難波賢二のe-bikeアラウンド

後悔しないe-bike選びとは? 「型式認定」を知って、信頼のブランドを探そう

以前に違法の電動モペットに公道で乗っていると、自動車免許もなくなるし普通に逮捕されますよという話をしました。「では、何を基準に公道を乗れる電動アシスト自転車を買えばいいの?」と思われることでしょう。

「型式認定」は電動アシスト自転車やe-bike選びの安心材料

電動モペットを電動アシスト自転車と偽っていた販売店が警察に摘発されたという事件が、新聞やテレビを賑わせました。警察も電動モペットの取り締まりに本気で動き出したことは事実です。こうした状況のなかで消費者として“失敗しない選択肢の拠り所”の1つが、電動アシスト自転車の「型式認定」。国家公安委員会が道路交通法の基準を満たした電動アシスト自転車であることを認定する制度です。国がきちんと認めているので、安心して公道を走行することができるのです。

イベントなどでe-bikeを試乗した方は「型式認定」のマークに気付いたかもしれません

型式認定を取得しているe-bikeを購入すれば問題ないのですが、では安心の車体をどうやって探すのか? 国内の主要ドライブユニットメーカーであるシマノ、ヤマハ、パナソニック、もしくはドイツのボッシュ製ドライブユニットなどが装着されているe-bikeを正規の販売ルートで買っておくのが安心でしょう。日本交通管理技術協会が公表している型式認定審査のページからも、お目当てのe-bikeが型式認定を取得しているか調べることもできます。

昨年の話になりますが、国内で展開していた中国系の電動アシスト自転車ブランドが、予告なしに国内事業を撤退。また、最近では海外ブランドが破産宣告を受けて、ユーザーが置き去りにされるケースが増えています。

電動アシスト自転車、さらに高額なモデルが多いe-bikeを購入する場合には、公道で走行できることはもちろん、「ドライブユニットメーカーと完成車メーカーがこの先10年間程度の使用期間において信用できるか?」を考えなければならない時代になっています。なんとも世知辛い世の中ではありますが。

そうしたことを考えると、日本のメーカーの信頼度は抜群です。補修部品もネジ1本単位で出してくれたり、かなり古いモデルでも修理対応してくれたり、バッテリーや充電器などの部品の流通状況も信頼性も文句なしとあってオススメです。

e-bikeの違法改造へのメーカーの対策

ちなみに、法定以上のアシスト速度が出るようにe-bikeを改造する問題もあります。10年以上前からe-bikeが爆発的に普及している欧州では、とっくの昔に社会問題となっているのです。特に人口あたりの自転車普及率が欧州で一番多いオランダでは、多くの道路で自転車専用レーンが設けられていますが、低速で走っている自転車の横を改造e-bikeが高速で走り抜けていくことが大きな社会問題になっています。重大な事故も起きていることから、自転車専用レーンに制限速度を設けて取り締まりを行なうことも検討されているようです。

もちろん、こうした改造e-bikeが増えることは、結果としてe-bikeが社会から締め出されてしまうことに繋がりかねないので、メーカーもしっかりと対策を取っています。例えばシマノの場合は、ドライブユニット本体にスピードセンサーなどを不正に改造した場合にエラーコードを記録する仕組みが入っています。許容回数以上にエラーコードが記録されると、ドライブユニットのアシストが機能しなくなるシステムが組み込まれています。改造が認められるドライブユニットに関しては保証対象外になるのはもちろん、改造が原因として故障した部分の修復を行なわない可能性もあると発表しています。

シマノは公式サイトで不正加工に対する取り組みを発表しています
シマノSTEPSのドライブユニットには、不正改造するとエラーコードを記録する仕組みが入っています

自転車部品の世界最大手で自転車やe-bikeの普及に取り組むメーカーとして、当然の正しい姿勢ですが、社会の法令と安全をしっかりと守っています。

シマノに限らず先述したメーカーのドライブユニットは、どこの国からやってきたのかわからないメーカーのハブモーターと比べて、ドライブユニット本体の原動機として緻密に作り込まれています。違和感のない自然なフィーリング、コンパクトなのにパワフルなアシスト性能まで含めて、すべてが桁違いのクオリティと信頼性を持っています。

世界の名だたる自転車ブランドが、長い歴史と伝統で培ってきたデザインと走りにこだわった自転車に、信頼性のあるドライブユニットを装着したe-bikeを発売しています。新興の電動モペットブランドの常識にとらわれないデザインやファットタイヤなどに惹かれることがあるかもしれませんが、残念ながら走りはどれも一流の自転車には遠く及ばないのが事実です。

電動モペットで「電動の乗り物」に興味を持った人もいるかと思いますが、何も知らずに購入したとしても、公道を走ることはできず、昨今の警察の取り締まりの対象となります。まずは信頼できるメーカーの製品に触れてみて、そして本物のスポーツサイクルと電動が融合したe-bikeを体感してはいかがでしょうか? その先には、きっと見たことのなかった世界が広がっていると思います。

難波賢二

国際派自転車ジャーナリスト 1979年生まれ。20年近く昔のe-bikeの黎明期よりその動向を取材してきた自転車ジャーナリスト。洋の東西を問わず自転車トレンド全般に詳しく世界の自転車業界に強いコネクションを持つ。MTBの始祖ゲイリー・フィッシャーの結婚式にアジアから唯一招待された人物として知られる。