フランスほのぼの暮らし

フランスで恋人を招待するときのセッティング、料理は冷凍OK! 簡単レシピもご紹介

フランス人パパと小・中・高校生まで4人の子どもたちと、パリから1時間ほどの地方都市で暮らす日本人主婦クレモンママが、日本人と似て非なる感覚を持つフランス人の生活を紹介する連載記事です

 フランス人は気になる相手と外食しても、奢ることをしません。お会計はきっちり割り勘にしますから、「奢ってもらえなかった」と恨みがましいことを言う人はいません。

 そして、自分が相手に好意を持っている場合には、男女ともに自宅に呼んで手料理を振る舞うのがフランス流です。そこで今回は、料理が得意でなくても相手をがっかりさせない、テーブルセッティングやスナック菓子の使い方、簡単に作れるお料理などのちょっとしたテクニックをご紹介しましょう。

ダイス状に切ったキュウリの上にサーモンを乗せた前菜

食前酒用のおつまみは、市販のスナック菓子でOK!

 フランスでは食事の前に、必ずアペリティフと呼ばれる食前酒を飲む習慣があります。お酒の種類は、ビールよりもアルコール度数が高いお酒が一般的で、好意を持っている女性に対しては、カチ割り氷をたくさん入れたカクテルを出す人が多くいます。逆に女性が好意ある男性や恋人に出すときは、カクテルではなくお酒をそのまま出すことが多いかもしれません。

 そして、おつまみは市販のスナック菓子でOK! ポテトチップスは、100%どこでも出てくる重要なおつまみです。あとは市販のオリーブやおつまみ用のチーズなどを、オシャレなお皿に入れて出すだけ。料理好きな人なら、自作のカナッペを用意する人もいます。食事前なので、たくさんの食べ物やお腹がふくれるものは必要はないので、準備もラクちんです。仲良くなったら「アペリティフに来ない?」と気軽に誘うのも一般的なんです。

おつまみは市販のスナックなどを器に入れるだけでOK

恋人や気のある異性を誘う場合のテーブルテクニック

 フランスの男性陣は、気になる女性や恋人を自宅に招いてアペリティフや食事をする場合、テーブルセッティングにも手を抜きません。きちんとテーブルクロスを引いてから、食卓にお花を飾ってみたり、夜なら雰囲気作りのためのキャンドルを置いたりします。照明も間接照明を使って、ムード作りも欠かしません。逆に女性が男性を誘う場合には、部屋全体を明るい雰囲気にすることが多いですね。

お花は食事のジャマにならないよう、香りが少なく小さなものを。窓ぎわの植木鉢を移動することもあります

自宅で食事をする場合は、フルコースでおもてなし

 フランスの食事はアペリティフから始まり、前菜・メイン・フロマージュ・デザート・コーヒーと続きます。特に高価な食材を使わなくても、冷凍食品がメインでも問題ありません。美味しいワインと食事、そして2人の楽しい会話があれば良いんです。アペリティフをしながら、招き主がメインの料理を作ると言うのが一般的で、食事の時間もとっても長いのがフランスのお食事スタイルです。

 冷凍食品だろうと何だろうと、その都度作りたてを食べるのが特徴で、作り置きを使う場合でも温めてから食卓へ出します。メイン料理はオーブンで焼くだけの肉料理が一般的です。冬の寒い時期には日本のおでんに値するような煮込み料理が登場することもあります。

お皿は前菜用とメイン用を重ねておくだけで華やかに見えます

ほとんど料理をしない人でも作れる前菜

 料理ができないフランス男子が好んで作る「マセドワーヌ」。缶詰めに入った野菜の詰め合わせのようなものでボウルにぶちまけてから、細かくしたツナ缶をぶち込み、マヨネーズを混ぜて塩コショウするだけでOK。高級感を出したければ適当に切ったテリーヌを買ってきて追加します。

 これらをお皿に乗せて、ゆで卵を芸術的に盛り付ければ、素敵な前菜の出来上がり。それなりの料理に見えますし、レストランなどでも普通に出てくる優れた一品です。市販の袋詰め野菜を買ってきて、スモークサーモンや生ハムを乗せただけのサラダも、市販のドレッシングをかけて出すだけで、健康志向や野菜好きな女性に喜ばれます。ワインは白かピンクでオシャレにどうぞ。

立派な前菜になるので、料理が苦手な人や大人数のときに重宝される「野菜の缶詰」

予想に反して見栄えのするメインディッシュ

 料理ができない or 苦手なフランス男子でも簡単に作れちゃうのが、オーブンで焼くだけの肉料理。肉食系を中心に女子に大人気なので、己の評価もうなぎ上りです。ということで、フランス男子が必ず作るメインディッシュ第1位はローストビーフ。これしか作れないフランス男子は、回数を重ねるごとに肉の種類が牛肉から豚や鶏、さらにはイノシシやカンガルー、ウサギやダチョウへと変化していきます。

 2人分なら500g程度の専用のお肉を買ってきて、耐熱皿に入れて肉の上にバターをガッツリ乗せて、準備段階から温めておいた200~220℃のオーブンへ。片面25分ずつ焼くだけですが、高級感を出したい&安い肉の臭みを消したい場合には、塊肉に切り込みを入れてニンニクを差し込むのがオススメです。焼けたら好みの厚さに切り分けて、ソースでもかければ、あなたも今日からお料理上手! ちなみに肉料理には赤ワインが最適です。付け合わせは冷凍のフライドポテトか缶詰めの豆がほとんどです。

友人の男性が作ったローストイノシシ。ピクルスを切ってお手製のブルーチーズソースをかければ華やかなメインディッシュの出来上がり

ソースは市販のものをお皿に移すだけ

 メインディッシュのお肉にかけるソースは、市販のものでOKです。いろいろな種類が売られているので複数用意して、小皿に入れて出すだけでオシャレだと勘違いしてもらえます。フランス男子が自宅で作る、なんにでも合うソースは「ブルーチーズソース」。

 生クリームを小鍋で温めながら、コンソメ少々とブルーチーズをぶち込んで、木べらでグルグルかき混ぜて完全に溶かすだけ。青かびが良い仕事をしてくれて、高級感溢れるソースが簡単にできます。冷めると固まるので、食べる直前に作るか温めるようにしましょう。ブルーチーズの量はお好みで。

ソースは、いろいろな味の市販のものをお皿に入れて並べるだけの人も多いです

デザートは絶対に欠かさない

 フランス料理には、砂糖たっぷりの激甘デザートが欠かせません。といっても、パン屋さんやスーパーでケーキを買ってくるか、招待した相手が手土産に持って来てくれることがほとんどです。

 またフランスにはm男女問わずに手作りケーキを作る人が多くいます。「食事に来ない?」と誘いを受けると「じゃあ、デザート持って行くね」という会話が成立するほど。時期によってはケーキではなくアイスクリームのこともありますが、デザートのない食事というのは絶対にあり得ません。

男女問わず持参する人が多い、自家製の焼きプリン

若者の場合には宅配ピザもアリ

 料理ができない人でも、気になる異性を家に招待するのがフランス人。時間がなくて食事の用意をするのが不可能! なんていう場合でも家には招きたい。そんな時に、宅配ピザを使うというフランス男子もいます。外食ではないので、自宅に招かれたときの手料理に過剰な期待をする人はおらず、宅配ピザでも問題ありません。冷凍ピザを買ってきて焼くだけの人もいるんですよ。

宅配ピザや冷凍ピザで済ます若者も

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。