ぼくらの自由研究室

進化を続ける3Dプリンタがアンドロイドを作る未来を妄想した

先日、3Dプリンタで作られたガンダムやら戦車やらをご紹介しましたが、それを実現しているのは、3Dプリント技術やスキャナー、そして素材などの進化によるものです。

3Dプリンタが登場したころは、素材といえばプラスチックやアクリルだったような気がしますが、いまでは金属をはじめ、木材系やゴム系、ナイロン系……etc、目的に合わせてさまざまな素材が使われています。たしかに信頼できる素材がなければ、心臓や血管を作る研究も進まなければ、家を建てようとは考えませんよね。

とくに医療の現場で研究が進んでいますが、いつか肉体が作れるようになって、そこに人工知能を搭載したアンドロイドを3Dプリンタで製造する。さらに、人間の体では耐えきれない環境で働けるアンドロイドをつくるために、特殊な素材での製造に成功する。

たとえば、液体金属で製造したアンドロイドが暴走し、液体窒素でバラバラにして一度は倒したかと思いきや、しつこく人類を襲い続けるが、最終的には溶鉱炉に落とす原始的なやり方で人類が勝利する……なんて将来が来るかも、なんて考えたりも。

話が脱線しましたが、前回とはちょっと違った驚きのある3Dプリンタで作った部品や作例などの写真をどうぞ~♪

リコーの3Dプリンタは造形容量において高い性能を誇るとのこと。こちらは東京大学生産技術研究所とリコーの共同研究である「脊椎動物Project」の作品。脊椎動物だけが持つ骨格構造をさまざまな生物の中に想像することで、その形態的特徴をとらえ、形の流れに沿った骨格を3Dモデルで生成
たとえば、バナナに骨があったら……
ブドウに骨があったら……。凡人には理解できない世界です
こちらはPENTAXのカメラボディのサンプル
PC Watchの記事にもありましたが、日本HPの業務用3Dプリンティングソリューション。さまざまなリアルな部品を展示
赤ちゃんの頭部は夜中に見たら、間違いなく腰を抜かします……
金属製3Dプリンタや溶接機などを販売する愛知産業がつくる形状もさまざまな金属製の部品
NTTデータエンジニアリングシステムズの金属3Dプリンタは、複雑な形状でも3Dデータからダイレクトに金属部品が製作が可能。左がハイブリッド車用のクランプシステム。右のイヤホンの価格は、なんと1,000,000円!
こちらは脳腫瘍のヨークシャーテリアを治療するためにつくられたチタン製のインプラント。造形時間は約5時間とのこと
ここからはステンレス素材でつくった造形サンプル。右側の部分は35~55度まで5度刻みで角度がついています。この形をデータからダイレクトにつくれるなんてスゴい!
こちらは文字があったり、大きさや深さが違う穴があったり、ラティス構造だったり、何に使うかはわからずとも、そのスゴさだけは伝わります。100時間で24個製造が可能とのこと
3Dプリンター向けのさまざまな素材を生産する中国のメーカーPolymakerPolyMaxという素材でつくられたダヴィデ像
こちらはゴムのような弾力を供えたフレキシブル・フィラメント「PolyFlex」でつくられたインソール
木をベースにしたPolyWoodという素材でつくられたヘッドホンや人形
ターミネーターをスキャニングしていたAICONの3Dスキャナー「PrimeScan」。中央のLEDで対象を照らして、左右のカメラで撮影。A4サイズで約4kgというコンパクトサイズで、狭い場所でもスキャンができるのが特徴
いまは人間の目でとらえたモノの奥行きや立体感を再現できるそうですが、将来的にはさらに精度が上がるとのこと。いつかターミネーターを3Dプリンタで作る日が来る!?
3Dプリンタから話は逸れますが、こちらはRealfictionの「Dreamoc(ドリモック)」という3Dホログラムディスプレイ
3Dホログラムディスプレイの動画

個人的に興味を持ったのが、ECビジネスの商品撮影をサポートする「フォトシミリ」シリーズ。簡単に360度の商品撮影ができ、専用のソフトウェアで10分程度で360度アニメーションが作成できます。

小型の撮影スタジオにターンテーブルを設置し、3Dマルチアームにカメラを複数台セットし、あらゆる角度から撮影。撮影した画像は、背景キリヌキなどの作業も不要で、クオリティの高い写真を掲載できることもあり、欧米では一般的になりつつあるそうです。下の写真の組み合わせで月額100,000円でレンタルが可能となっています。個人リースもできるそうなので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

「フォトシミリ」シリーズ
こんな感じでアームにカメラをセット。ターンテーブルが回っている間にさまざまな角度から商品を撮影
撮影した画像はリアルタイムでモニターに表示
専用のソフトウェアで簡単に編集できるとのこと
約10分程度で360度のアニメーションが完成

清水英行