藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

ヌメリにくく詰まりにくい、ストッキングタイプの排水口ネット「ダストマン」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 恥ずかしながら「生ゴミ」というのは長年、庭の片隅に穴を掘って捨てるものだと思っていた。「生ゴミ」とは、ポリ袋や紙くずなどを含まない、いわゆる台所仕事で出る「野菜クズ」だの「魚のはらわた」だの、そういう湿っぽく生っぽいゴミのことだ。

 生ゴミを堆肥化させる「コンポスト」などというしゃれた建立物が出てきたのは私がだいぶん長じてからのことで、それまではとにかく深い穴を父が庭に穿ち、それがいっぱいになると土をかぶせて離れた場所にまた穴を掘り、埋め、また穴を掘りして、その生ゴミらへんはミミズがいっぱいのいい土になることの繰り返しだった……のだと思う。多分。

 ……と、ふと弱気になるのは正直、実家にいた頃など、さして家事に従事していなかったからである。そういうわけで己の出す「生ゴミ」というものと正面切って対峙したのは大人になり実家を出て一人暮らしを始めてからという体たらく。生まれて初めて、自分自身が適切に捨てないと「腐る」という、クリティカルで抜き差しならない現実と向き合ったわけで、アホみたいだが、かなりビックリした。

 「なにこれすげー臭い」と、心の底から驚いたのである。「生ゴミやばい」。

 それから光陰矢の如し、今どきのJK風に言えば「秒で」四半世紀が経過した。しかしコンポストにもディスポーザーにも縁のない、質素なマンション住まいの暮らしにおいて、未だあの「生ゴミやばい」という強いインパクト、信念は揺らいでいない。捨て方を間違えばすぐに、あの地獄的な臭気が今の住まいをも襲うからだ。

 当初は実家のやりかたを踏襲して「ザル」で生ゴミを集めていた。でも賃貸の家ではシンクが狭すぎてその継続は断念させられた。そこで、より場所をとらない「三角コーナー」に切り替えたが、あまりのヌメリやすさに閉口し、ほどなく廃棄。

 水切りができると謳う、使い捨て三角コーナー的なバッグも買ったけれど、水抜き穴が大きすぎてゴミが流れ出るのに閉口。ストレスがたまり、諸々試行錯誤の末、導入したのが「排水口」のバスケットに被せる「ストッキングタイプ」の「排水口ネット」という商品だった。

「ダストマン 兼用 ストッキングタイプ 50枚」
メーカー名クレハ
製品名ダストマン 兼用 ストッキングタイプ 30枚
価格(編集部調べ)155円

 この「ストッキングタイプ」の「排水口ネット」。私自身、商品としての黎明期から長く愛用しているのだけれど、人気のせいか今では100円ショップも含めて結構いろいろなところで販売されている。

 特性やラインナップ、枚数等も商品によって様々なのだが、100均なら40枚も入って108円だと聞けば、やはりお得に感じてしまう。購入し、どんどん使い比べたくなる。

 しかしそのうち気付く。ストッキング素材なだけに、「伝線しやすさ」「穴の空きやすさ」などに、非常な商品格差があることに。

 溜めた生ゴミの重さに負けて裂けた商品もあった。やたらと詰まりやすい商品もあった。そんななかで、マイベストオブ水切りストッキングとなったのが、このキチントさんマークブランドの商品なのだった。

マイベストオブ水切りストッキング「ダストマン」

 天然抗菌成分のキトサンがネットに配合されているらしく(キチントさんと見間違いしやすいのが難だが)、確かにヌメリで詰まることがほとんどないため、使用していてストレスをあまり感じない。

 大物の野菜クズやゴミは乾いた状態でなるべくポリ袋に移し、水気を含んでしまったゴミはこの排水口ネットでしっかり水が切れた頃合いに回収、いずれも密閉して捨てる。この方法がベストかどうかはわからないが、現在の居住環境のなかで家事として日常的に繰り返すうえでは次善の策と思っている。

天然抗菌成分のキトサンがネットに配合されている

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。