藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

服についたシミ「ブルースティック」でするりと落ちた
2025年11月4日 08:05
筆者が矯正協会刑務作業協力事業部の「ブルースティック 液体版」に出会ったのは10年以上前、刑務所のイベントで友人が買って送ってくれたときだった。
確かにそれまで見たことがなく、市販ルートはないものらしかった。筆者が国内外の目新しい洗剤類を趣味的に収集しているのを知っていて買ってくれたのだ。
当時試した筆者はすこぶる感動した。なぜなら、シミが、落ちる!
当時使っていた、どの洗剤より何よりもよく落ちるため、しばらく小さな子供たちの食べこぼしや泥汚れ、中学生や家人のシャツの襟汚れ落としなどに大変重宝した。
使い切ってしまったあと再入手できず、記憶の奥にしまわれていたが、先日ふと立ち寄った刑務所製品販売所で再会。
せっかくなので念願のブルースティック液体版のほか固形のブルースティック2種と、液体版は詰め替え用まで買った。これで当分の間は使えるだろう。
さて10年の歳月を経て、子供たちはほとんどは大人になってしまい、生活リズムも衣類の汚れ方も変わった。
筆者自身も、「シミ取り」洗剤の試用の数も種類も身のうちに蓄積され、そうそうやすやすと感動しなくもなってしまった。汚れ落とし相手に、汚れっちまった......。私はまた、心を動かすことができるんだろうか? と、不安は残った。
しかし、その心配は杞憂だった。育ったら育ったで生活している限りは、わけのわからない汚れが付着し、自転車操業のように膨大な家事を回し続けるのが、子供のいる暮らしというものだ。
特にこの夏の異様な暑さ、寝苦しい夜の激しい寝相、その他諸事情あって、普通の洗濯では落ちない皮脂に次ぐ皮脂、血痕に次ぐ血痕、溢れる謎ジミの付着した洗濯物が洗面所に持ち込まれた。
筆者は期待のブルースティック液体版を片手に、汚れ物を処理し続けることになった。
するとまあ、するりと汚れが落ちるのだ。
洗剤容器の先から少量の液体をシミにちょいちょいと塗り付け、せいぜい古歯ブラシの先で軽くゴシゴシするだけで、普通に洗濯。それでことは済む。
強い香りはなく、素手で扱っても刺激が少ない。液体だからこそ汚れのピンポイントに塗りやすく、固形タイプより作業がスムーズだ。
付着して時間の経ったシミは、洗剤を塗った後ブラシを軽くあてたほうがよく落ちることは何度か試して実感した。とはいえ「つけ置き」などの手間に比べたら、わけもない。
特に、大きな寝具、涼感マットや綿毛布などは、つけ置きが容易でない。水濡れさせるだけで異常な重さになる。部分的にやれと言ってもそれも簡単ではない。それが、部分的に洗剤を塗るだけで済むのがありがたい。
「ブルースティック 液体版」の成分を見ればそれはほぼ界面活性剤で、漂白剤による落としかたではないのがわかる。およそタンパク質や脂質の汚れを強力に浮き上がらせて剥がして溶かして落としている。どうもこの界面活性剤の組み合わせが独特のようだ。
Amazonでも販売中だが、価格はやや高め。それでもこの効果を知ると、多少の差は気にならなくなる。
誰が、どんな思いで刑務所の中でこの製品を作っているのか、想像することはできない。ただひとつ言えるのは、今日も確かに、うちの洗濯を助けてくれているということだ。
「ちゃんと汚れを落としていますよ」と、どこかの誰かに向かって、今日も、独りごちた。



