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「情熱価格」だけじゃない!? おしゃれなのに実用的なドン・キホーテのオリジナル家電7選

 いよいよ10月から消費税が10%に増税され、家電の購入に対しても価格に敏感になっている人や、しばらく様子見しようという人が多いかもしれません。そんな時にうれしいのがエンターテインメント性にあふれる店舗を展開するドン・キホーテのオリジナルブランドの家電たち。

 価格の安さが目を引く「情熱価格」以外にも、実は多数のオリジナルブランドがあり、デザイン性や機能にもこだわったアイテムがたくさんあります。今回は、そんなドン・キホーテのオリジナルブランドから、とっておきの家電をご紹介します。

ドン・キホーテのオリジナル家電。「情熱価格」以外にもさまざまなブランドがあります

1号店誕生から30周年を迎え、勢いを増すドン・キホーテ

 目を引く手書きのPOPやボリュームのある独特な圧縮陳列に加え、ほかにはない店舗の演出と価格の安さで知られるドン・キホーテは、第1号店が開店してから今年で30周年を迎えます。

 ユニーグループを傘下に置き、国内売上高第4位になったことに加え、環太平洋地域においてグローバル企業として国際競争力を持った流通を創造していきたいという思いから、今年2月には、社名をドンキホーテホールディングスからパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)に変更するなど益々勢いを見せています。

 すでに海外に40店舗以上を展開していますが、特にASEAN地域への出店には力を入れており、2017年12月にシンガポールにオープンした「DON DON DONKI」1号店は、メイドインジャパンもしくは日本市場向けの商品を中心にリーズナブルな価格で展開。東京都心の繁盛店に匹敵する坪効率で、想定をはるかに上回る好スタートを切り、続くシンガポール2号店・3号店も順調に推移しているといいます。

シンガポールの「DON DON DONKI」。日本市場向けの商品を中心に展開している(店舗一覧)

 2019年にはタイにも1号店をオープン。これらASEANの地域では、日本の食品への絶大な信頼感と注目度の高さがあり、現地に住む日本人も多いことから、日用雑貨や家電といった製品ではなく、食料品店として展開しているのですね。

 ここで日本でのドン・キホーテの展開を見てみましょう。「ドン・キホーテ」「MEGAドン・キホーテ」「New MEGAドン・キホーテ」「ピカソ」「アピタ」「ピアゴ」「ドイト」など、売場面積100m2から15,000m2まで多彩な店舗フォーマットがあり、店舗規模や店舗構造にとらわれることなく、立地や商圏に最も適した店舗フォーマットで展開しているのが特徴です。ちなみにMEGAがつくドン・キホーテでは食品も扱っており、核となるドン・キホーテはアミューズメント&バラエティショップという位置づけです。

「情熱価格」以外にも多数存在するオリジナルブランド

 そんなドン・キホーテの家電といえば、ナショナルブランド(以下、NB)の製品も置いてありますが、「情熱価格」の名で知られるプライベートブランド(以下、PB)家電。その名のとおり、びっくりする安さで異彩を放っています。

 ただ、取材をしてみると実は情熱価格も「情熱価格」「情熱価格+PLUS(プラス)」「情熱価格PREMIUM(プレミアム)」の3つのブランドラインで構成されていることがわかります。価格だけでない便利さや、最上級の付加価値を提供すべく開発しているのですね。家電だけでなくあらゆる分野において「お客さまの声に応えて、良いものを手間暇惜しまず安く商品化している」といいます。

 また、情熱価格シリーズ以外にも、アウトドア用品ブランドの「greenstage(グリーンステージ)」や、食器やカトラリー、キッチン、ランドリーなどの生活雑貨の「OUCHI(おうち)シリーズ」、アパレル&雑貨の「ACTIVEGEAR(アクティブギア)」など、さまざまなオリジナルブランドを持ち、そのアイテム数は2,000以上とのこと。

 今回取り上げる「MONONICS(モノニクス)」「JENICA(ジェニカ)」も、前者はシンプルでスタイリッシュな大人っぽいデザイン、後者はコンパクトでかわいらしい女性向けのデザインと、ターゲットの異なる家電を扱っているオリジナルブランドです。

