e-bike試乗レビュー

猫探しサイクリングで今さら気づいた! キャノンデールはe-bikeもペダルバイクも速い!?

筆者が2023年4月に購入したCANNONDALE(キャノンデール)「Topstone Neo 5」。グラベルロードバイクタイプのe-bikeです。

キャノンデール「Topstone Neo 5」はグラベルロードバイクタイプのe-bike。ドライブユニットとしてはボッシュ製「Performance Line CX」を搭載していますが、現在においては旧型のドライブユニットとなります。現在の最新世代Smart System対応のPerformance Line CXよりも、アシストが若干乱暴(パワフルな感じとも言う)。インチューブタイプのバッテリーはPowerTube 500」を採用。500Whの大容量でEcoモード最長170kmのアシスト走行が可能です
フレームはアルミ製で、フロントフォークはカーボン製。タイヤは700Cホイールサイズですが、36mmの幅があります。フレアのドロップハンドルで悪路でも操舵しやすく安定性が感じられます

余談ですが、2023年4月に購入はしたんですが、納車は2023年6月末でした。猛暑ということもあり、納車後に少し乗っただけで夏の間は死蔵。その後も背中を痛めたりいろいろありつつ予定していたカスタマイズのためショップに預けるなどしていて、しっかり乗り始めたのは2024年になってから、1年近く「ただただTopstone Neo 5を所有しているだけ状態」が続いてしまいました。

カスタマイズ後のTopstone Neo 5。フロントとリアにフェンダー(泥よけ)を取り付け、リアキャリアも装着。グラベルロードe-bikeですが、街乗り~近場の冒険サイクリング、そして猫を探しつつ走る猫サイクリングに使おうと思い、便利に使える方向でゴテゴテとカスタマイズしました
ハンドルには大きなミラーも装着。道路上での事故の危険は後ろからもやってきますからネ。ハンドル手前には2つのファブリック製ドリンクホルダーを装着。左に飲料、右にiPhoneを入れています。猫を発見したら速攻でiPhoneを取り出して撮影するためです。こういうドリンクホルダーにスマートフォンを入れて走ると、走行中の振動によってスマートフォンカメラの可動部機構が故障するといった心配も軽減できます
リアバッグも多用しています。リアバッグとリアキャリアは、どちらもnに対応しており、リアバッグをワンタッチで着脱できます
ちなみに、リアバッグもリアキャリアも、ボントレガーのMIKシステム対応品です。リアバッグが「ボントレガー MIK ユーティリティ トランク バッグ」で、リアキャリアが「ボントレガー バックラック デラックス MIK」です。これらパーツはバイクプラス所沢店のオススメで装着しましたが、非常に便利。また、Topstone Neo 5は自転車としてあまり特殊なところがないそうで、バイクプラス所沢店のメカニックの人が「普通のスポーツバイクに近いのでとてもカスタマイズしやすい」と言っていました
リアバッグの中身は猫用おやつ! 地域猫と仲良くなって猫写真を撮ったり撫でたりするためですっ!
最近仲良くなった黒猫ちゃん。いろいろな人から猫おやつや猫ごはんをもらっているので、毛艶がよく体格もシッカリしています
これは地域猫を装った飼い猫ちゃん。周囲の人からかわいがられており、たいへん人なつこいです

という感じでTopstone Neo 5で近場をサイクリングしたり、ときには数十km遠くのスポットに出掛けてみたりしています。猫サイクリングが多い感じですが……。

Topstone Neo 5はとても速い

さて、Topstone Neo 5でよく走るようになり、頻繁に感じるのが「このe-bike、ヤケに速いぞ」ということ。

e-bikeとして機能するのは走り出しとか急坂くらいで、平地を走っているとすぐに24km/hに達してしまう。また、その後もそういった速度域を維持できてしまいます。

サイクリングのツイデに仕事(ガジェットレビューのためのフィールドワーク)をすることがありますので、機材など多めに積むことも。でも荷物をたくさん積んでも、走り出しも坂道もラクなのがe-bikeのいいところです。しかもこのTopstone Neo 5、アシストが切れても速い!
地域猫のためにカリカリや液体おやつも満載。またe-bikeは「あっ猫!」と猫を見つけても、躊躇なく停車できます。走り出しがラクで重い荷物も気にならないのはe-bikeの大きなメリットです
あっまたあの猫! 地域猫のフリをしたどこかのお家の飼い猫ちゃん。……猫って自転車を怖がりませんが、サイクリストには猫好きが多いからでしょうか?

