片付け過ぎない片付け術
[片付け過ぎない片付け術70]片付け実例・ゴチャつく「下着」をスッキリ
2018年 1月 4日 06:30
入院を機に、こまごまとした「下着」を整然と収納できなくなった80歳代の母に、片付けサポートを依頼されました。今回は、ゴチャつきがちな「下着の収納」を片付けた実例をご紹介します。どの年代でも女性の下着は細かくて収納しにくいものなので、実例はシニアのものですが、片付けの参考になれば幸いです。
入院を機に「片付けるのが面倒になって……」
もともと几帳面で片付け上手な母でしたが、足のケガで2週間ほど入院してしまい、下着を病院へ持って行ったり、洗濯したりしているうちに、それまできちんと種類別・用途別に分けられていたものが混ざってしまいました。退院後、元のように下着用のチェストへ収納しようと思っても、いったんゴチャついてしまうと、どうすればいいか頭の中も混乱してしまい、分からなくなってしまったそうです。そして片付けるのも面倒になり、洗濯カゴや紙袋の中へ「仮置き」にしたままで、毎日着るものはそこから取り出し、チェストの中にはほとんど着ない下着が入れっぱなし、という状態になってしまいました。
全部出して分類し、頭の中を整理する
母は年齢の割におしゃれで、洋服に合わせて下着を選ぶような女性でしたが、片付けができなくなってからは、下着を選ぶ楽しみも感じなくなってしまい、おしゃれをする元気もなくなったということでした。さらに「下着をチェストへ片付けられない自分」を心の中で責めているようで、入院前のような元気もなくなっていました。
まずは、もっている下着を全部出し、1枚1枚確認することで、母の頭のなかで「どんな下着があるか」「よく着るのはどれか」「もう着ないものはどれか」を整理してもらいました。ゴムが伸びたショーツ、穴の開いた靴下などは処分し、トップス、ボトムスと分けていくうちに「これは病院のリハビリに着て行きたいわ」「これはおしゃれ用のワンピースのインナーに」と、用途別の分類にまで進んでいき、母の顔にだんだん元気が戻ってきました。
「出し入れを楽にする」ことで、日々の管理を簡単に
不要な物を処分して分類ができれば、あとは使いやすく収納するだけです。母は季節にこだわらず、その日の気温やファッションに合わせて、長袖・半袖などの下着を選ぶそうなので、肌着類はお気に入りの物から手前に入れ、取り出しやすい「立てる収納」にしました。立てる収納にするには、毎回きちんとたたむことが大切ですが、母はきれい好きでまめなタイプなので、引き出しの中も美しいビジュアルに整えることで、面倒な「たたむ」作業も楽しく続けられます。
ただ、あまり細かく分けると面倒になってしまうので、ストッキングや靴下などの細かい物は、箱でざっくりと仕切り、色別に分けることで、欲しいものがひと目で分かるように。引き出しには、母の希望で中身を書いたラベルを付けました。出し入れが楽になったことで、管理が簡単になりました。
「緊急入院セット」は風呂敷に包み、サッと出せるように
また今回、入院したことで「入院するときに必要な下着類」が自分なりに分かったそうで、「入院セット」を作ってひとまとめにしました。2~3日分のインナーや、古くなったパジャマ、靴下などを風呂敷に包み、家族が分かりやすい所へ収納したので、急なことがあっても家族にサッと持ってきてもらえます。「入院用」と「日常用」を別にしたことで、次回からは入院中も退院後も、下着の管理が楽になるはずです。「もしものとき」に備えることも、シニアの片付けには重要なポイントであることを実感しました。
まとめ
種類が多く、また小さいものが多いため、片付けや収納に悩む人が多い「下着」。たくさんありすぎてゴチャついてしまったら、1度全部出してチェックしてみましょう。毛玉の付いたタイツ、ゴムがゆるくなったショーツなどを「念のため」と取っておくと、どんどん溜まってしまいます。思い切って、お気に入りの物だけを残してみませんか。下着を選ぶ時間が楽しく、管理もうんと楽になりますよ。母も片付け後は、生来のおしゃれ心が復活したようで、毎日生き生きと暮らしています。