やじうまミニレビュー

夏のお出掛けにお勧め、冷感スプレー3製品を試す

by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


今回紹介する冷感スプレー3製品

 7月後半のような、最高気温35℃を超える強烈な暑さは過ぎたようだが、週間天気予報を見ればまだまだ30℃超えの日々が続く。気象庁の予測では「全国的に残暑が厳しい」との予測が立てられており、どうやら長い夏になりそうである。

 そこで今回は、先週紹介した冷感グッズ「シャツクール」「ぬるアイスノン」に続き、夏の暑さを吹き飛ばすような商品を紹介したい。今回は“スプレー”を中心に、以下の3製品を集めてみた。



メーカー呉工業玉川衛材日新メディコ
製品名アイスパンチひやしま専科 爽快ヘッドスプレーケイタイエアコン123
購入場所ドン・キホーテ東八三鷹店直販ショップ
購入価格525円698円840円

凍らせたタオルで肌を冷やす――「アイスパンチ」

呉工業「アイスパンチ」

 まず最初は、呉工業の「アイスパンチ」。見た目はまったく普通のスプレーだが、直接肌にスプレーするものではない。タオルに一度スプレーし、凍らせたあとで、タオルを肌に当てて冷たさを得るというものだ。

 この“凍らせる”という表現は、決して大げさなわけではない。タオルにスプレーした直後、その一帯がカチンコチンに固まっているのがわかる。スプレーから放出したミストにより、タオルが氷結しているのだ。

 カチコチに凍ったタオルを肌に当てると、かなり冷たくビックリしてしまった。“涼しい”よりも“冷たい”の方が表現として正しい。あくまでタオル表面の一部分が凍っているだけなので、氷はすぐに溶けてしまうが、その後にわずかな涼感が残っているため、しばらくタオルを当て続けても涼しさが感じられる。溶けた後に発生する水分もわずかなもので、タオルがズブ濡れになることもない。後に残ったメントールのわずかな香りも、さわやかで心地良い。さらにいえば、スプレーを撒き散らさないというのも良い。

直接肌にスプレーするのではなく、タオルなどにスプレーする写真中央が、スプレーをした部分。白く凍っており、触ると固い。ただし、肌に触れるとすぐに溶けるスプレーしたタオルを肌に当てて涼む。氷なので確実に冷たいのが魅力だ。スプレーしたタオルを首に巻いて使うのもアリだろう

 使用上の注意としては、ティッシュや薄手のハンカチだと、通気性が良すぎてすぐに氷が溶けてしまう点。タオルのように起毛している素材が良いだろう。また、タオルは同じ部位に長く当てないよう指示されているので、冷やす位置を徐々に変えていくのが安全だ。

 本物の氷を使っているため、冷たさは抜群だ。本格的な冷たさを味わいたいなら、このスプレーをお勧めする。


太陽光を直に受ける頭専用のスプレー――「ひやしま専科 爽快ヘッドスプレー」

玉川衛材「ひやしま専科 爽快ヘッドスプレー」

 2番目に紹介するのは、玉川衛材「ひやしま専科 爽快ヘッドスプレー」。商品名に“ヘッド”とあるように、頭を冷やすためのスプレーだ。

 使い方は、頂部にあるトゲトゲを頭皮に押し当てて、冷たいスプレーを出す。その後、手のひらでスプレーした部分を押さえて、スプレーの薬剤を広げるというものだ。何だか育毛剤のような感じだが、育毛効果についてはパッケージやホームページにも書かれていない。あくまで冷感でリフレッシュするためのものなのだ。

 屋外で使ってみたところ、頭に溜まった熱が開放するような感覚があった。頭は太陽の光をダイレクトに受けているものの、髪の毛があるため熱が逃げにくい。しかし、これを使えばすぐに頭を冷やすことができた。


頭皮に直接スプレーする。育毛剤を使用しているようにも見えるスプレーは泡状で、スプレー後に手で潰して薬剤を広げる

 難点としては、髪をしっかりとセットしている人にはあまり向きそうにないところ。頭にグイッとスプレーを押しつけ、さらにその上から手を押し付けるため、せっかくセットした髪型を崩してしまう恐れがある。また、スプレーの音が結構強めなので、静かな場所では注目を集めてしまうかもしれない。

 とはいえ、人間の中枢でありながら太陽光に晒され熱を持ちやすい頭を、頭皮から直に冷やせるというのは画期的だ。外出時に使用するのはもちろんだが、仕事や勉強でリフレッシュしたい時、風呂上りやドライヤー後などにも重宝するだろう。


マイナス45℃の冷気で、屋外でもエアコン気分を味わう――「ケイタイエアコン123」

日新メディコ「ケイタイエアコン123」

 最後は、日新メディコの「ケイタイエアコン123」。「ケイタイエアコン」という名前を聞くと、“ついにエアコンも携帯する時代が来たか”と勘違いしてしまいそうだが、外見は見ての通り普通のスプレーだ。

 このスプレー、直接肌に使用せず、服を着たその上から使用するように指示されているが、その理由は“スプレーが冷たすぎるから”。メーカーの説明によると、スプレーの瞬間冷却温度は何とマイナス45℃。これだけを見ると、“ケイタイエアコン”というよりも、“ケイタイドライアイス”と言った方が良さそうな気もする。


使い方は、服の上からスプレーするだけと単純。しかし、かなり涼しい。Tシャツやポロシャツ1枚だけを着ている場合には、確実に涼むことができる

 さっそくTシャツの上からスプレーするが、これは確かに涼しい。スプレーのミストが多く当たる中心部は“冷たい”といった感じだが、その周囲の、ミストがかすかに当たる部分は“涼しい”。冷たい風がシャツの中を通り抜ける感覚は、確かにエアコンのようだ。数秒間スプレーしただけで、十分に体を冷やすことができた。ニオイは少なく、消臭や抗菌効果がある点もうれしい。

 ただし、服を重ね着していると、冷却効果は薄め。Yシャツの下に肌着を着込んでいる場合は、多めにスプレーしたり、一度服を脱ぎ、肌着の上から使用する方がよいだろう。また、メントールなどは配合されておらず、冷たさの持続力は弱め。なお、肌に直接スプレーすると、凍傷の恐れもあるらしいので、扱いには十分注意したい。

 冷たいミストをスプレーするだけという単純明快な商品だが、効果は抜群。“ああ、ちょっと涼みたい”と思った時に、スプレーするだけでヒンヤリできるというのは、まさに「ケイタイエアコン」という名にふさわしい。ビジネスバッグにも旅行カバンにも、ひとつ忍ばせておきたい商品だ。



 全3製品を紹介したが、アイスパンチと爽快ヘッドスプレーは、スプレーを周囲に撒き散らさないため、遊園地やスポーツ観戦など、人が多い場所でも問題なく使えるだろう。一方でケイタイエアコンは、広範囲にスプレーを掛ける必要があるため、ハイキングなど人が少ないところに持っていくのがよさそうだ。

 空調の効いた部屋に閉じこもるのも悪くはないが、どうしても外に出なければいけない場合には、今回紹介した冷感スプレーを使って、夏の暑さを凌いでみてはいかがだろうか。





2010年 8月 5日   00:00