ぷーこの家電日記

第556回

ポット型加湿器も年々進化。買い替えるタイミングは難しい

早くも2月。今季1番の寒波が訪れ、東京も結構寒い。それでも今年はまだ1度も雪を見ていないし、ベランダで育てているバナナの木の葉はまだ青い。雪国の人に言わせると、私の住む場所に「冬はない」そうだ(笑)。1月までは秋で、立春以降の今は春と言われて納得。それにしても、この江戸の地に幕府を開いた先人は凄いし賢いなと思ってしまう気候なのです。

そして集合住宅の我が家は機密性の高さからか暖かく、今季もまだエアコンをつけていない。エアコンをつけると湿度が30%以下になってしまうので、少しの寒さ程度なら着込んで我慢して、エアコンはつけないようにしている。そしてスチーム型の加湿器をつけると、エアコンいらずの暖かさになるのでつける必要がないのである。

季節によって加湿器も除湿機も必要な日本の気候って面白いよなぁと思いながら、今年も加湿器大活躍。私にとって加湿器は「ワクワクする家電」ではない。何かを作れるわけでも目新しい機能があるわけでもないからだ。冷蔵庫や洗濯機同様、「なくては困るけど、特段買い直したり新しいものを欲する欲が出ない」それが加湿器だ。でも、今季ニューモデルで投入された象印の加湿器が「そう! これが欲しかったのずっと!」と思うもので、今季1番の冷え込みと乾燥の今、買うか買わないかで酷く葛藤している。

我が家には加湿器が2台ある。1台目は2016年末に買った象印の「EE-RL50-CA」だ。見た目は本当にTHE ポット。という感じで、イマイチ部屋にも馴染まないデザインだったけど、加湿器を検討している時に、加湿器を使っている人は「買うなら象印一択だよ!」と声を揃えて推してきた。加湿のパワーはすごいし、衛生的だしお手入れは楽だしという理由からだ。

見た目よりも機能性重視で買ったこの加湿器は、買って一度も後悔したことはない「私的に本当に買ってよかった製品」にノミネートされている家電だ。強いて難点を挙げるならば「お湯が沸く音がちょっとうるさい」と「夏場に邪魔なのよね」というくらい。

普段リビング続きの部屋も開けっぱなしにしているので、加湿が追いつかなくて2台目を投入したのが2020年の1月で同じく象印の「EE-DA50」。これは4Lの大容量に加えて、「THE ポット」から「ちょっとシンプルでおしゃれなポット」になったという感じのモデルだ。

象印から格好いいデザインの「STAN.」シリーズの家電が発売されたのが2019年だったので、ラインナップに加湿器も入ってこないかなと熱望していたけれど発売されず、1年後に待つのを諦めて買ったものだった。

この2台体制で我が家の湿度は保たれていた。湿度が保たれるだけでなく、2台同時にお湯を沸かすものだから部屋がめちゃくちゃ暖まって、暖房いらずというか、加湿器兼暖房として大活躍しているのだ。でも、「お湯が沸く時の音」と「夏場に邪魔なのよね」が2倍になった(笑)。

そして今季、2024年に新しく登場したのが「EE-TA60」というモデルで、私の心をくすぐってくる。今持っている2台が加湿能力480ml/時なのに対して600ml/時とかなり加湿能力は高く、適用床面積は木造和室10畳まで、プレハブ洋室17畳までと広い面積をカバーする優れもの。そして何より「見た目が良い!」のである。「そうそう! こういうのを待ってたんだよぉー!」と言いたくなる。

長年待っていた、部屋に置いていてもテンションが下がらない、そんなオシャレなソフトブラックの本体はそれだけで欲しくなる。そしてこれならば2台運用しなくても、1台でいける気がするし、そうすると電気代も下がるし夏場の置き場所問題も半減しそう。

スチーム加湿器の寿命は6~8年といわれていて、EE-RL50-CAは十分買い替え時なのでちょうどいいと自分にも言い訳ができる。EE-DA50は処分するにはまだ勿体ないので、寝室で寝る時だけ中か弱モードで運用してみようか。すぐに衝動買いをしてしまう私だけど、それなりに気持ちに折り合いをつけるというか、理由をつけるのも忘れないのである(笑)。

結局2台使いじゃないかというツッコミを自分で入れつつ、まいっかーと買おうとして手が止まる。「あれ? こんなに高かったっけ?」とびっくりしたんだ。価格比較サイトを見てみると、発売当初25,000円程度だったものが、2025年1月現在45,000円くらいになっているのである。オープン価格とはいえ、こんなにも値段が変わるもの!? と、かなりの衝撃。価格の推移があまりにも大きいので、「また来季会いましょう」と買うのを諦め、そっと販売サイトの画面を閉じたのだった。

そしてこれは偶然なのかもしれないけれど、家電とかって「そろそろ買い替えるか」と思ったタイミングで壊れることが多い。買い替えを検討するタイミングが壊れそうな時期というだけなんだろうけど、私は偶然とは思えず「どうせ捨てるんでしょ?」と家電達がへそを曲げてしまうのだと思っている。

新しい加湿器買うぞとウキウキしている私に、「見た目もカッコいい」と惚れ惚れしている私に、「どうせ私なんて」とEE-RL50-CAが絶対に腹を立てているはずだ。「今季は頼むから壊れてくれるなよ?」と願いつつ「違うよー。買い替えないよー。いい子だねえ」と、めちゃくちゃ猫撫で声で加湿器を宥めている私なのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。