家電レビュー
1万円ちょっとでこれはイイ! ケルヒャーの高圧洗浄機「K1」は一家に1台レベル!
2023年8月25日 08:05
外に出る気力が湧かないほど暑い日が続いている夏。そんななかでも唯一重い腰が上がるのが、高圧洗浄機を使った庭仕事だ。なんといっても水を使うから涼しげだし、水圧で汚れがみるみるきれいになっていくのは気持ちがいい。真夏でも全人類におすすめできる屋外DIYだと筆者は思うのだ。
そうは言っても、なかなか購入に踏み切れないのが高圧洗浄機でもある。気軽に購入できないお値段だったり、自宅に保管できそうなスペースがなかったり、マンション・アパート住まいで高圧洗浄機が活躍するほど広い庭がなかったり……。
ところが今回試してみたケルヒャーの「K 1」は、(高圧洗浄機だけに)そんなためらいを一気に吹き飛ばしてくれる。1万円ちょっとの値段かつ小型・軽量なのに、ちゃんとパワフル。庭と言えるのはバルコニーくらいしかない、というような家庭でも備えていて損のない1台だ。
軽快に取り回せる機動力の高さ
「K 1」は、ケルヒャーの高圧洗浄機のなかでは現状最も安価なエントリーモデル。価格はなんと11,880円で、これなら試しに買ってみるか、と思えるようなお値段だ。どうせお値段なりの性能なんでしょ、と警戒されてしまいそうだが、もちろん上位モデルに匹敵する性能がある、なんて言うつもりはない。ただ、筆者の自宅もそうだけれど、庭の広くないお家にはむしろぴったりなのでは、と感じるサイズと機能になっている。
まずポイントとして挙げたいのは、その軽さと小ささからくる機動力の高さ。仕様上の本体重量は約3.7kgで、サイズは20cm×45cm(幅×高さ、ハンドル込み)。片手で楽々持ち運べるのはもちろんのこと、本体が細身なので軽快感もある。
たとえば大きい高圧洗浄機は重量があるだけでなく、持ち歩くときに足にぶつかりやすいので、そうならないようへっぴり腰気味に持ち上げるために余計に腕力が必要になったりする。けれど、幅が20cmしかないK 1なら無理のない姿勢で持ち運ぶことができ、3.7kgという数字以上に軽く感じさせてくれるのだ。
高圧ホースが3mと短めなのも扱いやすさにつながっている。ホース自体は軽く、柔らかめの素材で、トリガーガンの取り回しが軽い。ホースがからまりにくく、引きずりも少ないことからくる小回りの良さは大きなメリットだ。その分、本体から遠く離れて作業することはできないけれど、もし届かなくなったら本体ごとこまめに移動させればいい。軽く小さいおかげで、そんな手間も面倒に感じない。
狭いスペースで本領発揮、コケ取りも余裕でこなせるパワフルさ
高圧洗浄機の性能の目安となる最大許容圧力は7MPa。ミドルクラス以上の上位モデルは10MPaを超えるので、それに比べればパワーは控えめだ。といっても、たとえばクルマのボディにこびりついた大きな汚れや、コンクリートの表面を覆うガンコなコケを取り除くのも余裕なくらいのパワフルさはある。
我が家ではもはや必須となった真夏の家庭用プールでもK 1は活躍してくれた。プールをしばらく使っているとどうしてもヌメりが発生してしまうが、それを洗い流すのにもK 1の小回りの良さが活きる。
バルコニーもそうだけれど、こういった狭いスペースでの作業時は、大きな本体と長い高圧ホースをどこに避けておくかという悩みがつきまといがち。その点K 1のコンパクトな本体や3m長のホースはメリットになる。邪魔に感じるものが少ないだけで、作業性はずいぶん高まるように思うのだ。
ちなみに高圧洗浄機の稼働時はモーターの騒音がけっこう大きくて近所迷惑を気にしてしまうものだが、K 1はずいぶん静かだ。噴射する水の音にかき消されるくらいなので、住宅密集地でも気にせず作業できる。
そして、使い終わった後の保管もK 1は心配いらず。分解したランスを本体に固定でき、ホースやケーブルも本体に巻き付けておけるので、収納時はかなりコンパクトな姿になる。高さ方向には大きくなってしまうものの、幅・奥行きは小さいままなのでシューズボックスなどちょっとしたスペースにもしまっておきやすい。
必要十分な標準装備、そして機能拡張していく楽しみも味わえる
お値段が抑えられているのは、パワーが控えめになっていることもあるけれど、付属品を必要最小限にしているから、という理由もあると思われる。本体の他にはハンドルと高圧ホース、その先に装着するランス(トリガーガン)、あとは一般的なホースリールと本体とをつなぐためのコネクタ(カップリング)が付属するのみ。水道の蛇口に取り付けるアダプターや、溜めた水を使うための自吸水ホースは付属していない。トリガーガンのノズルも1種類(噴射方式を切り替える機能はなし)だ。
でも、高圧洗浄機の使い始めとしては、一般家庭の用途範囲だと、経験から考えてこれら標準装備でだいたいまかなえると思う。ホースリールがない場合にオプションのアダプターを追加購入する必要はあるけれど、別で必要になりそうなのはせいぜいそのくらい。ノズルは使う場所を選ばない縦に細長く噴射するタイプで、より多機能なノズルが必要になるシーンはそう多くはないはず。
ただし、オプションのアタッチメントなどを追加し機能拡張していくことで、できることをどんどん広げられる、というのも高圧洗浄機の便利で楽しいところでもある。このエントリーモデルのK 1も、オプションを追加するといろいろな場面で応用可能だ。
クルマをピカピカにしたいなら「ウルトラフォームセット」や「パワーブラシ」、車体下部を洗浄しやすくする「アンダーボディスプレーランス」が使えるし、排水口や配管の詰まり解消には「パイプクリーニングホース」が役に立つ。広い庭付き一戸建てに引っ越した後も、長い高圧ホースに交換すれば問題なく使い続けられるだろう。
上位機種とK 1の2台体制もアリ、かも
あくまでもK 1は、広くない庭やバルコニーで使うのに適したサイズとパワーをもつエントリーモデル。筆者宅敷地内、数十m2程度のこぢんまりした駐車場や庭で使う分には、K 1の使い勝手と洗浄力はうまくバランスが取れているように感じた。
広い庭や保管スペースがある家庭なら、作業効率を考えてもよりパワーのある上位機種を選んだ方がいいことは確かだ。でも、たとえば細かいポイントを集中的に洗浄する時や、屋内に持ち込んで配管を洗浄したいときなどは、K 1のような小型の高圧洗浄機の方が都合がいいことの方が多い。
その意味では、すでに大型の上位機種を使っている人もK 1を追加して、2台体制でさらなる効率を追求するのもアリかもしれない。価格を考えると、そんな使い分けもわりと合理的なのでは、と思ってしまった。