 同社でおもしろいのは、たとえPB商品であっても店舗ごとに扱う品目や価格さえも異なり、常にお客様と接する現場スタッフに商品の仕入れから値付け、陳列に至るまで大胆に業務を任せる「権限委譲」を徹底していること。つまり『個店経営』をしているわけですね。普通の企業はピラミッド型の組織で運営されていますが、同社では逆ピラミッド型であり、現場がもっとも力を持っているのです。だからこそワクワク感のある売り場づくりや、独自のPOPの作成などができるのだと思います。

 とはいえ、売り場ではNB商品と一緒に並べられていて、PBコーナーのようなものは作られていないので気づいていない人も多いに違いありません。これから紹介する7アイテム、お店によっては取り扱いがないかもしれませんが、力を入れているという“商品パッケージ”を目安に、宝探し気分でドン・キホーテの家電売り場を歩いていただければと思います。

コンパクトなのに4合まで炊けて料理機能まで「MONONICS 4合炊飯器」

 今は一人暮らしを始める時でも炊飯器は必需品でなくなった……とも言われています。コンビニがあり、チルドパックや冷凍食品も充実しているので白米を炊かなくてもOKというわけですね。そんな人たちも「このデザイン、この機能、この価格」ならと欲しくなってしまいそうなのが、MONONICSの4合炊飯器。

「MONONICS 4合炊飯器」価格:4,980円(税抜)。カラーはブラックとホワイト

 マットな質感の本体が落ち着いた印象で何よりもコンパクトだから置き場所を選びません。それなのによくある3合、3.5合炊きではなくて最大4合まで炊けるから、家族が増えても、友人が遊びに来ても心強い、絶妙な炊飯容量になっています。

 今回、2合の白米を炊いてみましたが、安価なマイコンジャー炊飯器にありがちな、べたつきや芯のあるようなパラパラした炊き上がりではなく、ふっくらおいしい合格点の炊飯ができました。

 炊飯モードも「白米」のほか、スイッチを入れ忘れた時などに便利な「早炊き」や「煮込み」「おかゆ」「ケーキ」「保温」と一通りそろっています。本体カラーもブラックとホワイトの2色展開なのも魅力的です。

炊飯時は後半になると残り時間が表示される
炊飯モードは「白米・早炊き・煮込み・おかゆ・ケーキ・保温」と一通りの機能がそろっている
2合の白米が炊き上がったところ。炊飯時間は約40分程度
べたつきもなく、ふっくらと炊き上がった

ハンドドリップ派におすすめのスタイリッシュな電気ケトル「MONONICS 電気ケトル」

 炊飯器と統一感のあるデザイン、カラー展開なのがMONONICSの電気ケトル。箱を開けるとフタの折り返し部分に「THANK YOU」の文字があり、ちょっとした心配りがうれしくなります。

「MONONICS 電気ケトル」価格:2,980円(税抜)。最大湯量は0.8L

 このケトルは注ぎ口が細く、絶妙な角度をしているため、ハンドドリップでコーヒーを淹れるのにぴったり。ナショナルブランドでも各社から同様の製品が出ていますが、ハンドドリップ用としては完成度が高い印象。

 台座の上に置いた際にもグラグラせずに安定感があるのもいいなと思います。お湯が沸いたら自動でオフになる仕組み。温度調節機能はありませんが、この価格とデザインなら十分ではないでしょうか。冒頭にも書いたように炊飯器と同じ世界観なのでそろえて買うのも良さそうです。

カラーはホワイトのほかにブラックもある。店頭では箱を目安に探したほうがいい店もある
箱を開けて本体を出そうとすると「THANK YOU」の文字が。ちょっとした気配りがうれしい
通電中はLEDランプが青く光る
注ぎ口が細く、絶妙な角度をしているため、ハンドドリップでコーヒーを淹れるのにぴったり

上からの給水が便利! 間接照明にもなるアロマ加湿器「MONONICS イルミネーションタワー加湿器」

 この秋に発売したばかりのMONONICSブランドのイルミネーションタワー加湿器は、上から給水できるのがとても便利。腰の位置まであるタワー型なので、テーブルや机に座った時にノドや鼻に近いところからミストが立ち上がり、効果的に加湿できます。超音波加湿器の場合、床が濡れるという声も聞かれますが、その心配も軽減されそうです。

「MONONICS イルミネーションタワー加湿器」価格:7,980円(税抜)カラーはブラックのみ

 湿度は40~90%の間で自由に設定可能で、切タイマーも1/2/4/6/8時間と細かく設定できます。また、上部のフタの裏側にはアロマケースが内蔵されていて、ケース内のスポンジに市販のアロマオイルをたらせば加湿と共に好きな香りを楽しむことも。電源ボタンの長押しでチャイルドロックも設定できるなど細かなところまで配慮されています。

