藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

水だけでツルツルになる掃除クロスを20年愛用している

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
がんこ本舗「巻きまきがんこクロス」

愛用しすぎていてレビューするのを失念してしまっている品を、ときどき「ハッ」と思い出す。がんこ本舗「巻きまきがんこクロス」もそのひとつである。

はたして個人的にいつから使い続けているか。確か、出会いはちょうど20年前、2006年の原宿・神宮前。当時にして垢抜けた、「クルック」という名の店に並んでいたそれは一見、個包のトイレットペーパーのように見えた。

なにゆえトイレットペーパーがこんなにうやうやしく置かれているのだろう。怪訝に思ったのを思い出す。「これはなんなんですか?」と尋ねると、お店の人が「説明するのがちょっと難しいんですけど」と微笑んだことも思い出す。

こんな見た目なのだが、掃除道具なのである。

本体

ポリエステル不織布の繊維に、微粒子になったゴムラテックスが付着させてある、細長いシート。薄く巻かれているので、見た目はトイレットペーパーに近似しているが紙ではない。ちぎれないので、必要なだけハサミで切り取って、水に濡らして使う。

食器、鍋、換気扇、ガスレンジ、冷蔵庫、トイレ、浴槽、ガラス、合成皮革……水を嫌うものや傷つきやすいものを避ければ多くのものの汚れ落としに使える。

基本的に水だけで落ちるが、少量の石鹸などを併用してもいいし、汚れたら洗って何度も使える。

必要な分をハサミで切って使う

えっ、それって、ほんとかな。値段は900円くらいして、2006年の筆者の金銭感覚的に安くはなかった。しかしアレルギー持ちの3歳児を育て、第2子がお腹にいた頃合いの筆者(人生でもっとも環境や食生活に対しての意識が高いというかセンシティブだった)には不思議と響くものがあり、半信半疑ながらも買って帰ることにしたのだった。

使ってみて、特に重宝したのは、水栓の根元やシンクの隅、コンロまわりなどの、普通の布やスポンジではこすりにくい細かな場所。古歯ブラシとも違う、雑巾とも違う、「巻きまきがんこクロス」は10cm角ほどに切って四つ折りにすると指先の力がダイレクトに伝わり、油の膜やこびりつきを洗剤なしの水だけでこそげ取りツルツルにすることができた。それほどこそげ取れるのに研磨剤は使われておらず、メラミンスポンジのように使ううちに崩れていかないのも良かったのだ。

包装に使い方が書かれている

さて、その10年後の2016年。筆者はTBSテレビ『マツコの知らない世界』に、「1,000種類の掃除グッズを試した主婦」として出演する。テーマ「スキ間掃除の世界」に際し、数多くの商品をプレゼン、デモンストレーションしたのだけど、番組側がもっとも反応したのがこの商品だった。

そしてベスト7の1位として、この「巻きまきがんこクロス」を紹介することになった。放送後、ものすごく売れたという。さらにそこから10年が経過した。年々歳々、いろいろな商品が開発され、市場に出ていく。

多くの場合、変化も進化もいいものだ。とはいえ明白にエバーグリーン……不朽の、「まあこれが最適解なんだよね……」というグッズはあり、あってしまい、筆者が20年使い続けている「巻きまきがんこクロス」もそのひとつなのである。

むちゃくちゃ汚れは落ちるが、1回の掃除に使う量がほんの小さな切れ端で済むので、1ロール買えばなかなか使い切れず、実は購入頻度はさほど高くない。しかし、買う都度驚くのだけれど、商品価格はこの20年間ほとんど動いていない。つくり手の意気を感じる。

これは忖度なく良いものである。ぜひ一度使ってみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。