家電製品クロスレビュー
パナソニック「LEDシーリングライト HH-LC600A」 その3

~エコナビで無駄なく賢い節電
by 阿部 夏子
パナソニック「LEDシーリングライト HH-LC600A」

 注目の家電を交代でレビューすることで、製品の特徴や良さを引き出す「家電クロスレビュー」。今回は、パナソニックのLEDシーリングライト「HH-LC600A」を取り上げている。1回目は約30平方mの2Kのマンションで、2回目は一戸建てで使った場合を紹介した。最終回となる今回は、3LDKのマンションで2人暮らししている私が使った場合のレポートをお伝えしよう。

 また、製品について更に詳しい情報が知りたい方は、藤原氏によるロングレビューをお勧めする。3回に渡って製品の消費電力や機能、明るさについて紹介している。→こちら

迷わずリビングに設置

 シーリングライトという照明器具は私にとってかなり馴染み深いものだ。自宅では既に3台のシーリングライトを使っているし、リモコンでON/OFFや明るさを調節するのもおなじみだ。

 今回HH-LC600Aを設置したのは、自宅で最も過ごす時間が長いリビングダイニング。この場所で食事もするし、テレビも見るし、時には仕事もする場所だ。設置の際に不安だったのが、HH-LC600Aの形が丸型ではなくて、四角だったこと。なんとなく、会議室っぽい雰囲気になってしまうのではないかと思ったのだ。

 しかし、その心配は杞憂に終わった。丸型のシーリングライトの場合、中央部分が膨らんだようなデザインが多いのに対して、HH-LC600Aは薄さが均一で、丸型よりもむしろ、部屋が広く見える。

 本体の操作は、基本的にはリモコンで行なうが、ON/OFFの操作は備え付けの壁際スイッチでも問題なくできた。

 取りつけも簡単で、1人で、説明書を見ながら取りつけを行なったところ、所有時間は10分弱だった。

12畳のリビングに設置。部屋の構造上、2種類の照明器具を併用している(灯りは普段の明かりを選択)付属のリモコン

明かりで部屋を使い分けるという発想

 HH-LC600Aの最大の特徴はなんといっても、調色/調光が自由にできる点だろう。白っぽい昼光色からオレンジがかった電球色まで、1台で自由に設定できるというのは、LEDシーリングライトならではの魅力だ。

 本体付属のリモコンでは、明るさや色味が自由に設定できるが、一番便利だったのが、「普段」「くつろぎ」「シアター」「勉強」の4つのシーンボタンだ。これは、シーンに応じて配光が設定されたモードで、シーンごとに部屋の雰囲気がガラリと変わる。

 たとえば、食事の時は普段の灯り、食後のコーヒータイムはくつろぎの灯り、映画鑑賞の時はシアター、仕事や勉強をするときは勉強の灯りという風に灯りを使い分けることができるのだ。

勉強や仕事をするときは「勉強」モードを選択「くつろぎ」モードは間接照明で部屋を優しく照らす
「シアター」モードでは、テレビの置いてある方向にだけ灯りを照らすシアターモード選択時

 実際、これは利にかなっている。というのも、前述したようにリビングダイニングでは様々なことをする。我が家ではこれまで、電球色系のペンダントライトを同じ場所に使っていたが、勉強する時にはオレンジ系の灯りは合わず、別のスタンドライトを使用していた。また、人が集まって賑やかな時は、灯りが暗すぎると感じることもあった。

 もともと、そのペンダントライトはリラックスした雰囲気を演出したい――と選んだものだったが、状況によって、灯りが目的にあってないということがよくあったのだ。

 それが、HH-LC600Aならば1台で様々な状況に対応できる。灯りを変えて、室内を使い分けることができるのだ。

 調色/調光が自由に設定できるのは、何もHH-LC600Aだけでなく、多くのLEDシーリングライトが対応しているところだが、正直、何百通りの灯りを再現できますと言われても、ピンとこない。その点、HH-LC600Aでは、代表的な灯りを4つに絞っている点がとても使いやすい。シーンに応じて灯りを使い分けるという使い方を自然に提案している。

エコナビで賢く明るさをキープ

エコナビ選択時には、本体のエコナビボタンが緑に点灯する

 もう1つ、HH-LC600Aの機能で特徴的なのが「エコナビ」機能だ。エコナビとは、パナソニックの冷蔵庫やエアコン、洗濯機などに搭載されているセンサーによる自動制御機能のことで、センサーで、人の動きや室温などを検知し、自動で省エネ運転を行なうというものだ。

