家電製品レビュー
コスパ最高! 個室にちょうどよかったアイリスオーヤマのスマホ連携エアコン
2018年8月6日 06:30
守谷市にレビュー専用の家「家電ラボ」を開設したが、個室にエアコンがないので導入することにした。悩んだ末にアイリスオーヤマのエアコン「Wi-Fi人感搭載シリーズIRA-2201W」を選んだ。アイリスオーヤマのエアコンは昨年発売されたばかりで、どんなエアコンなのか興味があったからだ。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | ルームエアコン2.2kW(Wifi+人感センサー搭載シリーズ) |
型番 | IRA-2201W |
購入場所 | アイリスプラザ |
購入価格 | ¥53,784(取付工事なし)/¥65,800(取付工事あり) |
Wi-Fi機能搭載モデルでこの価格は格安!
アイリスオーヤマのエアコンはレビューや口コミなどを見かけることはなく、現状ではあまり知られていないので、不安に感じる方も多いと聞く。
アイリスオーヤマといえば小型家電の分野ではユニークで使いやすいヒット商品を世に送り出し、ここ数年は品質も安定している。ただ、大型白物家電であるエアコンは、まだ販売を始めてやっと1年が経過したところで実績がない。
仕事柄、メーカーのエアコン工場や研究所を見学する機会に恵まれることが多いのだが、歴史が長く、今も売れているメーカーは、数々の改善を積み重ね、使い勝手がよく考えられている。もちろん品質についても文句がなく安心して使えるものが多いので、あとはお財布と相談して決めることが多いのだが、歴史が浅いアイリスオーヤマのエアコンを買うのは、価格以前の問題で不安が大きい。
ラインナップは、Wi-Fi人感搭載シリーズとスタンダードシリーズの2シリーズしかなく、あえて製品数を少なくすることで価格を絞っている。
今回は設置する部屋が6畳だったので、Wi-Fi人感搭載シリーズのIRA-2201Wを選んだ。畳数の目安は冷房で6~9畳、暖房で5~6畳、消費電力は冷房時が530W(130~800W)、暖房時が445W(110~1,015W)となっており、期間消費電力量は718kWh。省エネ基準達成率は100%で、個室向けのスタンダードタイプのエアコンの中では他社と遜色ない省エネ性能を誇っている。
他社ではWi-Fiユニットは別売りなものもあり、高額である。一方RA-2201Wの本体価格はWi-Fi機能込みで約5万円。かなりお買い得な製品といえる。
リモコンがあればWi-Fi機能は必要ないと思われる方もいるかもしれないが、外出先から切り忘れがないか確認ができたり、ON/OFFができたり、何よりタイマー設定がリモコンよりもはるかにやりやすい。我が家のリビングで使用している他社製のエアコンは、2万円ほどかけてWi-Fi機能をわざわざ追加したが、一度慣れてしまうと後戻りができない。最初からWi-Fi機能が搭載されていたことも、アイリスオーヤマのエアコンを選んだ理由の一つだ。
サイズは幅795×奥行230×高さ250mmで重さは9kg。デザインはシンプルで、右側に丸いセンサーが見える。
過酷な使用環境でも部屋中に風が届く
使用する2階の部屋は、西日が当たる過酷な環境。日中の室温は40℃近くなり、立っているだけで汗が噴き出るほどで、パワーが試される場所だ。
風の上下角度を調整できるフラップは5段階で好きな位置に固定できる。また、スイングモードにしておけばフラップが上下にスイングしてまんべんなく風を送ってくれる。左右に風の向きを交換できるルーバーの調整は手動で行なう。左右別々に調節できるが、リモコンなどでの遠隔操作では角度を調整できない。
窓際の広い面、しかも隅にしか設置できなかったため、ルーバーは右に向けておく。室温は39.1℃、立っているだけで汗が出てくる温度だ。
木造で2階部分、しかも日光があたる部屋ということでどんどん外側から暑くなってしまう部屋だが、23℃に設定したところ、30分程度経過した時点で、一番遠い場所で26℃まで下がった。その間、風が部屋中に届くので、体感的にはもっと涼しく、少し寒いくらいだった。
風量は十分で、暑い中で運転開始を行なうとフルパワーで風が出てくる。上下の動くルーバーは足元から上部までまんべんなく風を送り届けてくれる。足元に風車を置いてみたが、少し離れたところでもよく回っている。
ここで風量は自動ではなく、手動で「3」に弱めた。フラップも特に大きいわけではないが、ハイパワーでよく冷やしてくれたので満足だ。
部屋は6畳と狭いこともあり、隅々まで気流が届き、涼しくなる。暑い日でハイパワーの状態でも、消費電力は650W~750W前後で推移している。
なお、冷房、暖房、除湿のほかに「自動」モードがある。温度を検知して、設定した温度を目標に自動で冷暖房と風量を切り替えて運転するもので、運転モードボタンの中では一番上の押しやすい場所にある。自動で設定温度に自動で近づけてくれるので、よく使っている。
リモコンを壁掛けできるアタッチメントなどが付属していないのは残念だが、デザインがスタイリッシュで大きく持ちやすい。文字もはっきりしていて見やすい。
人感センサーやおやすみ運転など、個室なら機能は十分!
