家電製品ミニレビュー
買った家具の組み立てもラクな電動ドライバー「ミニック」。ネジ締めに慣れない人にも
2020年10月2日 08:00
IKEA(イケア)やニトリで家具を購入すると、組み立て家具のネジを締めるのに、腕がパンパン! なんて人が多いだろう。しかもテレワークの普及でウチで仕事するための事務デスクを購入するなんて人も増えている。
ドライバーを使いなれているエンジニアや職人さんは、もともと腕っぷしが太かったり、コツがわかっているので筋肉痛になることはあまりない(たまに変な姿勢で天井に大量にネジを打つ現場で筋肉痛になることもある)。
そんなネジ回しにあまり慣れていない人にオススメしたいのが、ドライバー型の自動ネジ回し機だ。
見た目はそのままドライバー。でもスイッチひとつでドライバーが回転してネジを締めたり、緩めてくれる。もちろん締め始めやキッチリ締めるには、手で回して調整もOK。
ガンタイプのドリルドライバーと違って、普通のドライバーと同じように作業できるので、工具に慣れる必要なし! 初心者には、ガンタイプよりこちらのドライバータイプを強くオススメだ!
右回しで外すんだっけ? 左回りでネジ打つ? こんな迷いもなし!
パナソニック製の電動ドライバー「miniQu EZ7412」は、スイッチが2つついているだけでとってもシンプル。ネジを締めるのか? それとも緩めるのか? この2つのボタンだけ。ドライバー初心者あるあるのひとつが「どっちに回すとネジを締められて、どっちに回すと緩められる?」という疑問。
たとえば子どものおもちゃの電池ボックスのネジを緩めて電池を交換したいのに、一生懸命きつくネジを締めていたなんて日常茶飯事。それだけならまだいいが、ネジを締め過ぎてネジがバカになってしまったり、壊してしまったりなんてことも。
ドライバーを使い慣れていないと、どっちに回すと締めて、どっちに回すと緩むのか、意外と分からないものなのだ。
でもこのドライバーなら簡単。ネジを緩めたかったら、ネジを外す上向きの三角(▲)ボタンを、締めたかったらネジを打ち込む下向きの▼ボタンを押すだけ。実に直感的で使いやすい。回転方向を考える必要なし!
一方ガンタイプのドリルドライバーは、ボタンを押すと正転(ネジを締める)と逆転(ネジを緩める)を切り替える。でもこれは慣れるまで「めちゃ使いにくい」。そもそも「正転」て何さ? って話なのだ。
このドライバーで嬉しいのは、最初からよく使うドライバーの先が何本か添付されている点。特によく使う#2(2番)というプラスのドライバーは、柄の短いのと長いのがついてくる。だから場所によって長さを変えられてとても便利。
そのドライバーの先の取り換えも、ワンタッチで着脱OK。本体のドライバーを差し込む部分をちょっと引っ張れば、今セットしてあるドライバーを抜き取れる。逆にドライバーを差し込んで、根本をちょっと引っ張ると今度はロックできる。
安いガンタイプのドリルドライバーは、ドライバーの先を磁石でくっつけているだけなので、ドライバーを壁にぶつけたり、落としてしまうと先端が脱落する。しかもこの先端、小さいのですぐ行方不明になっちゃうし、DIY店に行ってもほとんど買えず、かなりリスキーな先端なのだ。
IKEA家具を作るならどこでも売ってるドライバーの先が使えるパナソニック製がいい
IKEA家具をはじめとしたヨーロッパの組み立て家具は、一見プラスのネジに見るが、プラスにもうひとつの星型が刻まれた、PZ(ポジドライブ)ネジが使われている。
しかしこのPZネジ、通常のプラスドライバーでも回すことはできる。ただし完全に互換性があるワケでないので、大きな力を加えると、ネジ頭をつぶしてしまうことがある。
そこでPZ用のドライバーの先を別途買う必要があるが、ガンタイプの先端は特殊なので、これに合うドライバーの先端がなかなか見つからない。
しかしパナソニックのドライバーなら、一般のDIY店で売っているPZドライバーの先がセットできる。もちろんAmazonなどの通販でも数百円で購入できるので、IKEA家具を作る方は、PZ用のドライバーの先端を用意した方がいいだろう。
もちろんPZドライバーも長いものと、短いものを売っているので、標準的な10cmほどの長さを使うのがベスト。あまり慣れていない方はは、ちょっと長めの20cmのドライバーを使うと、垂直が取りやすく工作しやすいだろう。
USB充電もOK! コツをつかむと作業効率スーパーアップ!
