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花粉の時期に見直したい! 魅力いっぱいの紙パック式掃除機6選
2017年2月28日 07:00
トレンドのコードレススティックやサイクロンにも欠点がある
掃除機のトレンドは、何といっても手軽に使えるコードレススティックタイプ。北欧の家電メーカー、エレクトロラックス社のエルゴラピードが登場して10年あまり、その後ダイソンで一気に火がついて、国内メーカーが追随した。小型でパワフルなモーターや軽量で大容量のリチウム電池の開発が進み、軽さや長時間の運転が可能になって、ますます進化している。
ただし、こうしたコードレススティックにも欠点がないわけではない。その多くはダストボックスが小さいため、ゴミを頻繁に捨てる必要があり、しかもその際にホコリやチリが舞い上がってしまう。これはコードがあるサイクロンクリーナーでも同じこと。掃除のたびに捨てることはなくても、ゴミ捨ての手間とホコリの舞い上がりという問題は避けられないのだ。このあたりは、ロボット掃除機でも同じことが言える。
粉状の汚れが気になるダストボックスやフィルターまわりのお手入れも、度重なると面倒に感じる人も多いのではないだろうか。ましてや、花粉やハウスダストで悩んでいる人にとっては、せっかく吸引したはずの微細なチリなどを再び空気中に戻してしまうことになりかねず、マスクを装着したり、ベランダなどでゴミを捨てるといった対策をしているようだ。
そこで見直したいのが、軽量で引き回しがしやすく、ゴミ捨ても簡単で衛生的な“紙パック式”の掃除機。価格も比較的値ごろ感のあるものが多いのもうれしいところだ。コードを引き出して掃除をするひと手間はいるが、その代わり、充電のし忘れというような心配はいらない。
各社から発売されている紙パック式掃除機の中でイチオシのものをご紹介しよう。
バイカラーデザインでキュートな“出しておける”キャニスター
シャープ「紙パック式掃除機 EC-KP15P」
2016年12月、シャープが10年ぶりに紙パック式掃除機の新モデルを発売したのが、このEC-KP15P。ブルーとイエロー、ホワイトとシルバーのバイカラーデザインが印象的だ。同社のコードレススティック「FREED」についているような、赤外線ゴミセンサーやヘッドが走るパワーアシスト機能などは搭載されておらず、機能はとことんベーシック。
だが、カーペットでも楽々掃除ができるような自走式ブラシが採用されていて、掃除がしやすく、本体が2.2㎏ととても軽くて持ち上げたままで掃除ができる。電源スイッチのマークや、コードリールの位置など細部にこだわったスクエアでキュートなデザインは、キャニスタータイプなのに出しておいて“見せたくなる”ものになっている。若い人から年配の人まで幅広い世代に愛されるに違いない。
何より素敵なのは、価格が2万円ちょっとということ。お手頃価格だから、この春に新生活を始める方にもぴったりだ。
紙パックはスタンダードタイプのEC-06PNが付属しているが、交換の際にはプレミアムとして新たに発売されたEC-17PNがおすすめだ。5層構造で捕集力が高く、抗菌効果があるので満足度が断然違う。
軽量コンパクトな紙パック式のパイオニア
三菱電機「紙パック式掃除機 Be-K(ビケイ) TC-FXF10P」
サイクロンクリーナーが人気を集め、各社がそこに注力していたころに“紙パック派”の人のために、軽量コンパクトな掃除機を発売したのが三菱電機の「Be-K」。代を重ねるごとに進化し、デザインも変化してきたが、その名の通り「美しく軽量である」というコンセプトは変えていない。
このTC-FXF10Pには自走式パワーブラシを備えているほかに、手元グリップで掃除中の動作を検知して無駄な電力を抑える節電モードのほか、ブラシに巻き付いた糸くずや髪の毛を簡単に取り去ることができる「毛がらみ除去機能」がついていて、使い勝手に優れる。
ふとん掃除用の「アレルパンチふとんクリーンブラシ」付きなので、ふとんのケアをしたい人にも向く。もちろん紙パック式なので、ゴミ捨ての際に、ダニの死がいやふんが舞い上がる心配もない。純正の紙パックは、備長炭を使って消臭効果に優れたMP-9などが用意されている。
世界最軽量のアクティブシニア向けモデル
パナソニック「Jコンセプトシリーズ MC-JP520G」
本体の素材に軽さと強度を両立したPPFRP(PP繊維強化樹脂)を採用し、モーターの素材にアルミニウムを使うことで本体質量2㎏という、キャニスタータイプでは世界最軽量を実現させたのがパナソニックの「MC-JP520G」だ。
