藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

心配性の災害対策グッズその4 「ドリテック ポータブル温湿度計」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 4年前の夏、熱中症をやってしまった。

 その週末の午後、2時間。地域の「夕涼み会」のお手伝いでラムネを売った。最高気温35℃の14時からだから、夕涼みとは名ばかりの暑さ真っ盛りの時間帯であった。万全の熱中症対策を講じていたつもりではいたし、全然平気だと思っていた。しかし、私はその晩から39.8℃の熱を出して寝込んでしまった。

 折り悪く、子どもたちが次々と吐いたり熱を出す風邪にかかった直後だったので、私も完全に「伝染った」と思いこんでしまった。医者が休みの土日に、自宅でただ唸りながら過ごしたが、週が明けてもあまりにも頭が痛い。這うようにかかりつけ医に行ったところ、あえなく「熱中症だ」と言われたのである。

 あれほど冷やしたポカリを飲んで気をつけていたのに? と、びっくりした。想像もしていなかった。そうして2時間ほど点滴を受けてその日は帰宅したけれど、案の定、風邪らしい風邪の症状もないまま、その後一週間近くだるく伏せってしまった。

 それからである。暑さに対して極度に弱くなってしまったのは。だから可能な限り、予報の最高気温が、35℃を超えるような日には外へ出ることを避けている。炎天下を歩き回るなんてもってのほかである。よもやそんな環境下で運動をするなど正気の沙汰ではないと思う。

 しかし、よりによって予報の最高気温が39℃の日に限って、絶対に絶対に休めない仕事が入ったりするわけで……。家から駅まで歩くだけで、もう死にそうなんですけど。っていうか、今ここ「本当は何度なの?」

 という、身に迫ったニーズにがっちり合致したガジェットが今回ご紹介する、ドリテックの「デジタル携帯温湿度計」である。

 なにせ小さい。軽い。携帯するにふさわしい潔いサイズ感がいい。ぶら下げにマジックテープ使用でしっかりしているうえ、付け替えが簡単なのもいい。

 また、他の温湿度計のある屋内で確認してみたが、誤差はほぼ無く信頼性は低くないと感じた。ちなみに、アラームが鳴る熱中症警報機能は、戸外は迷惑なのでOFFにしている。この夏はうっかりすると家の中でも警報が鳴ってしまうのだ。

 このような客観的な数字をくれる道具を持ち歩くと、気温にも、湿度に対しても、「体感」というものがあまりあてにならないことを学ぶ。昨日より涼しいような気がして「まだ大丈夫そう」と思っても、数字はかなりまずい「危険」表示が出ていたりする。ギョッとして水を飲み、塩分タブレットを齧る。こういう強制力って、悪いものではないと思っている。

温湿度計(大阪駅構内)
リュックにぶら下げていた温湿度計(新幹線内)
メーカー名dretec
製品名ポータブル温湿度計「ブラーム O-289WT」
実売価格1,180円(税込)

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。