藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

愛用10年、本当に臭わないトイレの消臭剤は無香料で2年もつ

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
住江織物の「香りでごまかさない 本当の消臭 Tispa(ティスパ)シリーズ トイレ用」

愛用しすぎていてレビューするのを失念してしまっている品を、ときどき「ハッ」と思い出す。住江織物の「香りでごまかさない 本当の消臭 Tispa(ティスパ)シリーズ トイレ用」もそのひとつである。

当連載の最初期(2017年)、すでに同シリーズの「冷蔵庫用」を紹介しているのだが、じつはそれ以前から「トイレ用」も使っていた。この商品群、消臭機能の持続期間が2年(!)と長く、つまり購入してから買い足すまでの期間も2年の長きに及ぶわけだが、おそらく2017年の時点ですでに2回は新たに購入していた。

つまり我が家での愛用期間は、もう10年を超える。となるともう完全に「風景」と化し、意識に上らなくなってしまっていた。

近年マスク使用の反作用か、もともと敏感だった嗅覚が増してしまい、いわゆる「悪臭」のみならず香料も気になるようになってしまった。初夏の夜の散歩で嗅ぐクチナシや秋口の夜の散歩で感じる金木犀の香りなどを素早く認識できるのは良いのだが……。芳香剤は避けつつ排泄臭も限りなく無にしたいという欲求は、我ながらなかなか飼いならしにくく厄介だ。

特殊事情として、我が家のトイレでは新たな掃除技を編み出すためにある程度汚し、においを発生させなければならないという局面がたびたび生じる。別の消臭剤を試用しなければならないときもある。

その都度ビニール袋に入れてTispaを一時撤去することになる。置いておくと状況の比較ができなくなるから。そうして忘れた頃に微かな異臭を感じると、案の定Tispaが無い。慌てて、元に戻すのだった。

おかげで我が家のトイレは基本的に無臭である。なんのにおいもしない。おかげで排泄物臭にある微かな異状にも気づきやすい。ただそのにおいすらすぐに消えてしまう。

2年間使える脱臭・消臭剤。トイレに置いておくだけで良い

筆者はもともと住宅メーカーの営業から住生活系の記事書きになったので、インテリア界隈における「スミノエ」(カーテンで有名なブランド)のほうは長らく存じ上げていた。しかし、恥ずかしながらTispaを使い始めて以降も数年にわたり、あの「スミノエ」と、この「住江織物」が同じ会社とは気づかなかった。カーテンと消臭剤。いささか……、頭の中でリンクしていなくても不思議ではないだろう。言い訳だが。

そしてこの消臭剤の作用も、こんなに長く使っていて、いまだにサイトの説明を読んでも、よくわからない。こんなに小さくて薄い本体でこの消臭力でしかも2年保つ。それを作っているのは織物メーカー。やっぱりよくわからない。

よく、わからないのだけど、現実的に、とにかく驚くほどに臭わなくなる。本当に仕組みがわからないのだが、使えばとりあえずびっくりするはずだ。「騙されたと思って……」という枕詞がこんなに合う商品もない。困った。どうしようもないレビューだとは思う。

でも、だからこそ、ちゃんと掃除しているのにそこはかとない尿臭とかに悩んでいるようなお宅でこそ、ぜひ体験してほしい。そして、びっくりして「やっぱりよくわからない」と頭を抱えてほしい。でもそれは非常に快適な状態だから、すぐにTispaを置いていること自体忘れてしまうはずなのだ。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。