アクティブシニア向けの家電「Jコンセプトシリーズ」の1つで、ホースの内径の見直しによってホースが曲げやすくなり、取り回しの負荷を軽減するなど使っている時の取り回しのしやすさにも配慮されているところはさすがだ。
パナソニックならではの親子ノズルを採用し、いずれのノズルの先にもLEDライトをつけて暗い場所のゴミも見やすくしている。また、目に見えない約20μmのハウスダストまでを検知する「ハウスダスト発見センサー」を搭載するなど、軽くてコンパクトな紙パック式ながら高機能なのが特徴。本体の横滑りを防ぐローラーや、3段伸縮のすき間ノズルなど、細部まで生活者の声を聞いた改良が施されている。
純正の交換用紙パック「AMC-HC12(消臭・抗菌タイプ)」は、シャッター機能付きで、掃除機本体から外すと口が閉まり、キャッチしたゴミが飛び出さない方式になっている。
静音で排気がきれいなプレミアムタイプ
日立「かるパック CV-PD700」
日立の紙パック式掃除機「かるパック」の最新モデルでは、本体に軽量素材のカーボンライト採用し、高性能小型ファンモーターの開発で本体質量を2.3㎏に落としている。センサーが床質や操作状況(力)を感知して、パワーやブラシ回転力を自動コントロールする省エネ機能も備える。
高集じんフィルターと高気密モーターケースによって、微細なごみも捕集し、吸い込んだゴミを99.999%逃がさない「排気のきれいさ」もかるパックならではの魅力といえる。付属の紙パックがいっぱいになって交換する際には、ぜひとも同タイプのナノテク衛生フィルター GP-2000FSを使うようにしたい。
「曲がるロング吸口」や「すき間用吸口」などのアタッチメントを付属するが、「電動ふとん吸口」は別売。
電動ふとんブラシを付属した軽量モデル
東芝ライフスタイル「紙パック式掃除機 VC-PG316」
延長管に軽量なグラスファイバー素材を、自走式ヘッドにはカーボン素材を採用し、本体にこれらを合わせた標準質量を5kgに抑えたモデルが東芝のVC-PG316。微細なゴミやホコリを検知する「ゴミ残しまセンサー」を搭載している点は、同社のサイクロン式クリーナー「トルネオV」シリーズと同様だ。
ふとんに適した吸引力を持つ「ふとんモード」を搭載しており、付属の電動の布団ブラシ「パワービーターヘッド」を使うことで、短時間かつ負荷をかけずにふとんの掃除ができるように開発されている。
ハウスダストを叩き出して吸引するため、ふとんの奥に潜んだダニや花粉などのアレル物質を99%以上除去できるとしている。花粉やハウスダストで困っている人は試してみる価値ありの1台だろう。純正の紙パックは、高性能トリプルパックフィルターVPF-7。
豊富な付属品で家中どこでもきれいに
ミーレ「Compact C2 HomeCare Specialist SDCO0NB」
吸引力の強さと、堅牢な本体で定評のあるミーレの紙パック式掃除機。その最上位モデルとなるのがSDCO0NBで、「家具用ノズル」「すきま用ノズル」「ホコリ取り用ブラシ」「SUB20 ユニバーサルブラシ フレキシブル」「STB205-3 ターボブラシ」「STB101 ハンドターボブラシ」「SFD20 すきま用ノズルロング」「SMC20 マイクロセット」など、用途に応じた8つのノズルやアタッチメントを備えている。
特殊フリースと静電気を帯びるフィルターの9層構造の「ハイクリーンダストバッグ」に加え、1層の「モーター保護フィルター」と1層の「排気フィルター」という、合計11層からなる「エアクリーンシステム」によって、微細な塵やホコリをとことんキャッチするのが特徴だ。
排気フィルターは3種類用意されているが、すべてのフィルターが、0.3μmの微粒子を99.9%以上集塵し、アレルギーの原因といわれるダニの死骸や花粉などの微細なゴミを捕集するとしている。最上位モデルのHEPAエアークリーンフィルターなら、さらにクリーンさが高まる。
紙パックは純正品&プレミアムタイプを
ここまで紹介してきたように、本体が軽くてゴミ捨ての手間も軽減される紙パック式掃除機だが、1つ注意したいのが交換用の紙パックの選び方だ。
構造上、紙パックの中を吸い込んだ空気が通過していくため、きれいな排気やニオイ対策のためにも、各社が純正品として発売している紙パックを使うのが必須となる。また、少し高価でも、何層にも重ねられて捕集効果が高く、抗菌タイプのものを選べばペットのいる家でもニオイが気にならず、排気のきれいさを保てるので、おすすめしたい。