ちなみにTopstone Neo 5の車体重量は18kgを切っていて、e-bikeとしては軽量。ただ筆者の場合はパーツをアレコレ取り付けていますし、荷物も多めなので22kgくらいあると思います。でも18kgでも22kgでも、e-bikeとしては軽い部類です。

とは言っても、Topstone Neo 5の場合、上記のとおりすぐにアシスト上限速度の24km/hに達してしまいます。それ以降は「普通のグラベルロードバイクの2倍近い重さの人力バイク」になってしまう。でも、少しペダルを踏み込むと30km/hくらいで走れるので、やっぱりTopstone Neo 5は走行性能的に素性のよい「速いバイク」なのだと思います。

猫サイクリングを頻繁に続けていたら、いつもは近寄ってこない地域猫とも距離が縮まりました。手前の猫が(その体毛色から)「くるみちゃん」と呼ばれている非常に人なつこい猫。奥から近づいてくる茶トラは、周辺の人から「赤い猫」と呼ばれていて、警戒心が強い猫です
でも赤い猫、近距離まで近づくようになりました。触らせてくれませんが。猫サイクリングを続けると、お近づきになれる地域猫などがどんどん増えていきます。やはり躊躇なく停止でき、ラクに発進でき、それでいて運動にもなるe-bikeはサイコーのモビリティです
e-bikeで焼きだんご屋巡りサイクリングも。焼きたてアツアツの串団子はリアバッグに入れて次の焼きだんご屋に向かいます
「もしかしたら……」と思って、標高が少々高い湖へ。ここまでアップダウンがかなりありましたが、e-bikeなのでラクラクです
2024年最後の紅葉……が見られました
「もしかしたら……」の勘が冴えて、地域猫もいた! 全然近寄ってきませんが

Topstone Neo 5で猫サイクリングをすると猫出現スポット間をスピーディーに移動でき、焼きだんご屋巡りサイクリングだと隣の市やさらに隣の市まで長距離巡っても短時間・ラクに走れて、アップダウンを超えて標高が少々高い湖へ行って紅葉を楽しめたりします。どんなコースを巡っても、やっぱり速いと感じるTopstone Neo 5です。

ただ、アシスト上限を超えて走ることが多くなるTopstone Neo 5なので、そのぶん体は疲れます。走っているときは軽い運動で快適、というイメージですが、帰宅後に一息つくと「どっと疲れる」という印象です。

まあ、普通のグラベルロードバイクの2倍近い重さのe-bikeで、ノーアシスト走行が結構多いので、体が疲れないハズはないですよね。でもサイクリング中に「疲れた~苦しい~」と感じないのは、e-bikeなので走り出しがラクなのと、急坂も鼻歌交じりで登坂できるからだと思います。

キャノンデールのe-bikeや人力自転車って……全部速かったりしない?

