藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

手を汚さないクイックル「洗面ボウルクリーナー」で洗面台ピカピカ!

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
クイックル 洗面ボウルクリーナー

先日、テレビ番組収録のお仕事現場に、非常に可愛らしい高校生女子がいた。我が家の娘たち世代から絶大な支持を得ている方で、筆者は初対面だったが、そのぴっちり垂直に整えられた美しい前髪にはどこか既視感があった。

突然だが、諸兄は「前髪ガチ勢」や「触角」という言葉をご存知だろうか?

筆者は娘たちに教わって知っていた。実は我が娘の一人は件のインフルエンサーの影響を多大に受け、毎日ミリ以下単位で綺麗に前髪を整えている「前髪ガチ勢」である。彼女らはその美意識により、前髪両脇に垂らした横毛?(「触角」というらしい)までも完璧に計算され尽くしたボリュームと長さを日々保ち続けている。

おかげで我が家の洗面台は花王「ケープ」の糊と、毎日カットされる微細すぎる髪の毛で毎朝すごい有様だ。

家庭によってこのような微細な毛とは前髪ではなく髭だったりもするのだろう。多くはただ髪を梳かしたりセットしたりするだけでも洗面所と毛は分かち難く存在するものだ。

それでなくてもうがい、歯磨き、手洗いで洗面所の洗面台、洗面ボウルはじゅうぶん汚れる。

さて、そんな洗面所の洗面ボウル、諸兄は普段はどうやって掃除しているだろう? 筆者二十余年の知見からいえば、一般的には洗面所近くにある浴室の、浴室用中性洗剤などを洗面ボウル掃除に転用しがちだ。あるいはキッチンの食器用中性洗剤やクリームクレンザーなどを用い、洗面ボウル用の小さいスポンジで洗う、ないし浴槽掃除用のスポンジを転用することもある。

最近、クイックルブランドから出た「洗面ボウルクリーナー」は、最新の、そんな洗面所専用の洗剤にして掃除道具だ。形状としては文房具に昔からある「水のり」に近い。あるいはでっかい「マーカーペン」。

形状としては文房具に昔からある「水のり」やでっかい「マーカーペン」に近い

つまるところ、洗剤の入ったボトルの先に固めのスポンジがはまっていて、クリーナーの蓋を開け、ひっくり返して洗面ボウルに2~3回プッシュすると、スポンジに洗剤が染みてきてたちまち泡立つ。そのペン先のごときスポンジを用いてクルクルと洗面ボウルを洗うことができるという洗剤(道具)で、この間、素手を濡らすことも汚すこともない。

手を汚すことなく洗面ボウルの掃除ができる

前述したように、我が家の洗面ボウルの汚れぶりはなかなか日常的に凶悪で、基本ヘアスプレーの糊が薄くもびっちりこびりついている。なので、あまり期待しないで初手は試用した。水垢ならともかく糊はそう容易に落ちないはず。しかしこの洗面ボウルクリーナーで、容易に毛や繊維ゴミと合体した糊汚れ、スルスルと落ちた。スポンジに引っかかった毛も流水で流せば概ね落ちた。

むむっ……。

およそ日常的に洗面所の掃除をしている人にほど、この革新性は伝わるのだろう。でも家族の誰かの尽力による綺麗な洗面所を一方的に享受している方には分かるまい。掃除している人なら目がひらく造り。だから早々に品薄になっているのだろう。

「洗面ボウル、娘たちは汚すばかりで掃除はしないの?」「しない」「腹立たない?」よく訊かれるけど、腹は立たない。

だって前髪ガチ勢が今朝も荒らして出ていく洗面所、これはすなわち、彼女たちの「健康」の証なのだから。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。