家電製品レビュー

新感覚のスチームうがい! 鼻づまり、のどの乾燥を楽にするパナソニック吸入器

パナソニックの「スチーム吸入器 EW-KA65」。店頭予想価格は14,000円前後(税別)

毎年1~2月になると呼びかけられるのが「うがい」の励行。2021年はとくに「うがい、手洗い(消毒)、換気に加湿」の呼びかけが繰り返されている。また3月以降になると、スギ花粉症で目は真っ赤、鼻はムズムズという方も多いはず。目は目薬や洗顔で、とりあえず凌げても、鼻を洗うのは困難で薬に頼るほかない。

そんなお悩みを抱えている方にオススメするのが、新感覚の鼻とのどのうがいができるパナソニックの吸入器だ。

サイズは1Lの牛乳パック2本分ほど。コンセントを差し込んで30秒もすると、ちょうどいい温度のスチームが出はじめる。スチームの量は2段階に切り替えられ、症状に合わせて、鼻づまり用の細かいミスト、鼻のムズムズ用に若干大きなミスト、そしてのどのイガイガをうがいできるミストの3種類のモードを備えている。

温かいスチームで鼻の奥やのどをうがいできる

のどのイガイガを解消して咳払いも少なく会話もすっきり

風邪やウィルスの予防、口呼吸で寝ていた起きがけに使いたいのは「のどイガイガ」モード。側面のダイヤルを切り替えると、吸入口の内部にある羽が動き、スチームが口のほうを向く。

のどの奥をうがいするならこのモード
ダイヤルを「のどイガイガ」モードにすると、スチームの吹き出しが下を向き口のほうにスチームが行く

スチームに加えてさらに霧状のミストが加えられる。吸入口に口と鼻を当て、口で息を吸い込み鼻で吐き出すように呼吸することで、のどの奥に温かいスチームが当たり、うがいができるようになっている。

こちらはおもに、外から帰ってきたときのうがいや、口呼吸で乾いたのどのケアなどに使えるだろう。筆者はとある手術で嚥下障害(気管をうまく閉じられない)があり、寝ているときは口呼吸になってしまうので、朝起きてまず、のどイガイガケアをすると、目覚めが気持ちいい。お酒を飲んで口呼吸になってしまう人にもオススメしたい。

スチームは鼻と口の部分から出てくる
口から吸って鼻から息を吐く

鼻づまりや花粉症の鼻のムズムズを洗って軽減

「はなづまり」モードは、風邪をひいたりお酒を飲んだときに鼻が詰まってしまった場合などに、症状を緩和するための機能だ。必ず鼻が通るというわけではないので、注意が必要。

このモードにすると、吸入口の中の羽が鼻を向き、細かく温かいミストが噴霧される。このミストを鼻から吸い込み、口から息を吐き出すように呼吸をすると、温かいミストが患部に付着し症状が緩和されるというものだ。

細かいスチームのミストが鼻の奥まで届く
はなづまりモードは、吹き出しが上を向く
スチームは鼻側に出てくる

湯気を鼻で吸い込むことになるが、鼻に水が入ったときの痛みのようなものはまったくなく、お風呂でお湯スレスレに鼻を近づけて息をしたときと同じような感覚だ。これも非常に気持ちがいい。

「はなづまり」と「はなムズムズ」モードは、鼻から吸って、口から息を吐く

また「はなムズムズ」モードにすると、「はなづまり」より大きなミストが噴霧されるようになる。こちらも鼻で息を吸い、口から吐き出すようにすると、鼻の奥までしっとりしたスチームが届き、これまでに体験したことのない気持ちよさだ。大量のスチームを鼻から吸うことになるものの、こちらもまったく鼻に痛みはない。むしろスチームの温かさが気持ちいいぐらいだ。

鼻腔の奥を洗い流す、「はなムズムズ」モード
スチームは鼻側から出るようになる
温かいスチームで鼻の奥を潤す

今はまだ花粉のシーズンではないが、「はなムズムズ」モードは、帰宅してから使うとかなり気持ちいいと思われる。

使い方はカンタン! 小学生からお年寄りまで

使い方もカンタンで、1回使えばあとはマニュアルなしでも使えるだろう。

1. まず水タンクに水を入れる
タンクは3区画に分かれているが、水を入れるのは満水ラインのある区画だけ。入れる水は、水道水だが、塩素やカルシウムなどが気になる場合は、精製水やミネラルウォーターなどを使ってもいいとしている。