省エネ機能では、人の動きを検知して自動で省エネできる「人感センサー」を搭載。約10m先まで検知し、30分間人の動きを検知しないと、冷暖房の能力を落とした状態で運転する。その後、2時間人の動きを検知しないと、さらに冷暖房の能力を落とす。センサーの範囲に人の動きを検知すると、通常の運転に切り替わるので、無駄がない。
嬉しい機能が「おやすみモード」だ。最近は猛暑で冷房をつけっぱなしにして寝ることが多いが、そのままにしておくと寒いし、タイマーで消すと暑くて目が覚めるし……というとき、冷房時は徐々に温度を上げ、暖房時は徐々に温度を下げて急激な温度変化をなくして快眠をサポートしてくれる。冷房運転中におやすみモードにすると、風量は自動になり、1時間ごとに1℃、合計2℃まで設定温度を上げて運転。暖房運転の場合、1時間ごとに1℃設定温度を下げて運転する。
今は冷房をつけたまま寝ているが、寒くなって夜中に起きることがあるので、こういった機能が搭載されているのはありがたい。
ペットがいる家庭でも外出先からON/OFFできて安心
無料のスマートフォン用アプリ「NetHome Plus」をダウンロードして設定すれば、エアコンをスマートフォンで操作できる。ガイドに従って初めにアカウントを登録し、Wi-Fiに接続してから本体に貼られているシールのQRコードをスマートフォンのカメラでスキャンすれば簡単に登録可能だ。
外出先から操作できるのも便利だが、スマートフォンは家の中でも手元に置くことが多く、いちいちリモコンを探さなくてもすぐに操作できるのが嬉しい。運転モードや風速設定、温度設定もできる。また、オン・オフタイマーの設定はリモコンよりも直観的にできる。
また、アプリならではの「睡眠モード」という機能がある。「おやすみモード」よりも細かく設定できるので、自分好みの温度調整ができるのだ。
プリセットでは「若者」「お年寄り」「子供」の3種類で、それぞれに合った睡眠のための室温調整を自動で行なってくれる。マニュアル設定もできるので、指定した時間帯に好みの温度に設定することも可能だ。これはアプリだけで操作できる機能で、とても気に入っている。
ペットがいる家庭では、真夏はエアコンをつけっぱなしにして外出することが多いかもしれないが、秋口や春先ではエアコンの運転を迷うこともある。天気予報が外れて、思ったよりも暑く(または寒く)なったときも、エアコンを外出先からON/OFFできるので、安心して外出できる。また「エアコン消したかな……?」と不安なときも、スマートフォンで確認できるのも安心だ。
価格が安く、機能にも満足
本体価格が安いため、それほど期待していなかったが、便利な機能が揃っていることに驚いた。酷暑でも部屋の隅々まで冷えるし、何より使いやすい。カメラやセンサーで人の温度を見分けたり、風を吹き分けたりする機能などはないが、個室用としては十分ではないだろうか。
タイマーやおやすみモードなどの便利な機能に、さらにWi-Fi機能も搭載。充実した機能が揃い、お買い得感がある。お手入れに関しては自動でお掃除する機能などはないが、フィルターなどを外して掃除するタイプで、他社のスタンダードタイプのエアコンと掃除の手間は変わらない。
家電量販店では取扱いが限られているが、家電量販店のネットショップやアイリスオーヤマの公式オンラインショップなどでは購入することができる。個室用エアコンを購入の際は、選択肢に入れてみてはいかがだろうか。