 本体はシンプルなブラックですが、加湿と一緒にイルミネーションライトの明かりを楽しめるのでインテリアとしても魅力的な一台なのではと思います。また、底面にはフロアライトが搭載されていて、就寝時の間接照明にもなります。設置面積が小さいので部屋においても邪魔にならないのもうれしいポイント。加湿の必要な季節だけではなく、照明器具として1年中愛用できるのではないでしょうか。

上部のフタ(噴霧カバー)を取ると、水の注ぎ口が現れる。水タンクの容量も5.0Lとたっぷり
ちょうどいい高さに注ぎ口があるので、腰を曲げずに注水できて便利
フタの裏側にはアロマ用のスポンジがセットされている。アロマエッセンスを使いたい時には水に直接入れずに、このスポンジに垂らす
本体下部にセットされている操作部は取り外してリモコンとして使える
水タンクの上部が7色に照らされるイルミネーションライトのほか、足元にはフロアライト(こちらは1色)もついている

フォンデュ用小鍋まで付いたミニホットプレート「JENICA ホットプレート」

 昨今、すっかりおなじみになったコンパクトなホットプレートが、ドン・キホーテのオリジナルブランド「JENICA」からも登場しています。A4用紙ほどのサイズで1~2人暮らしのテーブル調理用としてはもちろん、2つそろえてパーティ用に使うなど、いろいろな楽しみ方ができるのも、この価格ならではかもしれません。

「JENICA ホットプレート」価格:4,980円(税抜)。平面プレートのほか、たこ焼きプレート、フォンデュ用の小鍋が付属している

 ユニークなのはフォンデュ用の小鍋が付属していること。取扱説明書によれば、平面プレートにアルミホイルを敷いてこの小鍋を置き、チーズフォンデュやチョコレートフォンデュに使ってほしいとしています。

 たこ焼きプレートも付属していますが、ヒーターの構造上、温度ムラができやすいのが難点。平面プレートのときにはそんなに気にならないと思いますが、たこ焼きを作る際には注意が必要。中央部が早く焼けるので焼けたらお皿に取り出し、外側のたこ焼きを中央部に移して焼くようにするなどローテーションするのがおすすめの使い方です。

スライドして温度調節する。保温もOK
ヒーターが中央部にくるりと配置されているため、温度ムラがある。特にたこ焼きの際には注意が必要
カラーはレッドとホワイト。バスケットを模したパッケージは、中の本体カラーに合わせてリボンのデザインを変えるという凝ったつくり

セラミック加工でくっつきにくい! ずっと出しておきたくなるプレート「JENICA セラミックグリルプレート」

 どこかで見たようなデザインというのはご愛敬。竹の台座にブラックのセラミックプレートが載ったデザインですが、側面にも枠があり少し高くなっているので使用時に手がプレートに触れにくく、お子さんがいるご家庭でも使いやすいのではないでしょうか。

「JENICA セラミックグリルプレート」価格:3,980円(税抜)

 ベーコンや温野菜、目玉焼きなどを焼いてみましたが、ほんの少し油をたらすだけできれいに焼け、くっつきにくいためお手入れも簡単。プレートの片方の端には溝ができていて、下にあるオイルプレートへ油が流れ落ちるように設計されています。鶏肉のソテーや焼き肉など脂分を落として焼きたいときにはプレートにたまった脂分をヘラで溝に落とすようにするとスムース。

 デザインがキュートな竹製のヘラとフォークが付属しています。クラシカルなスーツケースをイメージしたパッケージに入っているので、店頭ではこれを目安に探してみてはと思います。

プレートの溝からオイルプレートに油分が流れ落ちるように設計されている。竹製のヘラとフォークのデザインがキュート
温度はMIN:約60~100℃、MID:約130~170℃、MAX:約190~230℃
クラシカルなスーツケースをイメージしたパッケージデザインが可愛い

ガラスのジャーボトルと真鍮デザインのレバーに心躍るミキサー「JENICA レトロデザインミキサー」

 女性をターゲットにした「JENICA」らしいデザインのレトロなミキサー。写真で見たときにはチープなイメージで少し不安だったのですが、実物を触ってみるとそんな印象はどこへやら。高さ26.5cmとかなり小さいのですが、ガラスのジャーボトルを支える本体はずっしりと安定感があってテーブルの上でも使いやすいのですね。そして何より真鍮のようなレバーを手前に引いて操作すると、心躍ってスムージーづくりが楽しくなるのです。