タンクは3つに分かれており、手前の線が印刷されているところだけに入れる。奥側は吸い込まれなかったスチームを回収する水タンク

2. ボイラーへ水を入れる
本体のカバーを開けると、中にダイヤルのようなフタがある。このフタを反時計回りに回転し開けるとボイラーが見える。購入直後は空になっているが、一度使うと前回使った水の残りが溜まっているので、これは必ず捨てる。

カバーを開けさらにボイラーのフタを開けたら、溜まった水を捨てて付属のカップで水を注入する

3. カバーを戻して吸入口の準備
吸入口は片付けやすいように回転するので、これを使用時の位置に合わせる。

吸入口を180度まわして使用時のモードにする。90度まわすと吸入口の取り外しができる

4. モードスイッチを切り替えてスチーム量を調整し電源ON
コンセントを差してモードスイッチと電源を入れる。

モードダイヤルでうがいする場所を選び、電源ダイヤルでスチーム量を切り替える

5. スチームが熱い場合はシャッターを開けて温度を下げる
スチームの温度を3段階で調整できる。

シャッターを上げるとスチームは温かく、下げるとぬるくなる

6. 吸入口に口と鼻を当てて、低いようならカバーを下につけて高さを調整する

酸素マスクのようにピタリと鼻と口に合わせて、それぞれのモードにあわせた呼吸をする
高さが合わなかったら、片付け用の透明カバーを下に取り付けて高さを調整できる

7. 吸入し終えたらタンクの水を捨てる

カビが発生しないように、水を捨てたら必ずしっかりと拭いて片付ける。またできればボイラーに水が溜まっていないか確認し、こちらの水も捨てるといい
濡れている部分をキレイにしたら、ホコリが被らないようにカバーをして収納

一日に使う回数の制限などはないが、連続して利用するとボイラーの温度が高くなって自動停止することがある。またこの吸入器は蒸気を作るためにボイラー付近が熱くなるので注意。マニュアルでは、精製水やミネラルウォーターの利用も可能としているが、この場合はしっかり水気を拭き取り、カビなどが発生しないようにするといい。なお電源の消し忘れや空焚きなどをした場合は、自動的に加熱が停止される安全機能が働くので安心だ。

お手入れ

吸入部分や水タンク周りはすべて分解できるので、水洗いが可能。食洗機などは温度が高いので使わないほうがいいだろう。とくに汚れが気になる場合は、台所用の中性洗剤を薄めたもので洗うといい。

水色のシートに置かれた部品は、すべて分解して水洗いできる。カビなどが発生しないように、洗ったあとの水分はよく乾かすこと

また家族で共有する場合などは、念のため食器洗い洗剤などで各パーツを洗ってから使うようにしたほうがいいだろう。アルコールや除菌スプレーを使ったメンテナンスについてはマニュアルに記載されていなかったので、できるだけ使わないことをオススメする。

外から帰ったときのうがい、朝のうがい、花粉症の症状緩和に

うがいと手洗いがとくに重要な2021年。ぜひ風邪やウィルスの予防に使ってみてはいかがだろう。また花粉症にお悩みの方は、鼻の奥の粘膜を洗うことができるので、かなり症状が改善されるのではないだろうか?

鼻に水が入ったときのような痛みがまったくないので、小さな子どもからお年寄りまで使える、新感覚のスチームうがい。口呼吸で寝てしまう筆者にとって手放せないモノとなった。

藤山 哲人

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。 「マツコの知らない世界」(番組史上最多の5回出演)「ゴゴスマ」(生放送2回)「華大の知りたいサタデー」(生番組4回)「アッコにおまかせ」「NHKごごナマ」(生放送2回)「カンテレ ワンダー」(5回)「HBC 今ドキ!(生中継4回)」はじめ、朝や昼の情報番組に多数出演し、現在インプレスの「家電Watch」「PC Watch」やサイゾー「ビジネスジャーナル」などのWeb媒体をはじめ、毎月ABCラジオなどで連載やコーナーを持っている。 趣味は、鉄道、飛行機、バス、車の旅行や写真とシステム&構造。電子工作、プログラム。あと神社めぐり。

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