藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

大掃除一点豪華主義その4 ~汚れにもニオイにも効く「アルコール除菌スプレー」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 雑然とした住まいで子どもたちとガシャガシャ暮らしている筆者。全くもって「ミニマリスト」な暮らしを送れていない身でありながら、実は長年、「ミニマリズム妄想」には日々余念がない。

 根がオタクなのでその妄想はいつも細部にわたる。思いつく限り最小限の衣類の組み合わせで叶える多種コーデ、最小限の買い物で済ませる栄養バランスの良い献立、そして最小限の洗剤及び道具でこなす掃除……。

 特に本業(?)である掃除については、キッチン全般、洗面風呂トイレ、壁床廊下玄関ベランダ掃除まで、「最小限の洗剤及び道具」の選定自体、すでに実験済みだったりする。

 ずばり「これがあればいろいろなんとかなるだろうな~」というそんな洗剤ラインナップのひとつは「食器用中性洗剤」である。

 紙幅もあるので掃除法等の詳細は端折るが、とりあえず「食器用中性洗剤」さえあれば家中掃除することは可能だ。

 ただこれだけでは不穏なのが、ただの汚れに見えてそのじつ生き物である「カビ」の処遇で、下手に洗ったり掃いたり拭いたりすることで、その辺一帯にカビ胞子を徒らにぬりたくりカビの生育域を拡大してしまいかねない。

 また、とりあえず拭いてしまいたいところにも関わらず水気を嫌う箇所というものも住まいには少なからずある(電気製品周りとか)。

 そんなところにいつもジャストフィットの大活躍! なのが「消毒用エタノール」である。

 冷蔵庫野菜室の雑菌退治兼ねた掃除にも、梅雨時にうっすらカビの浮いた畳を拭くにも曇った窓ガラスを拭くにもよし。トイレの壁も床も便座を拭けば独特なおしっこ臭さが消え、浴室天井を拭けば浴室全体に生えるカビの勢いを削ぐことが叶う。

 たんすの中、クローゼットの壁や床、押入れの内部などなど水気を嫌う収納部全般の掃除及びカビ除去、同様に下駄箱の中の酸っぱい臭いを減らす棚板の掃除にも靴じたいの消臭も、このスプレーが一本ありさえすれば安泰だ。

 ダイニングテーブル上はもちろんのこと、べとつくリモコン、電話子機、スマホの表面、タブレットの表面の指紋汚れその他もティッシュなどに染み込ませた少量の「消毒用エタノール」で拭く。即、スッキリする。

 食中毒対策として「キッチン用」と銘打たれた市販品は10年ほど前にすでにあったが、ここ数年で家中のあちらこちらで活用できるとする商品が現れてきており嬉しい限りである。

 カメラ愛好家やアロマテラピーなどをたしなむ人には「無水エタノール」のほうが身近であろうし、より濃度が濃くて良いのではないかと訊かれることもあるが、掃除用途についていえば安価な「消毒用エタノール」でいいし、むしろそちらのほうがいい。

 なぜかといえば揮発するのが早すぎても除菌効果が期待できなくなるためだ。しかし水で薄め過ぎても汚れ(油性も水性も落とせる)を溶解する効果が消えてしまい、いけないので、使い慣れないうちはすでに適度なアルコール濃度に希釈してくれている市販の商品を取り入れるのが手っ取り早いだろう。

各社のアルコール除菌スプレー
メーカー名アース製薬ジョンソンジョンソン
製品名らくハピ アルコール除菌EXスクラビングバブル アルコール除菌あちこち用ジョンソン カビキラー アルコール除菌キッチン用
実売価格247円355円330円

 市販品のメリットはボトルが溶けないという点にもある。インテリア目的等で「詰め替え」をしてボトルをオシャレにしたい向きもあると思うのだが、「消毒用エタノール」についてはアクリル樹脂(ABS)製のボトルに入れるとほぼ即座にボトルが溶けて割れて大変なことになるので注意しよう。

 またスプレーの際、ミストを吸うと酔っ払う点にも注意していただき(マスクをしたほうがいいですね)、文字通り家中の「あちこち」でその威力を試してみてほしい。

一見似ているが、裏面はそれぞれに異なる

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。