Topstone Neo 5は速いなぁ、と思ったわけですが、考えてみたら、ほかのキャノンデール製e-bikeや人力自転車も速いかもしれません。いや、速いです。個人的な感覚ではありますが。

実は筆者、キャノンデールのe-bikeをもう1台持っています。また、キャノンデールの人力バイクも1台持っています。過去には、キャノンデールのアルミ製ロードバイクも持っていました。で、記憶を辿ると、これらキャノンデール製の自転車、どれも速いんです。

たとえばキャノンデール「Compact Neo」。ミニベロe-bikeですが、これも走っていると24km/hをすぐ超えてしまうんです。外見はちょっとポップでかわいいミニベロですが、ガンガン走っちゃうCompact Neo。

キャノンデールのミニベロe-bikeことCompact Neo。かつてあったキャノンデールの人力ミニベロ「HOOLIGAN(フーリガン)」によく似た風貌です
e-bikeとしてのパワフルさはあまり求めず、コンパクトという魅力に惹かれて買いました
キャノンデールのMTBにかつて採用されていた独自のデルタVデザインフレーム。キャノンデールは、性能・外見に先端的かつ独特のテクノロジーとデザインを盛り込んでくるメーカーとして知られています
簡単なレバー操作でハンドルを90°曲げられます。左右どちらにも曲げられ、曲げた状態でロックできます
ペダルは外側にやや強く引くことで90°曲げられます
ハンドルとペダルの出っ張りがなくなるので、で通路脇などに置いても邪魔になりにくいというわけです。ミニベロは折りたたんで……というイメージがありましたが、実際は折りたたむよりもハンドルとペダルを90°曲げたほうがコンパクト……というかスリムになって、玄関などに収納しやすいです

Compact Neoはその名のとおりコンパクトで、重さも18kgを切っていて女性にも扱いやすいと思います。そういった扱いやすさがあるe-bikeとして、e-bike Watchでも社用車として購入したそうです。

それからキャノンデールの人力自転車の「Bad Boy 1」。人力クロスバイクで、メンテナンス性が高く、しっかりした直進性が特徴的です。重さは11.7kgで、わりと軽く、前述の直進性と相まって「速いクロスバイク」という印象が強いです。

キャノンデールの“ハイグレードなクロスバイク”ことBad Boy 1。硬めの乗り味ですが、これも速い!
ドライブトレイン周辺の外観です。ギアは内装ギア(シマノ アルフィーネ 8速)で、チェーンではなくベルトドライブ(Gates カーボンドライブ)です。ドライブトレイン周辺は、ほぼメンテナンスフリー。素晴らしい!
フロントフォークは左側だけの片持ちフォークです。キャノンデールのアイコニックなテクノロジーで、通称「レフティ」

それから2010年頃に乗っていたキャノンデールのロードバイク「CAAD10(キャド テン)」。初めて乗ったアルミフレームのロードバイクでしたが、ペダルを踏んだ力が全部走行速度に変換される感じで、「すっごーく速い!」という記憶があります。速い理由がよくわからないんですが、自分でも驚くほど速く走れちゃったんです。

キャノンデールはロードバイク(多数作っているメーカー。CADD系ロードバイクは「CAAD13 105 Di2」が現行機種です。

2010年頃のキャノンデールCAAD10
これでサイクリングロードを走っていました。1回キッチリ50km走っていました

ここまでで出てきたキャノンデールの「速い自転車」に共通しているのは、走っているときは軽快で気持ち良く、ナゼか速く走れちゃってる、みたいな感じがあることです。ほかのキャノンデール製バイクも、そうなのかもしれません。

もうひとつの共通点としては、走行後には体力をしっかり持っていかれていることに気付く、ということ。まあでも速く走ろうとしなければ、軽快に楽しめる自転車たちだと思います。

そういえばe-MTB「Trail Neo 4」にも試乗していた、これも速かった?

キャノンデールといえば、日本では初のe-MTBこと「Trail Neo 4(トレイルネオ フォー)」が2024年5月21日に発表されたのでした。Trail Neo 4がラインナップに加わったことで、キャノンデールにはミニベロからグラベルロードまで主要カテゴリーのe-bikeが揃いました。

