえ湿度が高いのに、洗濯物の湿気でジメジメ感がプラスされ、さらに風呂から上がろうものなら、息苦しいまでのジメジメ感に包まれることがある。

 そんなジメジメ退治にと、今回入手したのが、このコロナの除湿機「CD-Hi185」だ。数ある除湿機の中でも、パワフルさで定評のある製品だ。


メーカーコロナ
製品名除湿機 CD-Hi185
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格32,800円

パワーにこだわるなら

 本製品の特徴を一言で表現するなら「パワー」に尽きる。型番のHi185という表記からもうかがえる通り、18L/1日(60Hz時)という家庭用除湿機としては最上級クラスの除湿能力を誇る製品となっており、木造で23畳、プレハブで35畳、鉄筋なら45畳という広い場所での利用にも対応している。

正面側面背面

 18Lクラスの除湿機は他社からもいくつか発売されているが、CD-Hi185の特徴はパワフルながら価格がリーズナブルな点にある。他社製の18Lクラスの除湿機は実売価格で5万円前後となるが、前述した通り、本製品は3万円強で購入できる。

前面から取り外しができる水タンクは6.2Lの大容量。水捨ての回数が少なくて済む

 しかも、除湿した水をためておくタンクも群を抜いた大容量で、10L/1日クラスの除湿機で1~3L、18L/1日クラスで4~5Lのタンクが一般的なところ、6.2Lというビックタンクを搭載している。

 要するに、とにかく湿気を取りまくって、とことん湿度を下げたいという使い方にピッタリな製品となっているわけだ。

 なお、除湿機は、内部の除湿方式の違いによってコンプレッサー式、デシカント式、これらを組み合わせたハイブリッド式が存在するが、今回のCD-Hi185はコンプレッサー式の除湿機となっている。

 これからの季節であれば問題ないが、コンプレッサー式は気温が低い場合に効率が落ちるという特性がある。このため、本製品には500Wのヒーターが搭載されており、冬場の洗濯物乾燥などに温風を利用することもできるようになっている。梅雨時でも、ちょっと肌寒く感じるようなときは温風を利用できるので便利だろう。

あっという間にグングン除湿

前面のパネルで操作。基本的には運転ボタンを押すだけで利用できる

 実際に使ってみたところ、確かにパワフルだ。

 使い方は簡単で、電源ケーブルをつないで前面のスイッチをオンにする。すると、前面の「ウルトラサイン」と呼ばれるランプが湿度によって赤(湿度65%以上)や青(65%以下)で点灯し、同時に上部のルーバーが開いて自動運転で除湿が開始される。


動作の様子。自動運転で開始後、弱にモードを変更した様子

 自動運転の場合、センサーによって部屋の湿度が50~60%の間に自動的に保たれるようになっており、最初はかなりの強風で風を送りつつ、次第に風の勢いが収まってくるという印象だ。

 運転直後の強風時は、「ファー」という感じのそれなりに大きな風切り音が聞こえるが、コンプレッサー独特の動作音や振動などはほとんど感じられなかった。決して静かではないが、うるさくて耐えられないという印象はない。

 もちろん、しばらくすれば風の音も静かになってくるうえ、どうしても音が気になるなら動作モードを「弱」にすることで音を押さえることが可能だ。「弱」の場合、センサーによる湿度のコントロールはできないが、音はほとんど気にならないので寝室などでの利用にも向いていると言えそうだ。

 家族で一部屋で寝ている場合、湿気で窓が結露する場合などがあるが、そういった場合の対策としても便利だろう。

 試しに、筆者宅の6畳ほどの和室(温度23℃前後、密閉状態)で自動モードで動作させてみたところ、57%ほどだった湿度が2時間ほどで48%以下にまで下げることができ、タンクに1cmほどの水がたまっていることも確認できた。温度は若干高くなる印象だが、除湿能力はかなりのものだ。

筆者宅の6畳和室でテスト。除湿開始前の湿度は57%2時間ほど除湿すると、湿度は48%に低下それなりに水がたまったが、大容量タンクのおかげでまだまだ余裕

 また、気温22℃前後で曇りの日に、同じく6畳の和室にジーンズ2本、子供用パジャマなどを干したハンガーを吊るし、その真下にCD-Hi185を設置し、風がうまく当たるように調節して乾燥させてみた(乾燥開始時の湿度は本体表示で70%前後)。

 部屋の温度上昇を避けるために、あえて温風乾燥を使わずに乾燥させてみたが、約1時間ほどで、子供用の薄手のパジャマはほぼ乾燥状態。ジーンズは風が当たりにくい股上部分やポケットの中などはさすがにしめっているものの、裾の部分についてはほぼ乾燥していた。

ジーンズ2本と子供用パジャマを乾燥してみた1時間ほどで子供用パジャマは乾燥。ジーンズは裾の部分はほぼ乾燥。完全乾燥には2時間ほど必要

 もちろん、実際の乾燥時間は洗濯物の数や天候、屋外の湿度などにも左右されるが、今回のテストではさらにもう2時間ほど稼働させたところで、ジーンズまでほぼ乾燥させることができた。

背面のフィルターで花粉やダニを捕獲分解できる

 ちなみに、本製品にはダニや花粉などを捕獲分解できるマルチクリーンフィルターが搭載されているうえ、上部からの風と一緒にマイナスイオンも送られるようになっている。これにより、部屋干し独特のいやなニオイも押さえられるようになっており、快適な除湿ができるようになっている。部屋干しの際の強力な味方といえそうだ。


細かな使い勝手も上々

 このように、高い除湿能力によるパワフルさがウリのCD-Hi185だが、細かな使い勝手もなかなか良い。

 たとえば、本体サイズが365×270×590mm(幅×奥行き×高さ)、重量14.2kgとそこそこのサイズだが、持ち運びがしやすいように上部には取っ手、底面にはキャスターが装備されている。もちろん、これを持って階段でフロアを移動するというのはムリがあるものの、部屋の中をちょっと移動するのは全く苦にならないところだ。

 また、ビックタンクのおかげで、普段のお手入れもラクだ。利用頻度や湿度などによっても異なるが、1日~2日ほど使っても水タンクの容量はまだまだ余裕がある。水捨ての回数は一般的な除湿機に比べてはるかに少なくて済むだろう。

取っ手とキャスターのおかげで移動も楽々ビックタンクで水捨て回数は少なくて済む。取っ手で持ち運びも楽背面の排水穴を利用すればホースによって連続排水でも利用できる

 なお、CD-Hi185の背面には、連続排水用のための穴も用意されている。ここにホースをつないで、屋外などに排水できるようにすれば水捨ての心配も一切なくなる。決まった場所で、常に動作させるのであれば、この方法も便利だろう。

 このほか、オートルーバー、ON/OFF両方に対応したタイマー運転と、一般的な機能もきちんと備えている。冷風機能などは必要なく、純粋に除湿機能にこだわった製品が欲しいというのであれば、間違いなく、お買い得な製品と言えそうだ。





2009年5月22日 00:00