家電ミニレビュー

ツヴィリングのミルクフォーマーは植物性ミルクもしっかり泡立つ!

ツヴィリングのミルクフォーマーで植物性ミルクも泡立て

ふだんはスターバックスコーヒーでコーヒーを飲むことがない筆者。しかし、最近はメニューに「オーツミルクラテ」や「アーモンドミルクラテ」が追加されたため、ショッピングの合間などにわざわざ寄ることが増えている。他のカフェなどでは、豆乳ラテはあるものの、他の植物性ミルクを使ったカフェラテはあまり見かけないためだ。

しかし、欲を言えば、自分の好きなコーヒー豆を使った植物性ミルクのラテを自宅で飲みたい。そこで活躍するのが、ツヴィリング J.A. ヘンケルスジャパンの家電ブランド「ENFINIGY(エンフィニジー)」から2022年に発売された「ミルクフォーマー 53104」。実売価格は11,000円と、スティック型や手動のミルクフォーマーよりは高価だ。

以前スティック型のミルクフォーマーで植物性ミルクを泡立てようとしたことがあったが、うまく泡立たなかった。しかし、ツヴィリングのミルクフォーマーであれば、3分で冷たい牛乳や植物性ミルクが温まり、フワフワに仕上がる。他の種類のミルクフォーマーとの価格差はあるが、自宅でカフェのようなフォームミルクを楽しめるので満足だ。

牛乳はしっかりとしたフォームミルクに

本体に、ステンレスのカップと、ミルクフォーム用リングを取り付けたフタをセットして使用する。本体のヒーターで加熱しながら、磁石を内蔵したリングが本体に連動して回転することでフォームミルクを作ることができる。ミルクフォーム用リングのほか、ミックス用リングも付属し、ホットミルクやホットチョコレート、インスタントコーヒーも作れる。

フタとステンレスカップ、本体から成る
本体のヒーターで温めながら泡立て
泡立て用リング。フタのスティック部分に取り付ける

リングの取りつけで気を付けてほしいのが、リングの上下だ。リングの上下のパーツの形状は丸形と長方形と異なるが、長方形のパーツを上にして取りつけるのが正しい。本体と連動して回転することを考慮すれば当たり前かもしれないが、取扱説明書の絵では丸形パーツが上部のように見えるのだ。筆者ははじめに誤ってとりつけてしまい、泡立てることができなかった。

泡立て用リングは長方形パーツが上になるように取り付ける
取扱説明書の画像では丸形パーツを上にするように見えるのは筆者だけだろうか……。丸形パーツが上では全く泡立たない

改めて正しくパーツを取り付けて、温かいフォームミルクを作っていく。牛乳の容量は最大で200mlで、それ以上入れてしまうと途中であふれてしまうおそれがある。牛乳をセットして、ダイヤルボタンで「ホット」を選択して運転開始ボタンを押すと、泡立てリングが回転しながらあたためが開始した。

スイッチを押して3分が経つと、自動で運転が停止した。フタを開けてみると、容器いっぱいに泡ができていた。泡はきめ細かく、3Dラテアートも作れそうな固さだ。ツヴィリングによれば約60℃で温めるとクリーミーな泡立ちになるようで、完成したフォームミルクの温度を測ってみると66℃ほどだった。

最大容量はホットの場合200ml、コールドの場合400ml
ダイヤルでホットを選択し、ダイヤル中央のボタンを押すと運転開始
3分で自動停止する。固さのあるしっかりとした泡ができた(画像は100mlの牛乳で作った場合)

安価で購入できるスティック型ミルクフォーマーが自宅にあったので泡の出来を比べてみると、ツヴィリングのミルクフォーマーで作った泡のほうが固く、泡の体積は2倍ほどと多くの泡ができていた。スティック型ミルクフォーマーを使う場合は、クリーミーな泡にするために牛乳の温度を60℃程度に温める必要があるため、温度を確認するのがやや面倒だ。本体は大きいが、ヒーター一体型のミルクフォーマーのほうが手間は少ない。

スティック型フォーマー(画像左、ダイソーで購入)とツヴィリングのミルクフォーマー(画像右)で100mlの牛乳を泡立ててみた。ツヴィリングのミルクフォーマーで作った泡はカップに入りきらず、本体にもまだ残っているほど

つぎに冷たいフォームミルクも作ってみた。冷たい場合でも運転時間は3分と同じだ。運転が終了すると、温かい場合に比べて泡の体積が小さいが、フォームミルクができていた。飲んでみるとしっかりと泡を感じたので、コールドドリンクを飲むときに活躍しそうだ。