それで、Trail Neo 4に試乗し、レビュー記事を書きました。そのときの印象も「キャノンデールのe-bikeはどれも速い!」というものでした。

キャノンデール「Trail Neo 4(トレイルネオ フォー)」。サイズはSM、MD、LGが用意されています。カラーは写真の「Quicksand」のみ。スッキリした外観のハードテイルe-MTBです
ドライブユニットはボッシュ製「Active Line Plus」。最新のスマートシステムに対応しています。カセットスプロケット歯数は11-36T、クランク歯数は34Tで、ドライブユニットのアシストも伴ってこんな急坂もラクラク上れます
リアサスペンションのないハードテイルe-MTBですが、キビキビした操作感がありトレイルをしっかり楽しめます
トレイルの先の丘の上まで一息で走れてしまいます。ライダーを走る気にさせる不思議な楽しさがあり、普段はゆっくり上るトレイルでも、なぜか頑張ってしまいました。キャノンデールの自転車って「ライダーを走らせる」ような魔力(?)がある気がします
もちろん舗装路の激坂も楽しみながら上れます
ちなみにタイヤのトレッドパターンやジオメトリなどにより、平坦な舗装路でもスピーディーに走れます。日常使いもでき、トレイルも楽しめる、活用幅が広いe-MTBです

試走後、e-bike部の清水氏とやりとりしていたら、既にTrail Neo 4の試走を済ませており、意見が一致しました。「Trail Neo 4って舗装路かなり速く走りますよね!」と。

他方で清水氏、e-bikeの購入を考えていました。e-bike記事のロケに行くと、清水氏は走行中メンバーなどの撮影を担当することが多いです。清水氏は「毎回、スタッフ分のe-bikeを借りるなどして調達するのが面倒なので、買おうかなと考えています」とのことでした。

ただいろいろ迷っていたご様子。ロードバイクタイプだとトレイルなどのロケには使えません。グラベルロードというのもありますが、それも本格的なトレイルになると、スタッフが乗り慣れていないと厳しい。「なのでフルサスe-MTBにしようかなと思って」と清水氏。その一方で「フルサスe-MTBって本格的トレイルまで走れていいんですが、高額だし、舗装路だとあまり速く走れないし……イベントだとハードな場所も走らないし」とも。

そこに登場したTrail Neo 4。価格は399,000円で、しっかり走れるe-MTBとしてはコストパフォーマンスも高いです。また、豪華装備はないハードテイルe-MTBですが、そのぶんフルサスe-MTBよりも軽くて扱いやすい。しかも舗装路でも速い。それら要素に目を付けた清水氏は、個人的にアッサリとTrail Neo 4を購入しちゃいました。

清水氏所有のTrail Neo 4。既に少々カスタマイズされています
これはクランクブラザースのドロッパーシートポスト。Trail Neo 4のシートポストは昇降機構がないので、トレイルによっては少し走りにくいシーンもあります。急な下りに入ったらすぐサドルを下げたいものですが、Trail Neo 4の標準シートポストだとそれに対応できない。ドロッパーシートポストへの交換は、とても正解度の高いカスタマイズだと思いました
清水氏は日本でいちばん多くのe-bikeに試乗している人だと思います。そして最近「そろそろビンディングも使おうかと思って」と。ビンディングはシューズとペダルを固定して走れるようにするもので、いつでも最適なペダリングができるようになります。……って、清水氏、既にビンディングペダル買ってるし! 読者に触発されてビンディング&e-MTBでヒルクライムレースを体験したいとか
清水氏が買ったビンディングペダルは、シマノの「トレッキング用シングルサイドDEORE XT SPDペダル PD-T8000」です。このペダルは、片側が普通のシューズで踏めるフラットペダルで、もう片側にビンディングがあってビンディングシューズを固定して踏めます。これなら舗装路でもトレイルのロケでも使えて便利!

なんだかインプレスe-bike部界隈のキャノンデール製e-bike所有率が高い感じになってきました。ともあれ、キャノンデール製e-bikeや人力自転車は、どれも速く、また独自の利便性を備えてもいます。なので、これからe-bikeを購入しようかなという方は、ぜひキャノンデール製バイクをチェックしてみてください。コスパも高くてかなりイイですよ!

スタパ齋藤