家電製品ミニレビュー
賃貸の事務所でも自分で楽々取り付けOK! 泡コートの温水洗浄便座で超快適に
2017年12月20日 07:00
家電アトリエを表参道から広尾に移転してから、やがて2年になろうとしている。広尾駅から徒歩4分程度、商店街沿いで環境もよく、キッチン付きで広い玄関もあってとにかく居心地がよくて気に入っている。ただ1つ、残念な点があるとすれば、それはトイレに温水洗浄便座がないことだった。築17年のマンションのトイレは、清潔感はあるものの、座るたびに冷たい思いをするし、温水洗浄もできない。我慢するしかないのかなぁと思っていた。
ところが、たまたま別件の取材時にパナソニックの担当者に相談してみると、「賃貸物件でも大丈夫ですよ。今のトイレを利用して簡単に取り付けられますから」とのこと。しかも、設置工事などを依頼しなくとも、女性でも取り付けられるという。なんとなんと!!!
とはいえ工具もろくに触ったことのない私。果たして無事に取り付けられるのかと思いつつ、憧れのビューティ・トワレの設置に挑戦した様子をご紹介したい。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | 温水洗浄便座 ビューティ・トワレ DL-AWK600 |
価格(編集部調べ) | 80,700円 |
憧れの泡コート「ビューティ・トワレ」がアトリエにやってきた!
もしも、アトリエのトイレに温水洗浄便座を付けるのなら、昨年の秋に発売されたパナソニックの温水洗浄便座ビューティ・トワレAWシリーズにしたいと、それだけは決めていた。これは瞬間暖房便座&瞬間湯沸かしシャワー式で、とにかく省エネ性能が高い。それに加え、これまで“便器”である「アラウーノ」にのみ採用されていた泡コートがついに搭載され、便器の内面を泡の膜で覆い、汚れをつきにくくするだけでなく、泡が男性の小用の飛びハネを抑えて周囲を汚れにくくできるのだ。さらにはトイレ内の輪じみも発生しにくくするのだという。
発表会の時にスケルトンの便座で模擬実験をしてくれたのだが、心から感激して、惚れ込んでしまった。来客も多いアトリエのトイレにはぴったり。それにこの泡コートが本当にそこまで威力を発揮するのか確かめてみたい気もする。もう、これしかない! でも賃貸事務所だし無理だろうなぁと思っていたのに、今回の朗報。わくわくしながらビューティ・トワレの到着を待ったのだった。
まずは動画で予習、いよいよ取り付けへ
「事前に動画を見ておくとスムーズですよ」というアドバイスをもらっていたので、パンフレットの裏表紙にあった二次元バーコードを読み取って動画をチェック。工具の使い方から、ちょっとした注意点まで簡潔かつ丁寧に説明してくれていてわかりやすい。そもそもトイレの「給水管」や「止水栓」など、どれを指すのかさえよくわかっていなかった私でもふむふむと納得できる内容になっていて、ありがたい。
続いて、ビューティ・トワレの箱を開け、同梱物を全て出してみる。便座本体のほか、フレキシブルパイプ(給水管)、給水ホース、パッキンクイックファスナー、ボルトセット、スパナ等が同梱されている。賃貸物件でも壁を傷つけることなくリモコンの取り付けができるリモコンプレートセットも合わせて取り寄せ、あとは垂水を受けるための容器と雑巾だけを手持ちのものを用意して、準備万端、いよいよトイレにGO!
ちなみに、アトリエのトイレはTOTOロータンク式のベージュタイプ。カラーを合わせるために、ビューティ・トワレもベージュをセレクトした。まずは、付属のスパナの角を使い給水タンク横の止水栓を締める。念のため水洗レバーを下ろし、水が流れないことを確認した。
次にスパナを使い、タンク側と止水栓側の2つのナットをゆるめて給水管を取り外す。庫の際に中に残っていた水が垂れるので、バケツやボウルなどを下に置いておくのがポイント。思ったよりも力を入れずに取り外すことができてホッとした。
次にビューティ・トワレの給水ホースを止水栓に取り付けるため、青のパッキンを止水栓の上に置いてから分岐金具をのせて、まずは手で仮止めを。続いて同梱のスパナで締め付ける。だいぶスパナの使い方に慣れてきた。
給水管を曲げてちょうどいい長さにして取り付ける!?
