家電レビュー

家でソフトクリーム作れる家電が楽しい! コーヒーフロートがお気に入り

クイジナートの「フローズンドリンク&ソフトクリームメーカー ICE-200J」

いま家庭用のアイスクリームメーカーは数多くありますが、意外と少ないのが「ソフトクリーム」が作れる家庭用製品。というのも、ソフトクリームはやわらかさを残しながら、コーンに巻ける程度にはしっかりと凍らせる必要があり、実はアイスクリームより失敗しやすいのです。

そんななか、今年はクイジナートが家庭用の「フローズンドリンク&ソフトクリームメーカー ICE-200J」(49,500円)を発売。家庭でソフトクリームが作れるだけではなく、予冷いらずで食べたいときにすぐ作れるということで、早速自宅で使ってみました。

そもそも家庭用アイスクリームメーカーで手軽に使えるものは少ない!

筆者はこれまでさまざまな家庭用アイスクリームメーカーを使ってきました。しかし毎回ネックになるのが「予冷」。家庭用のアイスクリームメーカーのほとんどは「冷やす」機能がありません。このため専用ボウルをあらかじめ冷凍庫で12時間、ものによっては24時間以上冷やしておく「予冷」が必要なのです。

アイスが食べたいと思ってからすぐ作れないのはもちろん、冷凍庫スペースに余裕がない家庭では、容器を冷やす場所の確保が大変。しかも、保冷容器は調理中に温度が上がるため、量が足りなくても連続してアイスが作れないことも……。一方、ICE-200Jは本体に冷却コンプレッサーを内蔵。予冷なし、材料を入れてスタートするだけで、約30分でソフトクリームが完成します。

しかも、ICE-200Jはソフトクリーム専用機ではありません。ソフトクリームのほか、シャーベットやスラッシー(ジュースなどを半凍結させたドリンク)など全6モードを搭載。スターバックスのフラペチーノみたいなフローズンドリンクも作れます。

本体幅は比較的スリムですが、奥行きと高さはそこそこあります
液晶画面でメニューを選択。左からソフトクリーム、シャーベット、スラッシー、フラッペ、フローズンワイン、フローズンカクテルの全6モード

ただし、いいことばかりではありません。コンプレッサー内蔵のため、ICE-200Jは本体サイズが180×470×455mm(幅×奥行き×高さ)と存在感があります。このサイズを置いてもいいくらい使いこなせるのかは、気になるところです。

レシピ通りに基本のソフトクリームを作ってみる

まずは付属レシピ通りに、基本のソフトクリームを作ります。作り方は、牛乳とグラニュー糖を鍋に入れて加熱し、砂糖が溶けたら生クリームなどを加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やすというもの。冷えた材料をICE-200Jに入れ、「ソフトクリーム」モードを選んでスタート。30分ほどでソフトクリームができあがります。

本体上部の蓋を開き、漏斗状になったパーツに材料を入れたら約30分で完成
ハンドルの土台部分が窓になっていて、最小~最大容量の目盛りが刻んであります。適正量入っているかがわかるのは安心。運転中はここから材料が攪拌される様子が見えるのも楽しいのです

ソフトクリームができあがったら、あとは本体手前のハンドルを引くとソフトクリームがニューッと出てきます。ただ(筆者が思ったより)素早くクリームが出るので、お店のような高さがある美しい巻きを作るのはなかなか難しい。子供がいる家庭なら、誰が一番キレイに巻けるかでも楽しめそうです。

巻くのは少し難しい
不器用な筆者は、高く巻こうとするとクリームが倒れて失敗するため、最終的に低めの巻きで満足することにしました

なお、本製品は完成後も最大30分間、ソフトクリームの状態を保つ保冷機能を搭載しています。ただ、実際に何度か試したところ、個人的には完成直後がもっともきれいに巻きやすい状態でした。15分を過ぎたあたりから少し緩くなったり、固くて出にくくなったりと、形が安定しにくくなります。正直、完成後は早めに食べるのがおすすめです。

手作りソフトクリームの気になる味と思いがけないメリット

ICE-200Jで作ったソフトクリームで印象的なのが、空気をたっぷり含んだふわっと軽い口当たり。牧場などで食べる濃厚なソフトクリームとも違う、ホイップした生クリームを思わせる軽さがあり、後味もさっぱりしています。この独特の軽さは好みが分かれそうですが、たっぷり食べても重く感じにくいのは魅力です。

