藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

心配性の災害対策グッズその5「防災用 たためる ヘルメット」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 9月。来るぞ来るぞという予報に違わず西日本に超大型台風が上陸し、目を疑うような凄まじい風雨による被害の様子が、現地に住まう人たちの撮影したスマホ動画によって知らしめられた。しかしそれから寸分おかず、まさかの北海道で大きな地震が起こった。これにはショックでちょっと体調がおかしくなってしまった。

 しばらく経ち、少し思考力が戻ってきたころハッと気づいたのが、「うちにはヘルメットがひとつしかない」という事実だった。我が家は一家5人なのにヘルメットが1個。我ながら意味がわからなくて頭を抱えた。

 そうしてあれこれ検索した結果、Amazonでポチったのが今回ご紹介する「防災用 たためる ヘルメット」である。数量はしっかり「5」にしたのだけれど、この総額にはちょっとのけぞることになる。今まで購入を日和っていた理由がわかった。5個も買うと、当たり前だが金額がいい感じにかさむのだ。

 ただ、今これをケチってどうする?! と勇気を奮い、衝撃は受けつつもキャンセルせず、無事商品が到着した。

メーカー名DICプラスチック
製品名防災用 たためる ヘルメット
実売価格4,199円

 ちょうど結婚した、十数年前から私は防災グッズというものを集め始めた。今では全く役に立たないタイプの携帯電話コネクタの付属した「手回し充電ラジオ」は歴代数種類所持している。

 また太陽光で充電できる「折りたたみ太陽光発電シート」は米軍御用達だか何かという触れ込みのものを走りの頃に買って所持している。今ならもっとお手ごろに買えるのになあ、と、その決して安くはなかった価格を恨めしく思い出すこともある。

 昨今スマホの充電だけだったら小さくても容量の大きいモバイルバッテリーがある。ラジオについても然り。年々ガジェット関係は、より安価でいいものに代替わりしている。それは悪いことではない。

 ヘルメットを買い控えていた理由のもう一つには、わが家の子どもたちがまだ幼く、ヘルメットのサイズが読めないという事情もあった。しかしこちらも年々成長著しく、もう大人用のそれでサイズ調整さえすれば対処できるようになっていた。

 しかし今までヘルメットを買わなかった最大の理由。それは物理的にも「かさばる」から!

 その点この製品は「たためる」を標榜しているだけあってちゃんと平べったくなる。いざ装着にあたっての組み立ても簡単、短時間に済む点も良いと思った。

 ついては家族各々の頭囲に合わせ前もってサイズ調整をしておき、収納袋と本体にもマジックで記名することにした。

装着にあたっての組み立ても簡単

 これと各々の避難リュック等、また履物をワンセット枕元に備え、毎夜を迎えるというのが備えの理想形である。そう……理想だが、でも本当は「こんなもの買っても全然活躍のさせどきがなくて、結果的に高い買い物だった!」とぼやくことになった方が、いいには違いない。

 いずれくる地震、どこが見舞われるかわからない風水害、報道……。日々沸き起こる、どうにも不穏なこの気持ちは、こういった無駄含みの「備え」を個々がもつことで、ひとつひとつ、諌めていくしかないのだ。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。