藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

ハイターなのにツンと臭わない? 台所掃除の強い味方

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
キッチン泡ハイター 無臭性

5年ほど前から、筆者宅では台所仕事、ご飯づくりの9割を家人が行なっている。

いろいろの家庭事情の上でそういうことになった。一方の筆者はコンロの油掃除やシンク磨き、それからまな板や排水口の漂白といった台所仕事の中でも裏方的な作業を一手に担っている。夏は子供たちの水筒のケアも筆者の役目だ。

ステンレス製水筒の場合、内部の汚れはともかくうかうかしているとすぐにヌメッてカビるのが、プラスチックでできている直飲みタイプの飲み口周辺、そしてゴム状のパッキン部分だ。口腔内細菌恐るべし。

そして長年、手っ取り早くこのヌメり(細菌のかたまり)とカビを落とすには既存のキッチン泡ハイターが一番便利だった。どれくらい愛用していただろう…15年かそこらは経っているのではないか。

ただ、濯ぎの時に何度もにおいを嗅いでみる必要があったのが、面倒ではあった。よく濯がないと結構、塩素臭さが残るのだ。子供は敏感なので「水筒を綺麗にしてくれるのはありがたいんだけど…」とやんわり苦情が出ることもたまにある。

確かに塩素くさい水や麦茶を飲むのは嫌だろうし、申し訳ないなという気持ちにもなったが、時間がないときにはじっくりにおいを嗅ぎながら濯げないこともまあまあ、あった。

さて2024年。驚くべき文字列を見ることになる。

「ハイター 無臭性」

無臭?

そんなことって、可能なの? なかなか信じ難いまま店頭で手に取り、購入して試用した。使い勝手は今までのもの通りなので、普通にキッチンで噴射し、一瞬あれ、私カゼかな? と思う。

鼻が利かなくなった、と思った。それくらい普段通りの漂白をしているのに、いつもの「あの」刺激臭がない。

正直なところ、違和感を持った。そう違和感はあるのだけど、圧倒的に身体はラクだ。

やや意外だったのが、塩素臭はゼロというわけではないのに、その強度がぐっと下がるだけでこんなにもラクなのかということ。いかにあの塩素臭にダメージを受けていたのかという自分の嗅覚や身体の反応に、改めてビックリした。

ただ逆にいえばあの塩素臭の「ヤバさ」に本能的に忌避感を抱いていろいろ注意するであろう、そういうアテンションはだいぶん低くなってしまっているのではないかという懸念は明らかにある。

かなり安全に傾けて作ってくれているのだろうとは思うのだけど、使い手は絶対にナメてはいけない。次亜塩素酸ナトリウムは次亜塩素酸ナトリウムだ。目や口に入ったら大変だし、ただ皮膚につくだけでもダメだ。タンパク質が溶ける。もちろんタンパク質が溶けるくらいだからこそ細菌もカビも死滅させられるのだから使い方次第なのだ。

用途や注意点

とはいえ、水筒もまな板の黄ばみ(黄色ブドウ球菌)も圧倒的に始末しやすくなり、台所掃除担当勢にはうってつけの新製品だ。侮らず換気もしつつ、愛用していきたい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。