藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
縫わずに裁縫!? スティック型ボンド「裁ほう上手」は洗濯しても取れなかった!
2021年5月25日 07:00
「ス、スティック糊……!!!」
昨秋、近所のホームセンターを流している時。洗剤棚のエンド部分で唐突に展開されていたのが、この商品だった。上から下まで全部これで、とにかく一面これがぶら下がっているのでちょっとした圧を感じた。
思わず価格を確認したら全然高くないので、即、手にとってカゴに放り込んだ。裁縫用スティック糊。裁縫用「スティック糊」……である……!!! ついに時代はここまで来たのか。感動と、仄かな疑いがそこにはあった。
ほんとにこんなもんでくっつくのか、布が? 買っておきながらも半信半疑だった。
自慢にならないが筆者は縫い物全般がすこぶる苦手である。しかし人の親をしてきた18年強の歴史のうちで、この苦手な縫い物を強いられた機会は決して少なくなかった。
そもそもゴム通しやボタンつけという軽微な作業からして負担大であるといえばレベルが窺えよう。そんな筆者に対する、幼稚園や小学校入学に伴う不可思議なまでにオリジナルサイズを求められる袋物類の「縫い強制」は、地獄。そう、地獄に他ならなかった。
それでも長子入園時は母になって僅か数年目。真面目だった筆者はわざわざミシンを買い、布を買い、泣きながら、そして親族や友人の手までを借りながら作り始めた。しかし育児生活十数年のうちに世の趨勢は変わり、末子の小学校入学時には全ての縫い物の外注が罪悪感なく、容易に叶うようになっていた。
「おかあさんが愛情を込めてミシンを踏む(踏む?)」ことが子どもの育ちにあまり影響しないことがだんだん明らかになってきた……せいかも知れない。エビデンスはよくわからない。でも、ものすごく助かった。外注様様である。
しかし、「それでも」手作りにこだわりたい向きが世の中にあるのは否定しがたい。母(親)業とはかくも業の深いものだ。
そしてそんな手作り「お手提げ」などにまで、この「スティック糊」が使えるのだという……。布を切って折って塗って貼ってできあがり!!! なのだという。
子どもがある程度長じてしまった我が家でこの「お手提げ」作りはもう必要ないのだが、先日筆者の薄い春物ブラウスの袖口がほつれてえらいことになってしまった。
「これって、要はまつり縫い?」と怯えた筆者は買ったまま忘れていた裁ほう上手のスティックタイプでもって、ダメ元で補修してみることにした。
折って、ぬりぬり塗って、指でぎゅーっと押さえて、そのまま1日放置した。それで問題なくくっついていた。そして着た翌日エマールで洗濯しても取れなかった。
「す、すばらしい……!!!」
……疑ってすいませんでした。