家電製品ミニレビュー

大きさも価格もコンパクトな導入しやすい空気清浄機

 洗練されたデザインと、高い空気清浄能力で支持を得ているブルーエアのカジュアルライン「Blue by Blueair (ブルー バイ ブルーエア)」に新しいモデルが加わった。今回はこの「Blue Pure(ブルー ピュア) 411」を紹介しよう。2017年2月に紹介した「ブルー ピュア 211 パーティクル アンド カーボン」と同シリーズの空気清浄機だ。

ブルーエア「ブルー ピュア 411」
メーカー名ブルーエア
製品名ブルー ピュア 411
価格(編集部調べ)19,440円

 最大の特徴は、日常的な手入れが要らず使い方が簡単な点が挙げられる。空気清浄機は基本的に24時間運転しっぱなしで使うものだが、消費電力は最大で10Wと、省エネにも配慮されている。

 ブルーエアの中では価格的にもカジュアルラインの1つとして位置づけられているが、ハウスダスト・花粉・PM2.5などの微粒子も除去し、調理・タバコ・有機溶剤などのニオイも除去してくれるという「空気清浄」の基本をしっかり押さえている製品だ。

シンプルな仕組み。コンパクトで置き場を選ばない

 本体の大きさは200×425mm(直径×高さ)の円筒形で、質量は1.52kg。スリムでコンパクトな佇まいで、ビビットなブルーが印象的だ。適応床面積は13畳(22m2)まで。

円筒形でスリムでコンパクト。置き場を選ばず、デッドスペースにも難なく設置できる

 構成は、フィルター部と動力部に分けられる。

 本体下部2/3 はフィルターで、簡単に着脱できる青い布製のプレフィルターに覆われている。その下にあるのがメインフィルターの「パーティクルフィルター」で、高さ1.6cmのヒダが142も折り込まれている。1つのヒダを広げると3.2cm、高さは39cmあるので、パーティクルフィルターの面積は1.8m2弱といえるだろう。さらに、その内側には活性炭を練り込んだ「カーボンシート」が付いている。

上が動力部で下がフィルター部。ネジ式で簡単に2つに分けられる
青い布製のプレフィルターは伸縮性があり簡単に外せ、水洗いも可能。別売りで赤、グレイも選べる
メインフィルターの「パーティクルカーボンフィルター」。白い部分は高さ1.6cmのヒダが142も折り込まれている。ここで細かな微粒子をキャッチする
内側のカーボンシートは活性炭が練り込まれており、ニオイを吸着する

 本体上部は動力部で、内部に直径12cmぐらいの7枚羽のファンが組み込まれている。外側からは見えないが、放出される空気にマイナスの電荷を帯びさせる「イオンチャンバー」も備え、効率良く空気中の微粒子をフィルターでキャッチさせる工夫もある。

 浄化方法は、ファンが回転すると円筒形のフィルターの360度全方向から空気を吸引。プレフィルターで大きな綿埃、白いフィルターでチリや微粒子が濾過され、最後にカーボンシートでニオイを吸着し、天面から上方へ浄化された空気が放出される、という仕組みだ。

 天面の孔は、中心から外周に向かって拡大させることで、速さの異なる独自の気流を生み出し、洗浄された空気の循環を効率的に行なうという。

 スリムな円筒形で、側面全方向から空気を吸引できるデザインなので置き場を選ばず、デッドスペースにも難なく設置できる。

動力部の内部に、直径12cmぐらいの7枚羽のファンが組み込まれている
吹出口の孔は中心から外周に向かって拡大している。速さの異なる独自の気流を生み出すという

低速の運転音はほぼ聞こえず、消費電力も低〜いッ!

