趣味の節電道入門
第14回:進化した首タオルは昭和をどれだけ超えた?
by 小口 覺(2014/7/23 07:00)
熱中症対策、節電対策として、首に巻く冷却タオルが数多く売られている。名称は、ネッククーラー、首もとベルト、サマースカーフなどさまざまだが、原理としては首筋(頸動脈)を冷やすことで身体全体を冷やす、昔ながらの首タオルと同じだ。
肉体労働者はもちろん、エアコンが普及する以前の時代は、屋内の勤務中でも首タオルは珍しい光景ではなかったのだろう。首にタオル、足を水の入った“たらい”で冷やしているサラリーマンの絵を映画かなにかで見た記憶がある(さすがに大企業のサラリーマンは許されなかっただろうから、一般的かどうかはわからないが)。
今回は、昭和の時代には存在しなかった、比較的ハイテクな冷却タオル製品を2点と、肌に直接塗るタイプの冷却ジェル製品を試してみた。
まずは、あっ小林製薬の「熱さまひんやり首もとベルト」。あっ、は余計か。この製品は、保冷剤のジェルパックと、それを入れ首に巻くためのカバーがセットになっている。使用に際しては、冷凍庫でジェルパックを3時間以上冷やす必要がある。
一般的な保冷剤と違うのは、冷凍しても固くならないので首にフィットすること。そして、水タオルに比べるとかなり冷たい。水タオルが「涼しい~冷たい」だとすると、これは「冷たっ! 」。炎天下で使っても水のように温くなりにくい。逆に、冷たすぎるという感想もあると思う。冷却持続時間は約60分とあるが、時々外しながら使うのであれば、それ以上の時間冷たさが持続しそうだ。
次に紹介するのは、トレードワークスの「瞬間冷却ネッククーラー」だ。こちらは1回使いきりタイプで、製品を強く叩くと硝酸アンモニウムと水の化学反応により冷たくなる。これもなかなかの冷たさ。布のカバーがない分、冷たさが直接的だ。使い捨てなのが多少もったいない気がするが、いつでも冷たくできるので、いざという時のために持ち歩けたり、コンビニに駆け込んで購入してすぐに使えたりするのがメリットだ。
首に巻くのではなく、肌に直接塗って冷涼感を感じる製品が、マザーズの「北極圏ゲル スーパークール」だ。成分欄には、エタノール、メントール、シリカ、それにアクリル酸アルキル、コポリマーといった(筆者にとっては)馴染みのない名前も並んでいる。
「まあ、北極圏とか大げさな」と思いつつジェルを手にとって首筋に塗り込んでみた。別になんとも……、と思いきや急に冷たさが来た。辛い食べ物でもありがちなやつだ。冷たいというより、もはや痛いレベルなので、肌の弱い人は無理かもしれない。北極圏の寒さも痛いそうなので、商品名もまんざら誇張ではないようだ。
涼しく過ごせるというよりも目が覚める効果が強いため、仕事中にダレてきたときにも使えそうだ。またジェルなので顔以外の場所なら、どこでも使えるのも特徴。脚に塗ったら氷水のたらいに入っている気分になった。