藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
“すすぎ0(ゼロ)”で使える洗濯洗剤「海へ… Step」
2019年8月28日 06:00
固定観念というのは、世の中のあちこちに潜んでいる。
暮らし、家事の分野においても、それは少なくない。
各々が「かくあらねばならない」「そうしなければいけない」と思い込んでいることごと。その実情について仔細に確認・点検してみることに、なぜか罪悪のような抵抗を感じたりもする。
それは、一種の教育の賜物。あるいは洗脳に近いものも、中にはあるのかも知れない。
「当たり前」とか「普通」というワードの引きの強さがある。「おかしい」とか「変」とか「普通じゃない」というワードの纏う恐怖感もある。
……そんな「固定観念」に照らしてみるに、「洗濯しても、すすがなくていいです」というメッセージは、一般的に、どう受け取られるものだろう?
「え?」
と、いうリアクションにならないだろうか。
「言っている意味がわからないのですけど」
「洗剤を使って洗濯した後、すすがないで脱水して終わりってこと?」
Yes.
そういうこと!
昨年の今ごろご紹介したばかりなのだが、がんこ本舗の洗濯洗剤「海へ…」という商品が、今年2019年7月、20年ぶりのリニューアルを果たして新発売された。それが、「海へ… Step」。
この洗剤の謳っているのが、「すすぎ0(ゼロ)」というメッセージなのである。
つまり洗濯機に洗剤を入れて、洗って、絞ったら、そのまま干せるということだ。
正直、まじですか?! という反応になると思う。私は、なった。
本当に大丈夫なの? と。綺麗になるの? くさくない? などと。
結論から言うと、そうやって洗濯したあと「家族は誰も気づかなかった」。
発売から1カ月、我が家では3人の娘の多量の洗濯物をさばくのに、天気が良くても悪くても1日2回以上の洗濯機稼働が常態となっている。25日あれば、少なく見て50~60回は洗濯しているということになる。
この間ずっと同じ洗剤を使うことはない。衣類の種類によっても替えているが、仕事柄ちゃんぽんになりがちで、ただまあ部屋干しをするときには洗剤そのものや柔軟剤のニオイがなるべく少ないか「ない」ものにするというこだわりはある(外干しや浴室乾燥機利用の際にはこの限りではない)。
そんな日々の洗濯の中に紛らせた、あたらしい「海へ… Step」、洗剤そのものは従来品に比べて香りが強いような感じはした。「ラベンダー等の天然精油を製品の1%」も配合しているというので、そのせいかもしれない。
メーカー名 | がんこ本舗 |
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製品名 | 海へ… Step 500ml(洗濯100回分) |
実売価格 | 2,800円 |
ドラム式の洗濯機で、あえて「すすがない」という設定にするのはじゃっかん面倒臭い。が、すすぎに使用する水量をまるまるカットできるというのはコスト感覚的に決して小さくないと感じる。洗う時間も含めて。
そうしての仕上がりなわけだが、洗い上がりこそ「ラベンダー臭やや強い」感はあるものの、乾けばほとんど気にならず、すすいだか、すすがないかなども全くわからなかった。汗臭い、泥混じりの洗濯物も「普通」に洗い上がっていた。
「すすぎ0(ゼロ)」を実現したのは、洗濯物から離れた「汚れ」を洗剤内の「多孔質構造物質」が包み、極性をマイナスにすることでマイナスの洗濯物(繊維)に再付着させない、というしくみによるものだという。手洗いすれば実感しやすいのかもしれない、と思って子どもの運動靴洗いにも使ってみた。うっかり普通にすすいでしまったけど、普通に綺麗に仕上がったし、普通にニオイも落ちた。
「普通じゃない」設定の洗剤を使って、「普通」に仕上がる、このアンビバレンス!
これを「面白い」と感じるタイプの人は、ぜひ使ってみてほしい。
強固な「固定観念」を打ち砕いてみるのは、存外悪くない経験だ。