今日のいいね!

切れ味バツグン! ニッパー型の爪切りSUWADAに感動

家電 Watchの書き手の皆さんと編集部が「よかった」と思えたものやサービスなどを、ゆるめに紹介するコーナーです。日々のちょっとした気づきなども共有します

2023年の暮れに「ある爪切り」を買って感動し、そのままずーっとその爪切りを使っています。何しろ切れ味がいい。すごーく切れ味がイイ!

その爪切りとは、SUWADA(諏訪田製作所)が製造している、通称「SUWADA爪切り」です。筆者が買ったのは「つめ切り CLASSIC(L)」。爪切りなのに、ナンと8,580円もします。

購入すると、専用の缶ケースに入って届きました
クッション材に包まれたSUWADA爪切り。最初「高級品だからケース入り?」と思いましたが、ケースがないと刃が傷付いたり、刃で肌を傷付けるからだとわかりました
こんな形状。ニッパー型の爪切りですが、細部まで仕上げが美しく、非常に高い工作精度を直感させます
「つめ切り CLASSIC(L)」はこんなサイズ感。ちょうどいい使いやすさ、力の入れやすさ、刃の向きのコントロールのしやすさだと感じられました
刃先は爪先の形状にマッチするようにカーブしています
軸(カシメ部)の手前(下)には、コイルばねがあり、握る力を抜くと刃が適度に広がります

見ているだけでもキレイなニッパー型爪切りですが、このツールの真髄はその切れ味です。本当によく切れる。爪先の余分な部分をスムーズに切断・除去してくれます。

筆者がこの爪切りを買ったのは、爪ヤスリ(ネイルファイル)で爪を短くするのが面倒だから。なんで爪ヤスリを使っていたかというと「育爪(爪を育てること)」をしているから。

育爪の世界では「爪切りを使うとハイポニキウムを傷めがちなのでネイルファイルを使って爪のカタチを整えましょう」という常識があります。確かにそうすると、育ちやすい形状に爪を整えたり、爪に無理な力を与えずに済みます。ですが、メンドクサい。

フツーの爪切りを使うと、爪を短くはできますが、爪切りの切れ味が十分でないことが多いため、爪を切ったつもりで、爪先が割れたり引きちぎれたりするそうです。また爪に無理な力がかかるため、上記の育爪にもよくありません。

ちなみに、爪は下の図のように3層構造になっています。各層は赤矢印の方向に組織同士の強い結合があり、上層と中層は硬質で、下層は水分を吸収しやすく皮膚と爪を接合する役割があります。

爪は3層構造で、それぞれの層は縦や横の方向に組織の強い結合があります。上層と中層は硬質で、結合力の方向も異なっています。これらの層が密着することで爪の硬さや強さを出すという構造です

よく切れる爪切りなら、この3層を一気に切断できるので、爪先が割れたりささくれだったりしないといいます。またよく切れる爪切りなら、爪先の全体を一気に切断するのではなく、少しずつ切断していけるので、爪に無理な力が加わりにくく育爪に好適です。

筆者の場合は「もしかしたら、このよく切れるというSUWADA爪切りを使えば、あのメンドクサイ爪ヤスリ作業をなくせるかも!」と思ってSUWADA爪切りを買ったんですが、まったく目論見通りでした!

って理屈ばかり書くのはここまで。実際の切れ味を、写真でできるだけお伝えしたいと思います。

SUWADA爪切りで爪切りをする前の筆者の爪。爪をなるべく伸ばして(ハイポニキウムの育成を促して)いますが、これ以上伸びると割れてきたりするので、爪の切りどきと判断
SUWADA爪切りは「パチン」という感じで爪が切れるのではなく、「コツン」「コクッ」「サクッ」という感じの音とともに爪が切断される感触です。歯が鋭くて爪に当たると滑りにくいので、爪の先の先だけ切るようなことも簡単です。写真は爪を切った直後ですが、爪のカーブもうまく処理できたと思います

ちなみにこの後、爪先の若干のガタつきを別の爪切りで整えます。爪切りというか、特殊な爪切り。松本金型の「切らないつめきり」こと「つめけずり」シリーズです。

関連記事:「削る爪切り」に感動したッ!

少々お目汚しですが、これはSUWADA爪切りで切った爪先。写真だとわかりにくいのですが、いちばん大きなもので長さ2mmくらいでしょうか。小さなものは長さ0.3mmとか? 要は、爪先のほんの一部だけでも狙って除去できるんです、切れ味が鋭いから
こちらは爪切り前の親指。親指右側の手前エッジをなるべく残さず除去するのが、筆者の目指す爪切りです。爪ヤスリ(ネイルファイル)だとそれが可能なんですが、時間がかかるし爪の削りカスも出るしメンドクサイ!
でもSUWADA爪切りだとネイルファイル級の処理ができる! しかも一発で!
こちらは爪切り前の人差し指
爪切り後は、爪の左右手前エッジが最小限となりました。SUWADA爪切りは切れ味が鋭いものの、その刃先は薄くてカーブしているので、爪先のこんな部分にも入り込ませることができ、無理なくカットできてしまう!

てな感じで、育爪ハイポニキウム云々の別世界的な話が出てしまいましたが、それは置いておいても「なにこの切れ味っ!」と喜べる爪切りだと思います。SUWADA爪切りに出逢って以降、ほかのパチンと切る爪切りはまったく使わなくなりました。

がっ!!! しかしっ!!! SUWADA爪切りには難点もあります。

ひとつは「切った爪を一時的に保管する構造」がないので、切った爪が飛び放題です。うまくすれば、爪が飛ばない切り方もありますが……。でもまあ室内で使うなら、掃除機がけ前に使う必要があると思います。

もうひとつは、一般的な爪切りに比べると刃のコントロールが難しいこと。普通の爪切りならあまり爪先の奥まで入り込まないので、テキトーに切っていても(意識しなければ)深爪になりにくいと思います。しかしSUWADA爪切りの場合、テキトーに使ったりすると、凄い深爪になることもあると思います。ウッカリして爪先近くの皮膚や肉を挟んだりすると、そのまま皮膚や肉が切断されちゃうので注意深く使う必要があります。

そういう操作感? 使用感? があるので、慣れるまでは利き手でない手で使うのに苦労します。筆者の場合は右手が利き手なので、左の爪を切るのはわりと容易です。「すげー切れるこの爪切り!」と楽しみながら使えます。

ですが利き手でない左手で右の爪を切るとき、最初の頃は「切れる爪切りだけど……どう握ってどうコントロールすれば? ……ていうか左手だと使いにくーい!」と感じました。現在はもう慣れましたが。

そんな感じで、ヒッジョーによく切れるSUWADA爪切りですが、一種の使いにくさや扱いにくさみたいなのもありますよ、と。けっこう高いツールですので、購入を考える場合、そのあたりまで想像して吟味してください。

スタパ齋藤