ぷーこの家電日記

第425回

夫、憧れの習い事を始めるの巻

ゴールデンウィークも終わり、さらにゴールデンウィーク後の週末も終わり、普通の日々が始まった。連休は始まる前が1番楽しみで、最中はあっという間で、終わったら「あれ? 連休は!? 私のバカバカバカ!」となるのが常だ。連休明けの仕事がバタバタと忙しくてむしろテンションが上がって、ドヨーンとなる暇がなくて良かった。あぁ、次の連休はいつかなぁ(笑)。

そんな我が家の長期連休、今年は夫と2人お互い何となく自由に、何となく一緒に過ごすような、そんなダラダラした祝日だった。

結婚したばかりの頃、夫は長期休暇になると「明日から休みだから、ちょっと○○行ってくるー!」なぁんて言い出して、よく「はいぃ?」ってなってたもんだ(笑)。夏休みなんかは、自分が休む日を私に言うでも調整するでもなく、「明日から休みだから帰省してくるー!」とかって言い出すもんで、「あなたは……独身ですか!?」みたいになっていた。

「ちょっと待てーい! そういうのはまずお互いの休みを確認して、調整がつかなかった時に1人で過ごすモンじゃないですかねぇ?」などと、かなりプンプンに怒っていたりしたのだけれど、慣れてくるとむしろ心地良い。「私GWは畑に行くー。そしてちょっと仕事あるから籠るわ」などと、私も自由に過ごすし、夫も「ちょっと散歩に出掛けてー、(野球の)デイゲーム見ながら飲もう」などと自由に過ごしてくれる。

以前より大きく進歩したのは、お互いの行動を事前に共有するようになったことかな。それでも今年も、飛石の平日に「え? 明日休みなの!?」という、お互いの持っている”常識”の違いにすれ違うことはあったけれど(笑)。私が仕事で夫が休みのGWの合間は、美味しいランチを作ってくれたりして、ありがたやありがたやで結果オーライ。

そんなお互い自由に過ごしているGWの初日。夫はフラフラと散歩に出かけ、私は家にこもって仕事したりゴロゴロしたりして、夕方から一緒に晩酌しながらおしゃべり。「明日何するのー?」と聞くと、「明日はね、ピアノの無料体験レッスンに行くの♪」と唐突に言われて、「ぴ、ピアノ!?」と予想だにしていなかった返答に驚き慄く私。よくぞ聞いてくれましたとばかりに、近所のイオンにあるカルチャークラブのカタログを嬉しそうに取り出して、すっごい色々説明してくれた。コースだとか先生だとか細かく色々教えてくれたけれど、ほとんど覚えていない。でも、ものすごく楽しそうなことだけは伝わってくる。完全にやる気だ(笑)。

「へぇーピアノに興味あったんだ?」と聞くと、どうもNHKの『駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ』という番組が好きで、見ていて憧れたらしい……。結構保守的な人間で、自ら新しい環境に飛び込むことを嫌うタイプなので、まさかの新しいことへのチャレンジに、しかもまさかのピアノレッスンという選択に驚きつつ、新しいことに興味を持つこと自体がとても嬉しい。

そして翌朝「今日はレッスンだから! レッスン!」と言いながら、そそくさと出掛けていく夫。「行ってらっしゃーい!」と見送りながら、「これは絶対に入会してくるな」と見込んでいた。終わった後、「楽しかったー!」とニコニコしながら帰ってきた時に「入会してきた?(笑)」って聞くと、「ほら、こういうのはさ、勝手に決めちゃいけないかなと思って」と言いながらソワソワしている(笑)。習い事をしたいと思いながら、言い出せなかった子供時代の自分に重ね合わせてつい笑ってしまう。

何だかプレゼンのように私に説明してたけど、「いいじゃんいいじゃん! やったらいいじゃん!」と私の軽い反応に拍子抜けしたのか調子に乗ったのか、「電子ピアノを置くとしたら、このスペースだよね?」などと言い出したので、「それは続いたらにしようか」と即ブロック。教室は徒歩数分というところにあり、毎日30分なら無料で練習スペースも使えて、さらに300円で30分延長して使うことができるらしい。私と同じで、夫も熱しやすく冷めやすいことを知っている。1年くらい続いてから検討しても悪くないだろう。

GW中は毎日のように練習に通っていた夫。そしてある日、Amazonからロールピアノなるものが届いた(笑)。「これなら場所も取らないし、練習もできるしね!」と本人はご満悦である。弾けるようになったら聞かせてもらえるのかなぁ。

45歳の手習い、人はいつからだって何かを始めるのに遅すぎることなんてないし、これからの人生において、今が1番若い時なんだ。「還暦を迎える頃にはピアノ歴15年になれるんだねぇ!」などと言いながら、これからのワクワクが増えたことが嬉しい。その頃には私も趣味の家庭菜園歴が20年のベテランかぁ! 趣味はなくても特に困らないけれど、あるとちょっとだけ生活が楽しくなるんだよなぁ。我が家に電子ピアノが来る日は訪れるのか。それが分かるのは、まだ先のお話であります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。