このドライバーは、micro USBコネクタで充電できる。micro USBコネクタは、今主流の裏表どちらでも差し込めるTypeCコネクタの前にあった、台形の小さなコネクタ。スマホ用のモバイルバッテリーを使って充電可能だ。だから専用の充電器を持って歩く必要がない。
外でDIYするなら休憩ごとにモバイルバッテリーでドライバーを充電してやればいい。またサイクリング用のドライバーとしても有用だ。通常のドライバーとそれほど変わらない重さなのに、電動という点が使いやすいだろう。
万が一充電が完全に切れてしまっても、手回しのドライバーとして使えるので、工具としての機能を失わないところがいい!
このドライバーは、ちょっとコツがいる。それば最後の最後まで、電動でネジを締めないこと。プロ用のドライバーは、ネジが止まって回らなくなると、クラッチが効いて母材(おもちゃならプラスチック)やネジを守る(クラッチが滑ってネジがそれ以上まわらなくなる)ようになっている。しかし、このドライバーはクラッチがついていないので、最後の最後まで力を振り絞ってネジを締めようとする。
だからこのドライバーを使うときは、ネジが締まるか締まらないかで寸止めして、そこから手動でネジを回して、手でその重みを感じながら作業するのがいい。
最後までネジ締めの▼ボタンを押し続けていると、ネジ山を壊してしまったり、プラスチックなどの柔らな母材の場合は、母材を壊してしまう恐れがある。
この寸止め、最初は難しいかもしれないが、慣れないうちは余裕を持った寸止めから始めて、少しずつマジ寸止めにするといいだろう。ただ回転数は230回転/分と遅めなので、タイミングは取りやすい。
またこのドライバーは、スイッチを押すとドライバーの先端がLEDで照らされるので、暗い場所の作業も少し楽になる。ボタンを押している間だけの点灯なので、ネジの位置を決めたり、手回しするときは、別途ライトが必要になるので注意しよう。せっかくだから、バージョンアップ時には、LEDだけ点灯するスイッチをつけて欲しい。
カラーバリエーションは全部で2色、初心者にオススメ
このドライバーをオススメするのは、趣味で工作や分解をする人、家具の組み立てや分解をする人。とくに引っ越しでは大活躍するだろう。
また小さいドライバーのセットしかもっていないが、1本ちゃんとしたドライバーが欲しいという人にもおすすめだ。自転車や家電の修理、子どものおもちゃの電池の交換など、いろいろなシーンで使えるだろう。
またバッテリーの持ちは、家電などでよく使われているネジ(M3 5mm)なら620本、家具などでよく使われるネジ(M6 10mm)なら540本締められる。木ネジだとこれらの半分程度が目安だろう。
またカラーバリエーションも2つあるので、好みの色でもいいし、使う場所で目立ちやすい色にして紛失防止を狙ってもいいだろう。
なお自作パソコンの組み立てなど、比較的慣れている方にとってはちょっと回転が遅くクラッチがないのが気になるだろう。そんなときは、以前PC Watchで紹介した同社の「充電スティックドリルドライバー EZ7421」がオススメだ。詳しくはPC Watchの記事「速い! 確実に締まる! ネジ頭を潰さない! パナのスティックドリルドライバーが超便利」を見て欲しい。