市販の安いソフトクリームにはシャリッとした食感のものがありますが、本製品の口当たりはあくまでも滑らか。なのに軽く、口に入れるとサッと溶けてなくなります

さらに意外だったのが、思った以上に溶けにくかったこと。牧場のソフトクリームなどは、食べている途中にコーンから溶けたクリームが液状になって垂れてきますが、本製品の場合ゆっくり食べてもクリームがあまり溶けませんでした。お子さんがいる家庭ではこれはうれしい特徴になりそう。

個人的に気に入ったのが、コーヒーにのせたソフトクリームフロート。普通のアイスクリームでコーヒーフロートを作ると、アイスが沈まないようにたっぷり氷を入れる必要がありますが、本製品のソフトクリームは空気を多く含んでいるためか、比較的少ない氷でもふわっと浮きます。しかも溶けるのがゆっくりなので、慌てて食べる必要もありません。時間をかけてコーヒーとソフトクリームを混ぜながら食べるのも美味しく、今回試したなかでもお気に入りの食べ方になりました。

筆者一番のお気に入りがソフトクリームフロート
飲みかけた状態で30分置いたもの。完全には溶け切っておらず、クリームの形が残っているのがわかります

一方、気になったのが一度に作る量です。本製品は、ソフトクリームの材料の最小量は750ml、最大量は900ml。最小量でも小さめのコーンなら8本ほど作れるので、夫婦2人暮らしの我が家にはかなり多め。

そこで、我が家では余ったソフトクリームは容器に入れて冷凍保存。後日食べてみると、できたてのふわっとした軽さは減るものの、そのぶん乳製品の味が濃く感じられます。最初は「750mlは多いな」と感じましたが、できたてはふわふわのソフトクリーム、余った分は冷凍してアイスクリームと、2段階で楽しむのも面白いと感じました。

冷凍ごはん用の容器に入れて1食ずつ冷凍保存したソフトクリーム。市販のバニラアイスよりポロっとした不思議な食感。ソフトクリームのときより乳製品の味が濃くなるため、夫はこちらのほうが好きだとコメントしていました

市販ミックスから自作レシピまで。好みの味を探すのも楽しい

付属レシピで作ったソフトクリームは美味しかったものの、毎回鍋を使って材料を加熱し、さらに冷蔵庫で冷やすのはちょっと面倒。せっかく予冷不要ならば、もっと手軽に作りたいところです。

そこで試したのが、最近は業務スーパーにも置いてあることがある市販のアイスクリームミックス。今回は「フロム蔵王 アイスクリームミックス」をそのままICE-200Jに入れてみたところ、こちらも問題なくソフトクリームになりました。注ぐだけで作れるのでかなり手軽です。

フロム蔵王 アイスクリームミックスで作ったソフトクリーム。ソフトクリームとアイスクリームの差は空気の含有量や温度の違いなので、アイスクリームの材料でもソフトクリームが作れるのです

甘さを控えたり好きなフルーツを加えたりと、材料や配合を自由に変えられるのも家庭用ソフトクリームメーカーならではの魅力。自分で材料を選べるため、添加物を使わないレシピにできるのも嬉しいところです。

ただし、ソフトクリームは脂肪分や糖分などの微妙なバランスで柔らかさを保っているので、失敗することもあります。筆者は冷凍庫にあった6種類のベリーミックスを使って、ベリー味のソフトクリームにも挑戦。ところが、乳脂肪分47%の濃厚な生クリームを使ったときは、ソフトクリームではなく固いアイスクリームのような仕上がりになってしまいました。乳脂肪分45%程度までの生クリームでは失敗がなかったので、濃厚な生クリームを使う場合は牛乳を増やしたりして、全体の乳脂肪率などを調整する必要がありそうです。

固まってしまったベリーのソフトクリーム。ソフトクリームが出てこないので、攪拌用のパドルを引っ張り出すと、アイスがそのままの形で出てきました

もちろん、材料の糖分や水分量なども仕上がりに影響するため、乳脂肪分だけが原因とは断定できません。ただ、これも自宅で作る面白さのひとつ。失敗したベリーソフトも、濃厚なベリーアイスクリームとして美味しく食べられました。自分で考えたアレンジレシピを試すときも「最悪、固めてアイスクリームとして美味しく食べればいい」と思えば、失敗も含めて自作ならではの楽しみだと思えます。

