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「乳幼児アレルギー」卵を食べさせないほうが、アレルギーになりやすい!?
2017年 2月 18日 19:00
2月20日は、抗体の1つ免疫ブログリンIgEが発見されたことから「アレルギーの日」なのだそう。今回は、子育て中のパパママに聞いた「乳幼児のアレルギーの種類」や「アレルギー対策法」についての調査結果をご紹介します。食物アレルギーが心配で与えるのを控えがちな卵は、あまり心配しすぎず適切な時期に少しずつ与えてもよいという結果が出ています。
子どものアレルギー発症、「食物アレルギー」が最多で6割超
雪印ビーンスタークが2歳児をもつ20~49 歳のママ800人へ行なった「アレルギーに関する意識調査」で、子どもがアレルギーを発症したと回答した58人に「子どもに当てはまるアレルギーの種類」を尋ねたところ、「食物アレルギー」が最も多く62%でした。続いて多かったのは、「アトピー性皮膚炎」の52%、「アレルギー性鼻炎」の28%、「気管支ぜんそく」の19%という結果に。
アレルギー発症は8割以上が0歳のとき、半数が現在も治療中
次に「何歳のときにアレルギーを発症したか」を聞くと、84%が「0歳」と回答しました。また、「アレルギーの発症時期と現在の治療状況」については、「0歳で発症、治療中」と回答した人が53%、「1~2歳で発症、治療中」と回答した人が16%でした。0歳で発症し完治した子は31%に留まり、半数以上は現在も治療中であることが分かりました。
子どもの入浴後、8割以上が「スキンケア商品を使用」
アレルギー疾患の1つであるアトピー性皮膚炎への対応について「入浴後、子どもにローションやクリームなどのスキンケア商品を使用していたか」を尋ねると、「使っていた」と回答した人は83%に上りました。「子どもにスキンケア商品を使用した理由」については、「肌トラブル予防のため(51%)」と「乾燥肌だった(50%)」が半数を占める結果に。国立成育医療研究センターの発表(※)によると、新生児のうちからベビーローションなど保湿剤をこまめに塗っていると、アトピー性皮膚炎の発症リスクを「3割以上」も減らすことができるそうです。
※:Kenta Horimukai, Yukihiro Ohya et al:Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis.Journal of Allergy and Clinical Immunology ;vol.134:824-830
卵黄を与えた時期、支援ガイドより遅い「9カ月以降」が71%
一方、食物アレルギーで多い「卵」について、厚生労働省が定めた「授乳・離乳の支援ガイド」によると7~8カ月から与えることを推奨しています。雪印ビーンスタークが、0~3歳の子どもをもつ男女各200人を対象に行なった別の「アレルギーに関する意識調査」によると、「卵黄を与え始めた時期」の質問に、1歳以降と回答した人が最も多く41%となり、推奨時期よりも遅い「9カ月以降」と回答した人の合計は71%に上りました。さらに「離乳食や卵黄を与え始める時期が遅くなった理由」は、「アレルギーが心配だった(46%)」が最も多く、卵アレルギーを避けたいために、与える時期をなるべく遅らせるママパパが多いことがうかがえます。
アレルギーになりやすい食品を食べないと発症率が8倍に上昇
また、調査対象者800人のうち、現在アレルギーの治療をしていないものの、アレルギーになりやすい食品を気にしている488人のママを対象に「アレルギーになりやすい食品を食べさせているかどうかとアレルギー発症率の違い」を調べたところ、アレルギーになりやすい食品を「食べさせない」群の子どもの発症率は7.9%、「食べさせる」群の子どもの発症率1.0%という結果に。実は、アレルギーになりやすい食品を「食べさせない」群の方が、アレルギー発症率が高いことが明らかになりました。
食物アレルギーの心配は最小限に、離乳食で少しずつ
離乳食はいつから始めたらいいのか、わが子の食物アレルギーは大丈夫かと心配するママも多いことでしょう。日本小児アレルギー学会「食物アレルギー治療ガイドライン2012」には、離乳食の開始時期は5~6カ月が適切と記されています。調査結果からも、食べさせないほうがアレルギーの発症率が高いことが分かりました。できることなら子どもには食物アレルギーを気にせず食べる楽しみを知ってもらいたいもの。個人差はありますが、食物アレルギーは過剰に心配しないで子どもの体調が良いときを見計らって少しずつ与えてみましょう。
◇子どものアレルギー疾患 出産前に知っておきたい知識と対策とは?(雪印ビーンスターク)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000011145.html