走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

GPS機能にスタイリッシュなデザイン、光学式心拍計までプラスされたスントの最新スポーツウォッチ

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 スントといえばGPSデバイスのリーディングブランドであり、世界中のランナー、アウトドアマンズから高い信頼を得ることに成功し、日本でも良好なセールスを記録している。そんなスントだが、昨今ポピュラーとなっている手首部分の光学式心拍計を装備したモデルを発表していなかった。脂肪燃焼、心肺機能強化etc.最適な心拍数で運動を行なうことで、より効率的なトレーニング結果を提供してくれる心拍トレーニングに注目が集まっている昨今だけに、その対応が待たれていたが、今春リリースされたスパルタン スポーツ リスト HRには光学式心拍計がビルトインされていた。

スパルタン スポーツ リスト HR

 スントというブランドはフィンランドに本拠を置くブランドであり、その製品のデザイン、機能性の確かさには定評がある。一方でニューテクノロジーや新機軸の発表にはかなり慎重であり、アメリカのガーミンが真っ先に新たな機能を発表するのとは対照的だ。

 ランニングウォッチのタッチパネルやカラー液晶の採用も去年のスパルタンシリーズまで採用されていなかった。そして他ブランドがかなり前に装備した手首部分の光学式心拍計は、2017年を迎えても、メジャーブランドでスントだけは搭載モデルのラインアップが無かったのである。

 そんな状況を打破したのが今回紹介する「スパルタン スポーツ リスト HR」だ。昨年リリースされたスパルタンシリーズと共通のデザインに光学式心拍計をプラス。筆者は昨年の11月以来、「スパルタン ウルトラ ステルス チタン」を愛用しているが、基本的な操作方法は共通。ランの準備モードの段階で、ハートマークが点滅した後に心拍を表示。ラン中も心拍数がリアルタイムで表示される。

メーカー名スント
製品名スパルタン スポーツ リスト HR
価格73,440円

 従来は胸に心拍ベルトを巻かないと心拍数の計測はできなかったが、やはり手首に光学式心拍計を配したことは本当に便利。この分野では世界最高峰の技術力を誇る米国バレンセル社の光学式心拍測定の技術を採用しており、他ブランドが測定のためのLEDを1~2個採用しているのに対して、このモデルでは3個使用することで、より正確な心拍測定が可能になったという。

世界最高峰の技術力を誇る米国バレンセル社の光学式心拍測定の技術を採用。他ブランドが測定のためのLEDを1~2個の採用に対して、このモデルでは3個使用し、より正確な心拍測定が可能になっている

 ランを終えてデータを確認するとkmごとのラップと一緒に平均心拍数も表示。そのトレーニングが適切だったかどうかを判断することが可能だ。

ランの準備モードの段階でハートマークが点滅の後、心拍を表示。胸に心拍ベルトを巻かなくても心拍数を測定できるのは本当に便利だ
ランデータにはkmごとのラップタイム以外に平均心拍数も表示される

 このように従来のスント独自のスタイリッシュなデザイン、精度の高いGPS機能に加えて光学式心拍計をプラスした「スパルタン スポーツ リスト HR」は、早くもランナーを始めとした多くのスポーツマンから注目を集めている。価格も「スパルタン ウルトラ ステルス チタン」からするとかなり安くなっている点も嬉しい。それでも他ブランドよりも高めの価格設定だけにすべてのランナーが気軽に買えるわけではないが、「ランニングウォッチにもスタイリッシュなデザインは不可欠!」と考えるランナーにオススメしたいプロダクトである。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。