 使い方はとても簡単だ。プラグをコンセントに挿し込んだら、本体上面にある「blue」のロゴスイッチに触れるだけで運転がスタートする。

 スイッチに触れるごとに、低速(スピード1)→中速(スピード2)→高速(スピード3)と3段階のパワーを順に選択できる。さらにスイッチに触れれば停止する。各スピードに応じて白色のLEDが点灯するが、スイッチから指を放して数秒経つとLEDは減光し、就寝時にも気にならない明るさになる。

天面の「blue」のロゴスイッチに触れるだけで運転がスタート
スイッチに触れるたびに低速(スピード1)→中速(スピード2)→高速(スピード3)と3段階のパワーが順に選択できる

 運転しっぱなしにする空気清浄機だけに、運転音は気になるところ。製品のスペックから運転音は17~46dBとなっているが、低速は深夜でも聞こえないほど驚くばかりの静かさだ。中速になると運転音がハッキリ聞こえるが、仕事中でもさほど気にならないぐらいだった。一方、高速は運転音に風切り音も加わり、日常生活にはかなりうるさいと感じられた。

 ブルー ピュア 441は“カジュアルライン”という位置づけもあり、空気の汚れなどを感知するセンサーは搭載されておらず、必要に応じて自分でパワーを調節するタイプだ。ゆえに、勝手に変化する運転音に煩わされないとも考えられる。

運転音は17~46dB。低速は特に静かで就寝時にも全く邪魔にならない。中速はファンヒーターぐらいの音の大きさ。清浄パワーが強い高速は、風切り音も加わり普段の生活にはうるさいほどだ

 特筆すべきはその高い省エネ性だろう。ワットモニターで計測したところ、低速はたったの1.1W、中速で2.5W、高速で9.9Wといずれも低い。

 消費電力を元に電気代も試算してみよう。24時運転しっぱなしにした1カ月の電気代は、低速は20円、中速は46円、高速でも182円となる。あくまでも試算にすぎないが、24時間運転しっぱなしにしても電気代が安いのは心理的にも大いに気がラクだ。

低速はなんと1.1Wしか電力を消費しない。驚くほど高い省エネ性だ

適応床面積を超える部屋でも脱臭効果を実感

 適応床面積~13畳のブルー ピュア 411を、8畳のリビング兼寝室のベッドサイドに設置した。ただし、隣室の10畳のダイニングキッチンの仕切りは開けたままなので、適応床面積を5畳オーバーの18畳に設置したことになる。

 運転速度はもっとも静かな低速に限定し、昨年末から1カ月以上、24時間運転で使用し続けた。

ブルー ピュア 411を8畳のリビング側に設置した。隣は10畳のダイニングキッチンだが、常に開け放っている状態だ

 使い始めてすぐに実感したのは、低速でも料理などのニオイが消えてしまうことだった。数日間続けておせちを仕込んでも、友人と鍋を囲んでも、カレーを数時間煮込んでも、魚や肉を盛大に焼いても、料理のニオイは翌日までにはスッキリと消えていた。

 料理のニオイだけでなく、設置した側のロールカーテンで仕切られたクローゼットのニオイも全く気にならなくなった。外出から戻った時に感じる部屋特有のニオイも明らかに軽減された印象だ。我が家を訪れた複数の親しい友人に、「この部屋に入ってきた時、どんなニオイがした?」と詰め寄ってもみたが、答えは異口同音に「特にニオイは感じないよ」だった。

 我が家は気密性の高い集合住宅のためか、適応床面積を超えていてもブルー ピュア 411の効果がしっかりと感じられた。

年末から様々な料理を毎日続けたが、翌日までにはニオイがスッキリと消えていたのを実感した
クローゼットのニオイも全く気にならなくなり、部屋特有のニオイも数日でほとんど感じなくなってしまった

日々、気分良好

 ニオイが消えただけでなく、昨年に引き続き(昨年の冬は2カ月間、ブルー ピュア 221をレビューのために設置)、この冬も風邪もひかず元気いっぱいに過ごしている。ハウスダストのアレルギーによる、蕁麻疹や鼻水にもほとんど悩まされず、薬の服用も最小限で済んでいる。

