老師オグチの家電カンフー

酷暑・猛暑に向けて「春のファンまつり2026」開催中

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
酷暑・猛暑に向けて「春のファンまつり2026」が開催中

今年の夏もクソ暑いらしいですね。

日本気象協会は、40℃以上の「酷暑日」が全国で延べ7~14地点発生すると予想。昨年2025年は、過去最多の30地点と異常でしたが、10地点でも直近10年平均よりも高い値です。また、気象庁も6月から8月にかけては全国的に平年より気温が高くなると予想しています。気象庁は、一般的に冷夏になりやすい「エルニーニョ現象」の発生が例年より高いと予測していますが、エルニーニョも昨今の気温上昇傾向に対しては無力なのでしょうか。冷夏は遠くになりにけり……。

というわけで、人々のお困りごとはメシの種と、メーカー各社がハンディファンや扇風機、サーキュレーターなどの新製品を続々と発表しています。題して、「春のファンまつり2026」です。

今年の特徴としては、まずは大手メーカーの参入です。ハンディファンは、どちらかというと安価で製造しやすく、これまで無名メーカーの製品も多かったのですが、ダイソンやシャークといったこれまでハンディファンを販売していなかったメーカーがガチ参入。この流れは、しばらく続きそうです。

ダイソン「Dyson HushJet Mini Cool(ダイソン ハッシュジェット ミニクール)ファン」。最大風速25m/秒の大風量と容量5,000mAhバッテリーによる長時間駆動(最長6時間)を両立
シャーク「Shark ChillPill パーソナルクーリングファン」。ドライミストや冷却プレートに対応。クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」にて受け付け中
デザイン性も高いBRUNO「6WAY冷却フォールディングファン」。冷却プレートやモバイルバッテリー機能、デスクファンなど6通りに使える
定番人気のリズム「Silky Wind Mobile 4(シルキーウインドモバイル4)) 9ZF042RH」。2重反転ファンを採用、オプションのクリップにより日傘やベビーカー、テーブルなどに固定できる。最新モデルは風量を前モデル比約108%に向上
ドウシシャ「ゴリラの扇風機 GRF-2601B」。羽根径が約14cmと大きく、顔全体に風を浴びられる。卓上でも使える2WAY仕様で、中央のミラーで身だしなみも確認できる

そして、各社とも差別化のために複数の機能を備えるハイブリッド化・トランスフォーム機構を製品に組み込んできました。これは、ハンディファンに限らず、屋内用の扇風機やサーキュレーターにおいてもです。

今年の新製品の中でも異彩を放つのは、シャーク「Shark TURBOBLADE ハイパワータワーファン」でしょうか。いわゆる羽根のない扇風機ですが、細長いブレード(吹き出し口)が縦にも横にも設定可能。かつ、上下(左右)の吹き出し口の方向を別々に変えられ、首振り機能を使えば、部屋中360度に風を送り届けられます。

シャーク「Shark TURBOBLADE ハイパワータワーファン」。吹き出し口の回転機構と首振り機能により、部屋中360度に風を送り届けられる。ブレードを横向きにすることで、自然に近い風をベッドに送風する「エアブランケット」も特徴

また、近年はサーキュレーターをエアコンの効率化や洗濯物の乾燥だけでなく、扇風機のように使う人も増えてきました。その流れに答えたのが、象印マホービン「2WAYサーキュレーター」です。外観は普通のサーキュレーターですが、可動式のルーバーを内蔵しており、直線的なサーキュレーターの風と、扇風機のようにやさしく広がる風を切り替えることができる製品です。

象印マホービン「2WAYサーキュレーター RC-AA30」。本体内部に可動式のルーバーを装備し、直線的なサーキュレーターの風と、扇風機のような広がる風を切り替えることができる

暑すぎる夏が今後も続くと推測されるとはいえ、ファンを備えた製品全般も、なかなかのレッドオーシャンに突入しているようです。まぁ、ユーザーとしては選択肢の幅が広がり、追い風といえそうです。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>