藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

コインランドリー通いに最適な「ランドリートートバッグ」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 ある日、いつものように風呂掃除をしながら気がついてしまった。

 「家にお風呂がなければ、“風呂掃除”という家事自体、存在しなくなるんじゃないか」ということに。

 「ものすごい発見だ……」と我ながら震えてしまったのだが、考えなおしてみると毎日銭湯に通うほうがそりゃ手間である。特に真冬の行き帰りを思うと「内風呂万歳!」としか言えない。うーむ、やっぱり我慢して風呂を洗い続けることを私は選ぼうと思った。

 しかし思考を巡らすに、「家に便利な何かがある」からこそ発生する家事というのも、案外いろいろある気がする。

 たとえば洗濯に関して、さすがに「たらいと洗濯板」の生活は嫌だが、コインランドリーで一気に洗濯乾燥すれば、いちいちあのめんどうくさい“洗濯物干し”をする必要はないんだな、と思う。

 いや、ドラム式洗濯乾燥機を買って使えば同じか。しかし……。

 筆者宅では現在、「9kg」のドラム式洗濯乾燥機で、毎日1~2回洗濯する生活を送っている。子どもたちが長じ、部活等で出る汚れもののカサも大きくなり、成長期の人が多いゆえに汗等の汚れもひどい、という状態にある。

 そんなヘビーな洗濯物なので、少しでも溜めると諸々面倒なことになる(臭うとか、収拾がつかなくなるとか)。なので日々追われるように洗濯し、干し、乾かしを繰り返しているわけだが、この酷使のためか残念ながら現在使っているドラム式の乾燥機能は死んでもう久しい。

 修理清掃しても間もなく元どおりダメになるので、次回買い替えまで乾燥機能はないものと思うことにしたのだが、そんな筆者に、知人が「週1でコインランドリーにすべての洗濯物を持って行って、一気に乾燥まで済ますと超ラク」というライフハックを教えてくれたのである。その一家は4人で家族数は我が家より若干少ないが、子に男児がいるので差異は相殺だろう。

 「とにかく布団を洗えるくらいの洗濯乾燥機だからバカでかいのよ」「1回行ってみなよ」

 さすがに我が家ではまるまる1週間分溜めるわけにはいかなかったが、にわかにコインランドリーの存在が気になりだした。近年、新しいタイプの「コインランドリー」が各地で増殖しているようで、気をつけて探してみると、我が家の近くにも急に何軒ものコインランドリーができていて驚いた。

 外観だけではそれと気付かず通り過ぎていたところもあった。何に間違えていたかというと美容院の類だ。要は一見「おしゃれ」に過ぎたのである。この「おしゃれさ」が時代の趨勢らしかった。

 当初、「汚れものを入れて行ったでかいバッグに、洗った後の洗濯物を入れて戻って来る」のはどうしたものか、という細かいところに抵抗を感じもした。しかし世の中は進化しており、コインランドリー利用想定の「でかいランドリーバッグ」(いわゆる洗濯ネットのばかでかいやつ)というものが、いつの間にか存在していた。つまりは汚れものと一緒に毎回ランドリーバッグごと洗濯乾燥できるのだ。……知らなかった。このサイズだと布団も入るらしい。

東和産業「ランドリーバッグ」
シービージャパン「ランドリートート」
メーカー名東和産業シービージャパン
製品名ランドリーバッグランドリートート
実売価格811円709円

 そのうえ、「ちょっと気の利いたバッグかな?」くらいおしゃれな柄、ショルダーバッグ風の商品までいつの間にか誕生していた。言われないとこれが「洗濯ネット」だとは思えないはずだ。

 ショルダーバッグタイプなど、スポーツジムに着替えを入れて出かけ、運動後に脱いだ衣類をそのまま収納して帰宅、それごと洗濯機に放り込む、なんてこともできる。出張などに持って行って汚れものを入れても良さそうだ。

 いろんな意味で、「◎◎は、あって当たり前」「◎◎が普通」といった固定概念が、少しずつ削れていく時代なのかもしれない、と思った。

布団も入る大きさ

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。