家電製品レビュー

パナソニック史上No.1の明るさの「強力マルチライト」は、一家に一台でもしもの時も安心

 パナソニックが創業100周年に合わせて、1927年誕生の「角型ランプ」を模したマルチライトを発売した。聞いただけで、「コレは見送るわけにはいかんッ! 」と、すぐさま購入。早速「強力マルチライト BF-MK10」を紹介していこう。

パナソニック「強力マルチライト BF-MK10」
メーカー名パナソニック
製品名強力マルチライト
品番BF-MK10
価格(編集部調べ)3,882円

 BF-MK10の特筆すべきは、その明るさだ。“強力”と製品名にあるとおり、明るさはパナソニックの単三形電池ライト史上No.1(2018年2月22日現在)で、明るさを示す光束はなんと400lm! 単三形電池3本で、30W相当(325lm以上)のLED電球の明るさを上回るのだから驚きだ。

 しかも2つの光源を備え、「マルチ」に活用できる。スイッチの簡単な切り替え操作で、「強力ライト」、「ランタン」、前方も足元も同時に照らせる「ダブル照射ライト」と、3通りのモードを利用でき、それぞれが6段階の調光にも対応している。

1927年の「角型ランプ」のデザインを模した「強力マルチライト BF-MK10」
最大400lmの明るさの「強力ライト」モード
電球色の「ランタン」モード
2つの光源が同時に点灯する「ダブル照射ライト」モード

ランタン部全体がスイッチだから暗闇でも点灯しやすい

 明るくて3つのモードが備わるライトは、使い方もとにかく簡単だ。

 点灯は、白いランタン部をポンッと押すだけでON/OFFできる。暗闇でもスイッチを探さずに手探りだけで点灯できるようデザインされている。また、誤操作を防ぐロックスイッチもちゃんと備えてある。

 モードの切り替えは、側面の四角い「切替」ボタンで行なう。丸いのは「調光」ボタンで、押せば6段階、長押しで無段階の調光ができる。ボタンの形状が違うので、見なくても指先の感触だけで操作ができるのが良い。

 乾電池の入れ替えも簡単、確実にできる。電池ふたの「スライドつまみ」は親指にしっかりかかるほど大きいため、電池ふたは開けやすく、確実に閉められる。さらに、単三形アルカリ乾電池の中でも特に長持ちと定評の「パナソニック エボルタNEO」が3本同梱されており、すぐに使える。

ランタン部全体がON/OFFのスイッチになっている。暗闇でも点灯しやすい
ロックスイッチをスライドして、ロック/解除が簡単にできる
「調光」と「切替」はボタンの形状が違うので、見えなくてもわかりやすい
長持ちで定評のあるエボルタNEOが同梱されている。電池ふたの開け閉めは簡単だ

明るいだけでなく、光もよく拡がるからメインの懐中電灯にも

 光源は、強力ライト用にハイパワー白色LED1個と、ランタン用のワイドパワー電球色LED2個が備わっている。

強力ライト用のハイパワー白色LED
ランタン内部にワイドパワー電球色LEDが2個組み込まれている

 「強力ライト」モードはハイパワー白色LEDが1つ点灯するだけだが、最大の明るさが400lmというだけにとにかく明るい。見開きの新聞の上50cmの高さから照らした様子は、高配光の40W形(485lm)LED電球に負けないほど明るい。

 明るいだけでなく、光がよく拡がり、遠くまでよく届く。壁面に光源を向けたまま0.3→0.9→1.5→2.1mと壁から離していったところ、2mも離れれば2.5m四方の壁面全体が明るく感じられるほど光が大きく拡がった。この明るさと拡がりは、家庭のメインの懐中電灯として十分ではないだろうか。

新聞の上50cmから「強力ライト」で照らした様子。照らされた中央の明るさは40W形LED電球を上回った
同じ高さから、高配光の40W形LED電球で照らした様子。明るさが全体的に拡がる
照らしているところを横から見たところ。明るさが力強く遠くまで届く印象だ
壁から約1m離した辺りで、約1.2m四方に光が拡がった。同じ露出で撮影しているので暗く見えるが、肉眼では2m離れても力強い明るさが感じられた