「JENICA レトロデザインミキサー」価格:2,980円(税抜)

 今回はベリーやパイナップルなどが入った冷凍のフルーツミックスと牛乳を使ってフルーツスムージーを作ってみました。まずは冷凍のフルーツミックスをレンジに30秒ほどかけて半解凍し、牛乳と一緒にガラスのジャーボトルに入れます。カッターユニットをセットしてしっかりと閉めたら、ひっくり返して本体にセット。あとはレバーを手前に引くだけでOK。

 カッターユニットを外したら、付属のキャップとストローを取り付ければ、ジャーボトルのまま飲むことができて便利です。トライタン製のジャーボトルに入れ替えれば、作ったスムージーを持ち歩くことも。

 このJENICAのミキサーのパッケージにはカフェが描かれていて、ラブリーなデザインなので贈り物にしても喜ばれそうです。

冷凍のフルーツと牛乳でフルーツスムージーを作ってみた
レトロなデザインのレバーを手前に倒している間はモーターが回転してかくはんされ、レバーを元に戻すと止まる仕組みになっている
フルーツスムージーがあっという間に出来上がった
ガラスのジャーの付属のストロー付きキャップを取り付ければ、そのまま飲むことができる
ピンクとグリーンの2色展開。ガラスのジャーのほかに、持ち歩き用のトライタン製の軽いボトルも付属している
カフェを描いたパッケージ。店頭で見つけにくいときにはこの箱を目安にするといい

芳醇な一杯が楽しめる! メリタとのコラボで生まれたコーヒーメーカー「情熱価格PLUS 絶品珈琲」

 ドン・キホーテのPB家電としてその名を知られている「情熱価格」は“驚きの安さ”がウリですが、「情熱価格」のワンランク上を目指し、プチ便利・プチハッピーを提供するのが「情熱価格PLUS」。中でもおすすめは1908年の創業以来、理想的なコーヒー抽出のためにフィルター(ドリッパー)の抽出口の研究を重ね、現在の1つ穴方式を完成させたメリタとのコラボレーションで生まれたコーヒーメーカー「絶品珈琲」です。

「情熱価格PLUS 絶品珈琲」価格:3,980円(税抜)。Melita(メリタ)のフィルターペーパーが同梱されている

 熱膨張率の異なる2枚の金属板・バイメタルが90℃前後のお湯だけを感知し、フィルター内に注ぐため、安定的に味と香りを引き出せる「バイメタル抽出」を採用。またメリタならではの1つ穴のフィルターは、内側に刻まれた溝とその角度がお湯の流れをコントロールして、芳醇な味と香りを引き出します。

 同梱されているメリタのペーパーフィルターをセットして実際にコーヒーを淹れてみましたが、抽出量に合わせた分量の水を入れる際にも凹凸の目盛りが付いていて、上からのぞいても見やすいのがとても優秀。お湯が沸くと共にコーヒーが抽出され始めると部屋中にいい香りが漂って幸せな気分になれます。

 ゴールドとブラックの本体デザインが箱だけ見るとギラついて見えましたが、思いのほかシックな印象なのも気に入りました。サーバーの取っ手がしっくりと手に馴染んでとても持ちやすいことにも感動です。まさにプチ便利・プチハッピーを具現化させた製品だと思いました。

本体がとても軽いのでテーブルに持ち運んで使うのも楽々。ゴールドがいいアクセントになっている
水は本体上部のふたを開けて入れる仕組み。凹凸のある目盛が付いているため、1~5杯分まで抽出量に応じて正確に入れることが出来る
コーヒーサーバーの取っ手が手に馴染んで持ちやすいことに感動!
ドリッパーはメリタならではの1つ穴がポイント。内側に刻まれた溝とその角度がお湯の流れをコントロールしている

神原サリー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。現在は家電+ライフスタイルプロデューサーとして、家電分野のほか、住まいや暮らしなどライフスタイル全般の執筆やコンサルティングの仕事をしている。モノから入り、コトへとつなげる提案が得意。企画・開発担当者や技術担当者への取材も積極的に行い、メーカーの現場の声を聞くことを大切にしている。 テレビ・ラジオ、イベント出演も多数。