老師オグチの家電カンフー

入院中にあると便利なガジェット&家電10選

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 入院なう。甚大な被害を及ぼした台風15号が東京を通り過ぎた朝、目が覚めると右目が見えなくなっていました。約1年半前に罹った視神経炎の再発です。前回の入院時の模様はnoteに書いてあるので、よろしければご覧ください →「突然目が見えなくなりました記」

 さて、この連載のネタをどうするか。最初「入院のときに便利な家電」をテーマに書こうかと思ったんですが、病室に電気ポットとかコーヒーメーカーを持ち込んで使ったら普通は怒られますよね。なので、あると便利なガジェット&家電にしました。

治療は炎症を抑えるステロイドを点滴で注入。前回は両目とも見えなくなったのですが、今回は左目が使えるので原稿も書けます。ラッキー!

1.バッテリーの持ちが良いスマホ・タブレット

 病気や治療の内容にもよるでしょうが、勤労しているときよりもヒマな時間が増えますしプライベートな話し相手もいないので、スマホなどへの依存度は高まりがちです。最近iPhoneを7からXRに変えたのですが、画面も広くて目に優しいし、バッテリーが長く持つのは入院中でも重要な要素です。

 病室に電源はありますが、点滴などの器具が置かれている場合、ケーブルをベッドまわりに這わせると邪魔になります。スマホ1台ぐらいなら問題ないかもしれませんが、タブレットやPCやその他諸々のガジェット、家電が常に充電されている様は美しくありませんし、充電の回数が増えるのも面倒です。

多くの入院患者のお供となるはずのスマホ。バッテリーがすぐなくなるのは、それなりにストレスです
点滴の機械(輸液ポンプという名前だそうです)もバッテリーを内蔵していて、新しいのは5時間ぐらい駆動するらしいですけど、看護師さん曰く「だんだんバッテリーがヘタってきて30分とかになって患者さんから文句言われる」そうです

2.モバイルバッテリー

 とはいえ、バッテリーがすぐなくなるスマホをお使いの場合はモバイルバッテリーが必要です。ベッドの脇には電源が備わっていますが、長いケーブルを這わせるのはあまり美しくないですし、短いケーブルだとその間機器が使えません。

モバイルバッテリーがあれば、ベッドやテーブル上でスマホが充電できるのでスマート

3.ノイキャンヘッドホン

 個室でなければ必須。入院中は神経質になりがちなので、ちょっとでもノイズを減らして、何なら好きな音楽でも聴いてすごしたいものです。隣の人の独り言やイビキがうるさいこともありますし。とはいえ、最近自分自身のいびきがヒドイらしく、隣の人に迷惑をかけていたのではと不安です。

使用しているのは、Boseの「QuietControl 30」。隣の人のイビキが完全に消えるわけではありませんが、気にならなくはなります
枕して寝るとき、ネックバンドが首に当たるのが気になるなら、このように前に置くとよいです

4.使い放題のネット回線

 長期の入院中、スマホのテザリングでネット接続したパソコンで仕事したり、ヒマだからと動画配信を見たりするとパケットの残がヤバくなります。最近は無料Wi-Fiが使える病院もあるみたいですが、普通はないですよね(今回入院している病院は、1日5万円を超える部屋だとWi-Fi使えるみたいです笑)。

 入院期間が数週間を超えるようなら、容量制限のないWi-Fiルーターの検討も視野に入るでしょう。これから契約するならUQの「WiMAX 2+」あたりが最有力候補ですかね。ただ、契約期間が3年なので、スマホのテザリングで追加パケット購入とで迷うところです。空港で貸し出している海外旅行用のルーターみたいに病院の売店で日・週単位でレンタルしてくれればいいのに。

5.電源タップ・USB充電器

 ベッドまわりにケーブル這わすのは無粋ではありますが、それでも電源タップやUSB充電器は必須。電源タップは短いのと長いのが両方あると便利です。

ドン・キホーテで買った「コードがなが~いUSB充電器」。1m、2m、3mの3種類あります。出力は2.4A

6.ポータブルDVDプレイヤー

 テクノロジー的には戻りますけど、パケットを消費しないで映画やドラマが楽しめます。ワンセグやフルセグのチューナーを内蔵した製品なら、テレビカードのコストもなくなります。問題はソフトをどう調達するか。

 家族に持ってきてもらうか、Amazonで届けてもらうか。受け取りに関しては病院に相談してみてください。ダメでも近くのコンビニ受け取りが使えるかもしれません。

テレビチューナー内蔵ポータブルDVDプレイヤー、ルームメイト「OT-FD90AK」

7.電子書籍端末

 動画はパケットを大量に消費するので、同じ暇つぶしなら電子書籍がおすすめです。入院中は、普段忙しくてなかなかできない読書に没頭できる良いチャンスですよ。

「Kindle Paperwhite」も持っていますが、視力が弱まったのと雑誌も読むので「iPad Pro」を使うことが多くなりました

8.ラジオ

 テレビにくらべると目が疲れなくていいです。スマホでradikoアプリでも十分です。スマホの電波の方がFMの電波よりも入りやすいですし(ただしパケットは多少消費します)。

 ラジオはMCとリスナーとの距離が近いので、社会とつながっている実感が持てます。長期入院ならとくにおすすめ。

9.電動シェーバー・トリマー

 入院中とはいえ、不健康そうに見えるので無精ヒゲは避けたいです。相部屋だと優雅にウェットシェービングはやりづらいので、やはり電気シェーバーでしょう。トリマーがあると、モミアゲやいわゆる“おしゃれヒゲ”の手入れもできます。女性なら、ヘアドライヤーが必要ですね。

同じメーカーだとACアダプターを供用できる場合があり便利

10.鼻毛カッター

 鼻毛も伸びます。患者の立場といえ、女医さんや看護師さんにボワっと鼻毛が出た姿を見せるわけにはいきません。仮にお腹の手術で陰毛を剃られたとしても、それとは別の恥ずかしさじゃないですか。

 鼻毛カッターがあれば、お見舞いの人が来るとわかって、あわてて鼻毛を指で引き抜くようなマヌケな行為も避けられます。だいいち、鼻毛を抜くのは肌が傷つくので感染症の観点からも良くないです。

 以上、入院中にあると便利なガジェット&家電でした。少しでも快適な入院生活を送れますように。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>