老師オグチの家電カンフー
「7iD」のパスワード再設定で詰んだ話
2019年10月2日 00:00
人生は「小さな“詰み”の積み重ね」じゃないでしょうか。「詰み」は将棋用語で、逃げ場が断たれた状況のことです。チェスだと「チェックメイト」ですね(カッコイイ!)。実際には、自分の考えが浅いために詰めてすらないこともありますが、とにかく「詰んだ」と思わされることは日常的にあります。小さな話でですよ。
先月、セブン&アイ・ホールディングスから「7iDのパスワードを再設定してください」とのメールが届きました。例の「7pay」不正利用事故のせいで、7payを使っていないユーザーのパスワードも全てリセットしたそうです。ワタシ自身、7iDを使っているのは、「セブン-イレブン」アプリのみ。それもnanacoの残高確認ぐらいなのですが、一応言われたとおり再設定することに。おにぎりやコーヒーの無料クーポンももらえるみたいだし。
で、結論から言うと、このパスワード再設定がどうやってもうまくいかない。まずは、過去に記録したパスワードらしきものを入力するもはじかれる。パスワードの再設定をしようとすると、「そのメールアドレスは登録されていません」と出る。んー? それならばと、アカウントを新規登録しようとするも、「すでに7iD会員としてご登録いただいているメールアドレスです」
ホテルに宿泊しようとしたら、「あなたの名前で予約入ってないよ」と言われ、名前を言うと、「すでにそのお客さん泊まってるから、あなた無理」と言われているような状況。
しばらく悩んでいたんですが、原因が判明しました。7iDはFacebook、Twitter、Google、Yahoo!JAPAN、LINEの外部ログインに対応しているのですが、新規登録時はLINEのアカウントでログインしていたのでした。とはいえ、外部ログインも停止中で、再設定の画面に行くものの結局成功せず、最終的にはエラーが出てしまう。
らちがあかないので、「7&i緊急カスタマーセンター」に電話するも、アカウント自体が存在するか確認するには、「オムニ7カスタマーセンター」に問い合わせてくれと言われ、そちらはまったく電話が繋がらない。待っていればいずれ繋がるタイプのフリーダイヤルではなく、強制的に切れる。結局、詰んでるっぽい。
そもそも、7iDのサービスを積極的に使ってきたわけじゃなく、親しくない異性から「あなたとの関係が微妙なので確認させて」って言われているような状況。気持ち悪いので確認をお願いしたら「あたなの存在を確認できないわ」と。正直、縁を切りたいんですけど……。
いや、パスワードがリセットされているということは、すでに縁は切れていると考えることもできるのか? 結局1週間ほどあれこれ試してきましたが、もう時間がもったいないのでやめることにしました。7payユーザーのように実害があるわけではないし、nanacoの利用にも問題はない。あるとすれば、わずかに貯まっているかもしれない「7マイル」が確認できないぐらい。
そして、ついでにnanacoを使うのもやめることにしました。還元率もモバイルSuica(オートチャージ)や“なんとかPay”のほうが高いし、財布に入っているカード類を減らしたいし。さようならnanaco。7payの犠牲になったね。
家電 Watchなので家電に絡めておきますか。家電もIoT化しているので、やたらにアカウントの作成が求められます。パスワード管理だけでも面倒なのに、いざアカウントにトラブルが生じれば、ユーザーの被害や負担が従来とは比較にならないぐらい大きくなりそうです。場合によっては家電の機能自体が使えなくなってしまいます。
パスワードを必要としない未来はやってくるのでしょうか。生体認証の技術は進化していくでしょうが、アカウントに関するトラブルがなくなることは、当分なさそうな気もします。そう考えると、リアルの世界の「顔パス」ってすごい技術ですよね。名前も知らないのに入れてくれるんですから。