家電製品ミニレビュー
掃除機で空気清浄機!? 三菱の“4WAY”家電「iNSTICK」のベストな置き場所と使い方
2016年6月24日 07:00
三菱電機が販売する、コードレススティッククリーナー「iNSTICK」の最新モデル。使い勝手の良いコードレス掃除機でありながら、ハンディクリーナーにもなり、かつ空気清浄機能を搭載し、そしてアタッチメントによる布団掃除機能までを備えた「4WAY」家電である。
要するに、これ一台でいろいろなところが掃除できてしまうわけだが、果たしてその実力やいかに、ということで実際に使ってみた。
メーカー名 | 三菱電機 |
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製品名 | iNSTICK(インスティック) HC-VXF30P |
実売価格 | 58,200円(Amazon.co.jp) |
機能はもちろん、デザイン性の高さは目を見張るものがある
掃除機といえば押し入れから「よっこいしょ!」と引っ張り出すものであり、また用事が終わったら再び収納の暗闇の中へ戻すのが慣例であった。しかし昨今のコードレス掃除機のブームは、徐々にその常識の枠に当てはまらなくなり、ついに本機のコンセプトは収納するのではなく、むしろ「出しっぱなしにしてデザイン性を楽しむ」という方向に進化を遂げた。
円筒状のボディにメタリックな加工を施された表面。スティックを支える底面はスクエア型になっており、もはや説明なしに初見で「これは掃除機だ」と言い当てるのは難しいデザイン性の高さを持っている。カッコいい……、確かにカッコいいよ、これ……。
リビングでiNSTICKはどのように活躍するのか?
このデザイン性を生かすにはどこに置いたらいいのか迷うが、まずはリビングへ。上部の取っ手部分を持ち上げるとスティッククリーナーに早変わりし、充電台は空気清浄機としての役割を果たす。
土台を「AUTO」モードにしておけば、掃除で舞い上がったゴミを取ろうとしてか、クリーナー部分を外した瞬間に「HIGH」レベルの空気清浄を始める。のだが、この音が結構大きい。掃除中なので気にする必要がないかもしれないが、会話する声などは届きにくくなるレベルだ。
だが子どものいる家庭なら、リビングは正解だろう。ポロポロと落とすご飯やお菓子、今までのようにその都度、掃除機を出してくる必要はない。ダイニングテーブル脇からサッと取り出しゴミを吸い取るだけだ。
ハンディクリーナーにするためのアタッチメントもリビングでは活躍する。テレビ周辺、食器棚周辺、ソファなど気になればすぐに掃除できる。とまあメリットはさまざまだが、何よりいちいち掃除機を片付ける必要がないというのは画期的。発想の逆転というか、デザイン性を高めたおかげで「時短」掃除としての役割を持たせることに成功している。
使用後は、充電台に戻せば充電が始まる。充電時間は約90分で、連続運転時間は標準モードで約20分。運転モードスイッチを長押しすれば、急速充電になり約70分で完了する。その場合の運転時間は約18分だ。
玄関に置くと俄然威力を発揮する“アノ機能”
本機の下半分は空気清浄機になっているのは前述の通り。そこで考えた次なる設置場所は「玄関」だ。もう季節は過ぎたが、花粉などのアレルゲン物質は玄関でシャットアウトしたいので、空気清浄機の置き場所としては問題ない。
だが、玄関に置くと掃除をする場所が限られ、廊下や階段などの掃除はしやすくなるだろう。つまり、玄関は、空気清浄機能を優先した場合の設置場所ということになる。
子供部屋に置いてみた
続いて試したのが子供部屋。ゴミもよく出るし、暴れるので空気清浄機が活躍すると想像していたが、一つ大きな問題があった。それは小さい子の場合、部屋を走り回ってiNSTICKに激突しかねないということだ。これはタワー型の欠点というか、いくら安定しているといっても故意にぶつかれば当然倒れる。
それから本体が思ったより大きく、クリーナーの収納状態では1m以上になるので自ずと重心は高い位置に。年齢にもよるが、まだ分別がつかない年頃の子供だけの部屋で使用するのは故障、または事故の原因になるのでオススメできない。
寝室に設置すると布団掃除アタッチメントが威力を発揮する
個人的には一番便利だと感じた設置場所が寝室だ。クリーナー、空気清浄、ハンディ、そして「アレルパンチふとんクリーンアタッチメント」による布団掃除と、4WAY家電としての多彩な使い方ができる。布団アタッチメントは本体に差し込むだけでスタイルチェンジ。
布団に対して平行に土台を滑らせるだけなので、持ち上げることがなく腕が疲れない。これは大きなポイントで、布団掃除機は吸引力が強すぎたりすると布ごと吸い込んで進まなくなったりする。だが本機は平行に滑らせるので、そういった心配がないというわけだ。
ゴミの捨てやすさと脱臭機能
いろいろな部屋で試してみて、ゴミの吸引力はスティッククリーナーとして十分だと感じた。ただヘッドブラシの構造上、大きなゴミは取れずに引っかかってしまっていた……。畳やフローリングなどの細かなゴミを、しっかりと吸い上げる方が得意なようだ。
しかし、ボディ背面にゴミの集塵量が見えるので、ワンタッチで外してゴミを捨てられるのは便利。ダストカップは丸洗いできるところもうれしい。
さらにリビングでの活用場面を想定しているだけあって、掃除機をかけはじめたときの独特な嫌な匂いがほとんどしない。これは、サイクロン構造でゴミを分別する方式をとっているため、側面からクリーンな排気が出るように設計されているからだ。
以上を総合的に考えると、リビングや寝室といった場所が設置に適していたわけだが、これらの条件を全部ひっくるめて満たす場所がある。そう、“一人暮らし”にピッタリなのではないかということだ。
特に収納場所も大きく取れない1LDKなどでは、出しっぱなしでOKの本機が縦横無尽に活躍すると思われる。空気から床、棚、布団までキレイにしてくれるiNSTICKを置いて、来客時にドヤ顔で「これは掃除機だよ」と自慢しよう。