冷たいミルクも泡立つが、ホットのようなつのの立つような泡は作れない

植物性ミルクは牛乳よりもゆるい泡だがしっかりフォームミルクになった

牛乳はしっかりと泡立ったが、植物性ミルクはどうだろうか。植物性ミルクの種類によっては泡立ちにくいものもあったが、しっかりとフォームミルクになったので紹介していく。

豆乳やアーモンドミルクは3分以上混ぜたほうがよさそう

豆乳やアーモンドミルクは、成分無調整のものを使用することが推奨されている。昨今の健康ブームの影響か、数年前に比べてスーパーの植物性ミルクのラインナップが拡充されている印象なので、すぐに入手できる。

さっそく本体にセットして運転したところ、牛乳よりも泡の量が少ない印象だった。製品によっては3分以上運転させてもよいかもしれない。実際、豆乳は3分の運転後、さらに1.5分ほど運転させたところちょうど良い量の泡ができた。

豆乳を泡立ててみたところ
アーモンドミルクを泡立ててみたところ

豆乳もアーモンドミルクも、泡の固さは牛乳に比べて緩く、かさも小さい。しかし、手動のミルクフォーマーに比べてしっかりとした泡を作ることができた。いずれも、冷たい状態に比べて豆やナッツの甘みが引き立ち、香りを楽しめた。

アーモンドミルクの泡。牛乳よりはゆるいが、きめ細かい泡になった

オーツミルクはバリスタ用でないと泡立たない

豆乳やアーモンドミルクはスーパーでよく見かける無調整のもので泡立てられたが、オーツミルクはバリスタ用のみ対応だ。試しに、スーパーなどで見かける砂糖不使用のオーツミルクを使ってみたところ、温まっただけで泡はほとんどできなかった。

スーパーで購入した通常のオーツミルクを使ったところ、ほとんど泡立たなかった
バリスタ用だが泡立たない製品も。イソラビオのバリスタ用オーツミルクは泡立たなかった

さて、バリスタ用オーツミルクだが、インターネット通販では入手できるが近所のスーパーなどにあるとは限らない。都内に住む筆者の場合、近所のスーパーのほか、コーヒー用アイテムの品ぞろえがよさそうなカルディや成城石井を数件回ってみたが、バリスタ用を見つけることができなかった。

ただ、スーパーでも手に入る製品でも泡立てることのできたものがあったので紹介したい。それは、大塚食品の「スゴイオーツミルク」だ。一般的なオーツミルクはオーツのほかに油脂などを使用しているが、スゴイオーツミルクはオーツ粉のみを使用している。

スゴイオーツミルクを泡立ててみたところ、3分間の攪拌で豆乳やアーモンドミルクに比べて固い泡ができた。他の植物性ミルクと同様、穀物の甘さが引き立った味だ。これで自宅でも好きなコーヒー豆でオーツミルクラテを作れそうだ。

スゴイオーツミルクはしっかりと泡立った
オーツミルクの泡。やわらかく、きめ細かな泡になった

一度に数杯分のミルクを作れるのも魅力

フワフワの泡はスティック型ミルクフォーマーでも作れるが、ミルクを温めたり手で本体を持つのが以外と面倒。手動のミルクフォーマーを使っていたこともあるが、本体が細長い製品が多く、使用後に洗いにくく感じていた。今回紹介したようなヒーター一体型のミルクフォーマーであれば、ミルクを入れてスイッチをオンにするだけで泡立てが終わり、ステンレスカップの口が広いため洗いやすい。

少ない手間で泡立てられることに加えて良かったのは、一度にカフェラテ2~3杯分のミルクを作れた点だ。手動のミルクフォーマーやスティック型ミルクフォーマーで一度に泡立てられる量は100mlほどのため、カップ1杯分のミルクしか作れない。一方で、ツヴィリングのミルクフォーマーであれば200mlのミルクで多くの泡を作れるため、カップのサイズによっては一度に3人分ほどのカフェラテも作れそうだ。家族や友人とカフェラテを飲む機会が多い人におすすめしたい。

総評

【良かった点】

  • 牛乳が泡立ちやすい約60℃に自動で温める
  • 牛乳の泡が固め
  • 植物性ミルクもしっかり泡立つ
  • 一度に200mlのミルクを泡立てられる

【気になる点】

  • スティック型や手動の製品に比べて高価
  • スティック型や手動の製品に比べて大きく、コンセントから給電して使う
  • 説明書の絵に紛らわしい箇所がある
デザインの良い家電と並べてもおしゃれ(ミルクフォーマーは右)。同社の1Lサイズの電気ケトル(中央)とはデザインも似ていて、一緒に置くと統一感がある
大塚 愛理