片付け過ぎない片付け術

[片付け過ぎない片付け術69]片付け実例・出しっぱなしの布団を押入れに

布団の上げ下ろしが面倒で敷きっぱなしになり、空いた押入れへ物を詰め込み、ますます布団がしまえなくなる、というご家庭もあるのでは。今回は、布団が入らなくなった押入れを改善した実例をご紹介します。「とりあえず押入れへ入れておこう」と詰め込まれていた物を出して定位置を決め、出し入れにストレスを感じないように布団を収納したことで、できなくなっていた布団の上げ下ろしが習慣化しました。

 

「できれば毎日、布団を押入れへしまいたいんです」

「押入れへ布団が入らないのを改善したい。できれば毎日、押入れへ布団をしまいたい」というお悩みで伺ったお宅。布団の上げ下ろしが面倒で、つい敷きっぱなしにしているうちに、空いた押入れへ物を詰め込んでしまっていました。和室には布団が3組敷かれていますが、物でいっぱいになった押入れにはもう布団が入らないため、朝になると布団を半分にたたんで、生活スペースを作っています。でも本当は、広々とした和室で子どもたちを思いっきり遊ばせたい。そのためには、毎日布団の上げ下ろしをしたい。そのために、押入れを片付けたい、という依頼でした。

 

「定位置が決まっていない物」たちでいっぱいの押入れ

押入れを拝見すると、下段には引き出し式の衣装ケースが整然と並べられていたのですが、上段には雑多なものがゴチャっと入れられています。入っている物について「なぜこれをここへ入れているのですか?」と伺うと、「押入れが空いていたから、とりあえず」という答えでした。工具箱、書類ケース、衣類、裁縫道具、アイロン、救急箱……。でも、使うときに押入れまで取りに来るのが面倒で使わなくなっている物や、押入れにあることさえ忘れている物も。押入れのサイズは1間なので十分な空間がありますが、形の定まらない物が雑然と入れられているため、欲しいものをピンポイントで出すことは困難な状態でした。

 

下段は子ども用衣類が使いやすく収められていることと、上段だけで3組の布団が収まりそうなので、今回の片付けは上段のみを行なうことにしました。

 

全部出し、いる・いらない物を分け、「使う場所」へ移動

まずは、押入れ上段の物を全部出しました。次に、これらの物を「使う物」「あまり使わないけど取っておくもの」「使わないから手放す物」に分け、手放す物を処分します。残った物はそれぞれ「使う場所」へ移動させました。工具や救急箱はリビングへ、書類はパパの書斎へ、衣類はクローゼットのある部屋へ移し、それぞれ使いやすい場所を探して収納します。すると、押入れに入っていたもので、今後も押入れに入れておくと便利なものは、「今遊んでいるおもちゃに飽きたときに出すおもちゃ」「アイロン」「裁縫道具」など、ごく少数になったので、これらをボックスなどにまとめて枕棚へ並べました。

 

布団を「出しやすくしまいやすく」収納、上げ下ろしが習慣化

最後に、押入れへ布団を収納します。目標は「布団の上げ下ろしをできるようにする」ことだったため、布団は出しやすく、しまいやすく収納することが重要です。最初、インターネットで見た「布団を丸めて立てる収納」をやってみようとチャレンジしましたが、毎日布団を丸めて立てることは面倒で続かないだろうと断念。サッとたたむだけで入れられるようにしました。また布団がたくさん重なると出し入れしにくいので、押入れ用ラックを活用し、立体収納に。布団の上げ下ろしのアクションが楽になったため、毎日の習慣となり、子どもたちも広々とした和室でのびのびと遊べるように。ママも子どもたちも大満足な結果となりました。

 

まとめ

今回は押入れの例でしたが、お伝えしたいのは「とりあえず空いた所」へ物を入れることは、「片付け」ではなく、「物を右から左に動かしているだけ」に過ぎないということです。空いたスペースへ物を詰め込むと、一見片付いたように見えますが、「その物を使いやすい場所」ではないので出し入れしにくくなってしまいます。また今回のお宅の片付け前に、押入れが「布団を収納する」機能を果たせていなかったように、そのスペース自体を便利に使うこともできなくなってしまいます。物の置き場所を決めるときには、まず「これをどこにしまうと便利か」を考えてみるといいですね。

 

 

NON(ライフオーガナイザー)

暮らしをシンプル=簡単にすることで、もっとラクに、ハッピーになれるアイデアをいつも探しています。片付け過ぎない片付け術、ラク家事、かんたん料理や手芸、子育てなどをテーマに、等身大のヒントを発信していきます。ブログは「のんびりシンプルライフ~NON*troppo」