気になる使用後のお手入れは思ったより簡単

ソフトクリームメーカーで気になるのが使用後のお手入れでしょう。取扱説明書にはソフトクリームを出しきったら、ぬるま湯を入れて清掃するよう説明がありましたが、筆者は

・パーツを取り出して付着しているアイスをタッパーに移す
・ぬるま湯で簡単にパーツを洗い流す
・本体にパーツを取り付け、ぬるま湯を入れて洗浄運転
・パーツを取り外して洗剤で洗う

という工程で洗浄していました。というのも、とくに攪拌用のパドルに結構な量のソフトクリームが付着しており、これだけで余裕で1人分になるからです。一方、使用後の本体冷却部は思った以上にきれい。パドルを取り外すと、冷却部の壁面などにはソフトクリームがそれほど残っていません。

毎回ソフトクリームがたっぷり残っているパーツ。レシピによってもっと少ない場合もありますが、ヘラなどで集めると余裕で1人分くらいあります
パドルを取り外した直後の冷却部。こちらは思ったよりソフトクリームが残っておらず、かなりきれいです

お手入れするパーツ数は少なくありませんが、ほとんどのパーツは取り外し可能で、食材が触れる部分で水洗いできないのは筒型の冷却部だけ。こちらはぬるま湯を入れて洗浄運転したあとに布巾で拭き上げるのですが、手が入るサイズなうえに凹凸がほぼない形状なので、そこまで面倒ではありません。工程を書き出すと面倒に思えますが、個人的には思っていたより後片付けはラクでした。この程度なら気軽に使い続けられそうです。

冷却部は手が余裕で入る大きさなので、ぬるま湯で洗浄したあとの拭き上げも簡単

大きさはネック。でも「いつでも作れる」のは想像以上に楽しい

ICE-200Jを使って一番便利だと感じたのは、やはり予冷がいらないこと。材料さえ冷えていれば、思い立ったときにスタートして約30分でソフトクリームが食べられます。市販のアイスクリームミックスなら材料を注ぐだけなので、かなり手軽です。

一方、一番気になったのは完成後30分間は保冷できるといいつつ、時間が経つとソフトクリームが緩くなったり、逆に固くなったりと、状態が安定しないことがあること。キレイに巻いたソフトクリームを楽しみたいなら、完成後はできるだけ早く食べるのがおすすめです。

そう考えると、本製品が活躍しそうなのが大人数で楽しむシーン。最小量の750mlでも小さめのコーンなら8本ほど作れるので、例えば子供の友達を招いたパーティーで、できあがったソフトクリームをみんなで次々と巻いて食べる、といった使い方にはぴったりです。自分でハンドルを引くとソフトクリームがニューッと出てくる体験も含めて、パーティーの主役になりそう。

また、ソフトクリーム以外にも、フラッペやスラッシー、フローズンワインなどが作れるのも魅力。実際に試したところ、冷却しながら常に攪拌するためか、氷をミキサーで砕いたものとは違う、溶けかけた雪のような滑らかなフローズンドリンクを楽しめました。

個人的に気に入ったのがやや甘めに作ったフローズンワイン。トロトロの絶妙な凍り方でどんどん飲める! 大人が集まるときに作りたいドリンク
甘めのカフェオレを「フラッペ」メニューでフラペチーノ風にしたもの。ふわっとした口当たりでちょっと面白い

本体は大きく、最小量でも750mlと一度にできる量も多め。さらに使用後はパーツを取り外して洗う必要があるなど、正直なところ「自分ひとりのためにちょっとソフトクリームを作ろう」という使い方には合いません。一方、家族や友人が集まるときは体験まで含めて楽しめそうです。また、一度に食べきれなくても、余ったソフトクリームは冷凍してアイスクリームとしてゆっくり楽しめるのもうれしいところ。

サイズや一度に作れる量、本体の価格を考えると、誰にでも無条件でおすすめできる製品ではありません。ただ、家でソフトクリームを巻いたり、好みの味を試したり、家族や友人と一緒に楽しんだりと、普通の家電にはないワクワク感があります。実用性だけで選ぶ製品ではないけれど、家にあると毎日の暮らしをちょっと楽しくしてくれる。ICE-200Jはそんな家電だと感じました。

倉本 春