今回の最大の山場というか、苦戦した場所が、新しい給水管をタンクと分岐金具につなぐ工程だった。というのも、アトリエのトイレの場合、止水栓とタンクの距離が近いためフレキシブルパイプをかなり強引に折り曲げてちょうどいい長さにする必要がある。給水管はかなり長く、これを何とかタンクと分岐金具の距離にぴったり合うように折り曲げて形を作る必要があるからだ。“フレキシブルパイプ”という名の通り、女性でも比較的力をいれずに曲げることができるものの、注意書きには「何度も折り曲げると折れることがあります」と書かれているから、恐る恐るの作業になってしまう。
それでも何回か形を作っては距離感を見てみるという作業を繰り返したのち、何とか繋げられる状態になった。そこで止水栓側に厚みのある4mmの黒いパッキンを置いてから、フレキシブルパイプの袋ナットを締めて固定、その後に薄い2.5mmの黒パッキンと袋ナットでタンクにフレキシブルパイプを取り付けるという作業に。つまり、止水栓側→タンク側の順でパッキンを忘れずに置いてから、ナットで固定するという作業をした。
至極当たり前のことではあるけれど、水の通る管には水漏れ防止のために必ず「パッキン」が挟まれているというわけで、このように実際に取り外しや取り付け作業をしてみると、仕組みのようなものがきちんと頭に入ってきて納得できる。どんなことも勉強なのだなと思った次第だ。
それにしても何とも不格好な給水管の形で、やれやれという感じ。ちなみにどうしても長さが合わない場合にはホームセンターに行けば、さまざまな長さの市販品があるようだし、パナソニックの別売品も用意されている。作業の簡便さや、見た目の美しさを狙いたいなら、きちんと長さを測って、合うものを別途購入したほうがいいかもしれない。
いよいよ便座本体の取り付けへ
ここまでやってきたのは給水管まわりの作業だったが、ようやく便座本体の作業に入る。便器の裏に手をまわし、古い便座のプラスチックナットを緩め、便座を持ち上げるといとも簡単に外れてびっくり。工具を使う必要なし。
続いて、ビューティ・トワレの裏面についていた固定板を外して、便器の穴にはめ込む。固定板はきちんと締めずに、後で調整ができるよう少し緩めに取り付けるのがポイントだ。固定版を取り付けたら、あとはビューティ・トワレの便座本体を滑らせるようにし、「カチッ」と音がするまで押し込んで固定板にはめ込めばOK。あまりにあっけなくて拍子抜けしてしまった。つまり、取り外しも簡単だということで、こまかいところまで掃除したい時にも便利だし、いずれアトリエを移転する時が来ても大丈夫だなと思った。
この段階ではまだ便座と給水管が繋がっていないので、温水洗浄はできない。ということで、先ほどの分岐金具についていたクリーム色の給水ホースを本体に取り付ける必要がある。止水栓につけた給水ホースの反対側を本体側に取り付け、クイックファスナーで固定。左右に回して少し「あそび」があるのが、正しい位置に固定できた状態という説明書のとおりに慎重に取り付けた。
アースの銅線を壁面のアース端子に接触させて接続し、工事前に締めた止水栓を開いていよいよ最終段階に突入。ペーパーホルダーを利用して、壁に穴を開けずにリモコンが設置できることに感激してしまった。
市販の中性洗剤がそのまま使える“泡コート”
“泡コート”のための洗剤は市販の中性洗剤が使え、付属の容器には1本分がちょうど入るようになっている。これで約900回分の泡コートができるというから頼もしい。試運転のために手動ボタンを押してみるとたっぷりの泡が噴出されて便器内を満たし、「やったー!」と思わず声が出てしまった。
取り付け作業にかかった時間は1時間半程度。動画を見たとはいえ、施工説明書とにらめっこしながらだったにしては、早かったような気もする。何より、超初心者の私でもできたのだから、難しくないということだ。
ひとセンサー検知でふたが自動開閉&お掃除いらずの清潔さ
設置してから約2カ月が経過しているが、とにかく快適だ。泡コートは「使用後」「一定時間毎」「便座開時」のすべてで噴出するように設定してあり、ひとセンサーが人を検知して便座を設定温度まで温め、人がいないときには室温センサーが室温を検知して便座の温度を約17℃にコントロールするエコナビや、ナノイーも自動設定で使っている。
ひとセンサーは、ふたの自動開閉にも連動していて、急に近代的なトイレに変身したようなうれしさがある。私自身は女性なので男性の小用時の飛びハネの苦労はわからないのだが、例えば息子がアトリエに仕事を手伝うために来た時など、「安心してトイレに入れてうれしい」と語っているのだから、たぶんそのとおりなのだろう。
来客が多くても、トイレの掃除をさぼっても、便器内も床周辺もとにかくいつも清潔で気持ちよく使える。うちのアトリエのような事務所に限らず、賃貸の住まいで「アラウーノ」のトイレをあきらめていた家庭にも本当におすすめだ。近々、我が家のトイレもこれにしようと思っている。