 HH-LC600Aのエコナビ機能では、センサーで明るさを検知し、必要以上の明るさを抑えるという。リモコンの「エコナビ」モードを入れると、本体の明るさセンサーが、その太陽の光を検知して、LEDライトの明るさを自動で調光し、節電しながら部屋全体の明るさをほぼ一定に保つという。自動調光は、最大100%~最小5%で、必要に応じて消灯することもある。エコナビ点灯の光色は「普段モード」で最後に選んだ色となる。

 我が家の場合、部屋が南向きなので、日中はほとんど電気がいらないというくらい明るい。エコナビモードをONにした状態なら、晴れた日の午前中はほとんど、消灯状態となる。センサーの反応も良く、遮光カーテンを閉めると点灯、隣の部屋のドアを開けると暗くなるという風に、ちょっとした室内の明かりの量をすぐに検知する。

日中、カーテンを開けた状態だと完全消灯する消灯中もエコナビボタンだけはついている遮光カーテンを閉めるとすぐにセンサーが反応して、灯りが付く

 夏以来の節電傾向で、室内の電気は極力付けないという癖が付いていたが、その度に灯りを消したり、付けたりするのは面倒だった。自動で灯りを調節してくれるエコナビならば、必要以上の電気を使わずに楽に節電できるのが良い。欲を言えば、人も検知してくれると、さらに嬉しい。今後に期待したい。

すぐに買い替えるべきなの?

 以上、LEDシーリングライトの魅力を3回に渡ってお伝えしてきた。製品としての魅力は十分だし、約4万時間の長寿命であることを考えると、今すぐにでも欲しくなってしまうが、そこには価格という大きな問題がある。特に今回紹介したHH-LC600Aは、パナソニックのLEDシーリングライトの中でもフラッグシップモデルに当たるため、受注生産で価格は5万円以上という高級品。

 私なりの結論としては、今すぐに買い替える必要はないということ。もちろん、スイッチ1つで部屋の雰囲気を変えられるのは大きな魅力だし、いつでも一定の明るさをキープしてくれるエコナビはHH-LC600Aならではの機能だ。ただ、もうちょっと様子を見てからでもいいかなと思うのだ。

 ここであえてお知らせしたいのが、消費電力についてだ。LED電球の場合、白熱電球と比べると消費電力は約1/5で、価格が白熱電球の10倍以上しても2年以内に元が取れることが多い。一方、シーリングライトではその法則は当てはまらない。シーリングライトは、白熱電球に比べて消費電力が低い蛍光灯を使っているため、消費電力だけをみると、LED搭載のものも、蛍光灯を搭載したものも、それほど変わらないというのが現実だ。

 寿命だけを見ると、蛍光灯シーリングライトが16,000時間(パナソニックシーリングライトの場合)に対して、LEDシーリングライトは40,000時間で、LEDシーリングライトの方が圧倒的に長持ちはするが、LED電球を使った時のように、翌月の電気代ではっきり差が出るという訳にはいかない。

 もう1つ、買い替えを待ちたい大きな理由の1つがLEDの進化の早さだ。LED電球では、価格や消費電力だけを見ても1年前の製品とは大きく変わった。様々なメーカーが参入することによって機能は一層磨かれ、価格は下がっていく、という消費者にとっては嬉しい流れになっているのだ。

 同じことはLEDシーリングライトにも言える。商品ジャンルとしてはかなり新しいもので、各メーカーが本格的に発売を開始したのは昨年秋から。今ある照明器具をもう少し使い続けて、様子を見てから新しいものを買った方がいいのかなというのが正直なところだ。

 メイン照明として、インテリアの一部になり、灯りによる雰囲気作りも可能なLEDシーリングライトは、低価格や低消費電力に走るLED電球とはまた違った方向の進化が期待できる。次にどんな製品が出てくるのか、引き続き注目していきたい分野だ。


-パナソニック「LEDシーリングライト」のまとめ-

2Kの賃貸住宅に住む独身男性記者の場合
色が変えられるのはLED光源ならではのメリット。購入する場合はぜひ調色機能付きで!

一戸建ての実家暮らしの女性記者の場合
シーン別のモードが豊富で、寝つきが良くなるあかりに出会えた。防犯対策に留守番モードもオススメ

・南向きの部屋に設置したマンション住まいの女性記者の場合
エコナビで日中は賢く消灯。シーンに応じて使い分けできるから、みんなが集まるリビングへの設置がおすすめ。






2011年11月25日 00:00