藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

蓄積した水垢5分で落とす! リンレイのウルトラハードクリーナー

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
ウルトラハードクリーナー ウロコ・水アカ用

大昔に住んでいた賃貸マンションの斜向かいにある歯医者に「近い」という理由で通い出したが、引っ越した後も電車に乗って、同じところにいまだにお世話になっている。24年目だ。

つまり歯医者に行く度、当時住んでいた家をチラリと見るわけだが、居住当時既に30年は過ぎていた築年数の建物にも関わらず、今でもそのままの状態で変わらない。毎度、ビックリする。

敷地全体の手入れが行き届いているので「たまたま」ではなく、かなり意志的に維持している様子が窺える。

住んでいたから知っているのだが、建物オーナー自らプロはだしで管理修繕し続けている物件だった。でももう当時にして70歳は過ぎていたオーナー夫妻の代ではないはずだ。

ともあれ管理の良い堅牢な鉄筋コンクリート造のポテンシャルの高さといったらどうだ。治療したばかりの己の虫歯の頬を撫でながら、おいそれと「年齢のせい」だの「経年劣化」だの言い訳できないなあ、とこれまた毎度、反省させられるのだった。

経年劣化は実際のところ住宅設備が汚れやすくなる大きな理由にはなる。特に住まいの中で一番傷みやすい水場である浴室ならなおのことだ。

毎夏、新陳代謝の激しい家族が高頻度にシャワーを使い、ぬる湯に長湯。育ち盛りの娘3人を含む5人が暮らす我が家の浴室の汚れっぷりといったら、ほんとうにひどい。掃除はしているが(浴槽や洗い場など)毎日そこらじゅう「念入り」になんて到底無理なので、鏡の水垢はそれなりに育つし、石けん置き周りの石けんカスも溜まる。

そこかしこは明確に劣化している。ドア周りの塗装は少しずつ剥がれ、排水溝のゴム部分は縮み、FRP浴槽には蛇腹の風呂蓋による微細な傷が多数ついて気を抜くとすぐカビが入る。

浴室換気扇のプラスチック部分は明らかに黄変しているし、鏡の周囲は腐食している。仕方がない。築22年も経つし、ここで3人の子供を赤ん坊からほとんど大人まで育ててきたのだ。布おむつも運動靴も上履きも洗ってきた。

「掃除をしても掃除をしても汚れがどんどん溜まる状態になったら、リフォームのタイミング」だとリフォームのプロに聞いたことがある。なるほどと思ったが、住まいの劣化期と子供の進学時期が重なれば致し方なく、出費の優先順位は私の場合どうしても子供になる。できる限り掃除して凌いでいくほかない。

というところで、この「ウルトラハードクリーナー」のお出ましなわけである。

パッケージ裏面
成分は研磨剤52%、界面活性剤など

例えば蓄積系の水垢汚れだが、この慌ただしい日々「ていねいにゆっくり」ではなく、ウルトラハードに可及的速やかに落としたいというのがこちらのニーズ。これにガッツリ応えてくれる。

まずは水垢汚れの目立つ箇所にシャワーの水を振りかけ、鏡、水栓、石けん置き、その直下の床部分……と、クリーム状の液剤を使い捨てのポリプロピレンのシートに付けクルクルと力を入れずに擦っていく。

ゴシゴシ力を入れるでもなく、「湿布して放置」という時間をかけるでもなく、シートなので細かな部分にも至りやすいのでストレスもなく。ものの5分強でクルクル擦りは終了するので、あとはシャワーで濯ぐだけ。

工夫も何も要らない。キツイ酸臭などもない。でもすっきりとピカピカ。なんて呆気ないんだろう。

こういう、ちょっとだけ踏み込んだ掃除をするたびに「これを普段からしていればなあ」と思うところだけれど、それが言うほど易くはないのだから、まあしょうがない。場当たりすぎるにしても、これが精一杯の生活だ。

自分なりにちゃんと歯磨きをしていても虫歯ができてしまうこともあるのと同じように、普段の掃除をしていても残ってしまう汚れは、まあなんやかんやして落とすほかないし、そのための道具はこのようにしてある。

「あ、鏡キレイって、今日お風呂入って思ったよ。ありがとう!」

そんな言葉だけで維持できるマインド。いつかリフォームできるその日まで、頑張る!

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。