 「ランタン」モードは、電球色LED2個が点灯する。最大の光束は50lmと、装飾用電球程度の明るさに過ぎない。だが、壁面から20cm離した棚の上に置くと、柔らかな光が広範囲に拡がる。屋外の使用ならランタン、室内ならベッドサイドに置いて、夜中に目覚めた時の足元灯や常夜灯として、日常的な使い方もできるだろう。

ランタンの光は柔らかく、広範囲に拡がる

 「ダブル照射ライト」モードは、強力ライトとランタンの両方が、明るさを変えずに同時に点灯する。直立姿勢で手に持ったところ、強力ライトを照らした前方はキリッと明るく、足元がハッキリ見えるほど十分に明るく照らされた。夜間のウォーキングや犬の散歩にも快適に活用できそうだ。

「ダブル照射ライト」は強力ライトとランタンが同時に点灯する。足元もしっかり明るい
強力ライトだけでは足元に光が回らない

調光すれば電池は長持ち

 調光はモードにかかわらず6段階、または無段階でできる。エボルタNEOを使用して「強力ライト」を最大の明るさ(明るさ6)で点灯した場合、電池寿命は連続で約4時間。だが、調光した分だけ電池の持ちは良くなり、最小(明るさ1)ならば約320時間も持つという。

 光束の小さな「ランタン」なら最大の明るさでも約22時間、最小はなんと約2,200時間も連続点灯できるのはすごい。強力ライトとランタンを同時に点灯する「ダブル照射ライト」は最も電力を消費するが、それでも最小にすれば約300時間電池が持つ。調光しながら使えば、日常使いも現実的と言えるだろう。

 なお、本製品は最後に点灯したモードと明るさを記憶する。

強力ライト時は、4~400lmの範囲で明るさが調節できる。明るさに応じて電池持ち時間が変わる
ランタンの調光は0.5~50lm。明るさ1なら、なんと3カ月間(約2,200時間)も連続点灯ができる。イザという時に心強い
2種類のモードが同時に点灯するダブル照射ライトは電池持ちがより短くなる。シーンに応じて調光して使いたい

カメラ用の三脚も取り付け可能、シーンに応じてハンドル位置も変えられる

 大きさはハンドル込みで77×83×132mm(幅×奥行×高さ)で、重さは乾電池込みで263g。コンパクトで軽く、平らな面に安定して置ける。実用性を重視したデザインはひと目で何をする物かわかり、強い存在感を放つ。にもかかわらず、90年前の角型ランプを模したデザインは、どこか懐かしさと親しみが漂う。

道具が持つ強い存在感はあるが、親しみを感じるデザイン。ハンドル無しの大きさは77✕52x92mm(幅×奥行×高さ)

 ユニークなのは、シーンに応じてハンドルの位置が変えられる点だ。ハンドルのネジを指で回せば簡単に外れ、本体の上部と側面の2箇所にあるネジ穴を選んで付け替えられる。上部に取り付ければ手持ちに便利なスタイルになり、側面に取り付ければ安定して置ける支えになる。

 また、ネジ穴部はカメラ用三脚などのネジ(1/4-20UNC)を採用しており、市販の三脚やクリップなどへ取り付けが可能。撮影用の照明など、用途の幅が広げられるとしている。さらに、本体は防滴構造で、小雨などで多少濡れても大丈夫。大雨の中では使えないが、その代わりに完全密閉型ではないので充電池も使用できる。

ハンドルを取り付けるネジ穴は本体の上面と側面に2つある。ネジ穴はカメラ用三脚などのネジ(1/4-20UNC)と同じものを採用
ハンドルの位置を変えれば、さまざまなシーンでより使いやすくなる
カメラ用のミニ三脚に取り付けた様子。オブジェ的な演出もできる
昭和初期のパッケージをイメージした化粧箱も魅力的だ

生活空間に置いて、常に備えておきたい

 古き良き時代の角型ランプを模したデザインにとどまらず、コンパクトなのに大光量で、さまざまなシーンに応じた使い方ができる。調光すれば電池持ちが良く、スイッチ構成もわかりやすく、持ち歩きしやすい。災害への備えとしても最適だろう。

 まさに現代の技術で甦った「2018年版・国民のライト」と言いたくなるほど完成度が高い。予備のエボルタNEO乾電池と共に、ご家庭に是非とも常備をオススメしたい。

藤原 大蔵