 このレビューでは空気を細かく分析・比較検証はしていないので、具体的な数値を示して「これだけ空気がキレイになりました!」とは言えない。だが、喉のいがらっぽさも無く毎日起床し、体調を崩さずに日々過ごしているのは事実だ。

 我が家は2日おきに掃除機をかける生活だが、冬は部屋の湿度が25%以下になることもありホコリが舞いやすい。色の濃いオーディオの上などは特に目立つ。ところが使い始めてみると埃がさほど目立たなくなった。

 脱臭効果とは異なり劇的な変化は見えにくいが、以上の点から空気が常に清浄されているのをジワリジワリと実感している。低速運転だけでも部屋の空気がいつもスッキリとしており、気分の良い毎日が続いている。サーキュレーター代わりにもなっているようで、暖房が部屋によく行き渡る印象だ。

ブルー ピュア 411を置いてから、アレルギーにもほとんど悩まされず、風邪もひいていない
空気中を舞う埃もプレフィルターにしっかりキャッチされている

手入れはほとんど要らず。別売りフィルターもお手頃価格!

 手入れはとても簡単だ。プレフィルターは埃が目立つ時のみ軽く掃除機をかける程度でOK。汚れが気になってきたら水洗いもでき、何度も繰り返し使用できる。

 メインフィルターは日常的な手入れを必要とせず、6カ月経ったらフィルターごと交換するだけで良い。交換のタイミングは、運転を始めて半年経過した頃に本体のLEDが赤色に点灯して知らせてくれる。フィルターの着脱も簡単だ。何より嬉しいのは、半年使える交換フィルターの価格が3,240円と、かなり財布に優しい。

手入れは埃が目立つ時のみプレフィルターに軽く掃除機をかけるぐらい
メインフィルターの「パーティクルカーボンフィルター」を半年ごとに交換する。価格は3,240円とかなりお手頃。引き抜くだけで簡単に外れる

 1カ月使い続けたフィルターを確認してみると、新品に比べて全体的に白さがややくすんで見えた。折り畳まれたヒダを開いてよく見ると、粒子が見えないほどの細かな汚れが付着しており、ボトムプレートにはヒダに沿った汚れの跡があった。使用中、掃除機を定期的にかけてはいたが、取りきれなかった空気中の汚れをキャッチしている印象だ。

 一方、羽根のエッジには汚れは付いておらず、まるでキレイなままだった。いかに「洗浄された空気しか通らなかった」という証拠だろう。動力部とフィルターの接点部の密閉性も高いのか、動力部の裏側もキレイなままだった。

1カ月使い続けたフィルターの様子。折り畳まれたヒダの内側には粒子の見えない細かな汚れが付着していた
ボトムプレートにもヒダに沿った汚れの跡があった。微細な空気中の汚れもキャッチしている
1カ月使い続けても、羽根はキレイなまま!洗浄された空気しか通っていない
動力部の裏側もキレイなままだった。吸気・排気がしっかり分離されている証拠だろう

ランニングコストも含め、お手頃で簡単・快適

 既に使用を始めて2カ月目にさしかかったところだが、とても満足している。我が家にとっては5畳分足りない適応床面積にやや不安はあったものの、低速運転でも空気はスッキリで快適な日々が続いている。存在を忘れるほど静かで、日常的な手入れも要らず、電気代も気にせずに24時間、毎日使用できるのが良い。

 私事で恐縮だが、以前ブルー ピュア 211のレビューをした時も大いに気に入り、購入を真剣に考えた。しかし結局、見送った。1番躊躇させたのは、1つ12,960円という交換フィルターの価格だった。ところが、ブルー ピュア 411のフィルター価格はその1/4! これが大きな決め手となって、エイッ!っと購入した経緯がある。

 コンパクトで置き場所も選ばず、使い方も至極簡単で、コストパフォーマンスがとても良い。いままで使ったことがない方にも手軽に導入できる空気清浄機として、イチオシでオススメしたい。

藤原 大蔵