あってよかった

ニトリで見つけた令和の清掃グッズ3種で水回りの「困った」解決!

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
記事の後半で紹介する「たためるバケツ 3.5L」

「梅雨はカビが嫌ですね!」的な記事を書き続けてぼちぼち四半世紀となる。駆け出しの頃など遥か遠い過去のように思えるが、そうでもないような気もする。

少なくともカビが嫌な場所の筆頭である浴室について言えば、四半世紀前にはもう24時間換気は存在していたし、自動給湯だの何だのといった今様の設備は整っていた。

でもそこからさらに25年。諸々テクノロジーも進歩したはずだのに、相変わらずカビは生えるしヌメリも発生。水アカもつくのにうんざりさせられる。

しかして当時は存在していなかった新たな発想に基づく新たな便利道具は日進月歩的に誕生している。今回はニトリのそんな水回り掃除グッズを3品紹介する。

「使い古しスポンジ」はもう卒業! 令和は「毎日とりかえ」

毎日とりかえバススポンジ15個入

というわけで、浴室の衛生環境を悪化せしめる菌を涵養すると悪名高い「使い古しスポンジ」の存在に強烈なNOを突きつける、令和の道具のお出ましである。

「毎日とりかえ」。昭和の主婦が聞いたら贅沢さに目を剥きそうだ。風呂掃除スポンジを月に1回どころか、半年、一年と使い続けるのが当然だった時代はそう遠くないが、「毎日とりかえ」。少なくとも掃除道具由来の菌を媒介する心配は、これならない。

使い心地としては可もなく不可もなしといった感じ。手のひらサイズの薄平べったくごく柔らかなスポンジだ。FRPの浴槽に付着した湯垢を落とすのには遜色ない。洗剤を併用しても泡立ちよく、薄平べったいので細部にもよく行き届く。

薄平べったい

ただ、薄いので濯いで絞って干せば乾きも早く、そういう意味では衛生的に保管維持できてしまう点が皮肉だ。まあケチケチ使わないにしても、普段は擦らず洗う系の今どきの風呂用洗剤を使用、たまに念入りに手で隅々まで擦りたい勢にも相性がいい商品と言える。浴槽を擦ったついでに排水溝まで洗って使い捨てることもできる。

壁や天井を定期的に「新しいスポンジ」で洗いたいニーズにも合致するし、一人暮らしなどでたまにしか浴槽を使って入浴しない人の掃除にも向いている(使わないスポンジを置きっぱなしにして劣化させないで済む)。

などなど考えると、現代らしい「ライフスタイルの多様化」が産んだ商品なのだと気づくのだ。

使わない時はスリムに収納。あると便利な「たためるバケツ」

たためるバケツ 3.5L

「ライフスタイルの多様化」といえば、昨今、風呂場に「風呂椅子」や「洗面器」を置かない(持っていない)人が増えているらしい。そもそも浴室内のモノが少なければカビやぬめりの発生が抑えられて掃除が楽になるし、浴室が狭い場合もモノを減らすことでスペースを広く使える。入浴方法としてシャワーだけで済ませる場合も洗面器や風呂椅子の必要性は減る。

とはいえ全くないとなったら困るシーンが多いのが、洗面器なりバケツなりといった食器や調理器具とは異なる用途の容器である。衛生的に鍋やボウルで雑巾は濯ぎたくない、汚れ物のつけ置きをするのも嫌だ、洗面器やバケツならOKだけど……といった線引きは存在するはずだ。

ところで、二択で洗面器かバケツかでどちらがあったほうが便利かといったら断然バケツだろう。バケツは、上部が開放された円筒状の容器で、取っ手が付いており、持ち運びが容易という特性がある。そう、水を含めた微妙なモノの「運搬」ができるのがバケツなのだ。

まず水を安定的に移動させるのに洗面器とバケツとを使い比べてみればすぐわかる。また洗剤などの掃除道具一式を住まいのA地点からB地点に移動させるのにも非常に便利である。「バスケット」要素があるのがバケツだ。

しかし、バケツというものが、ともすると邪魔に感じられがちなのは、それが不要な間はただただ場所をとってしまいがちだからだ。だから「たためる」だけでそのデメリットはだいぶん減らすことができる。

簡単に折りたたみできる

たためる分、脆弱になりそうなものだが、このバケツに関しては安定感が通常のプラスチックバケツに比べて遜色ない。大きさが小さめである点もいいのかも知れない。3.5Lは手近な汚れ物のつけ置き、子供用の靴洗いなどにはちょうど良いサイズ感だ。

もちろん、たためるといっても日常的に広げっぱなしで維持してもいいわけで、例えば「ゴミ箱」用途とすれば濡れゴミに対応するしすぐ洗えるメリットがある。

「超吸水スポンジ水垢取り」で鏡のウロコもラクラク除去

超吸水スポンジ水垢取り

昭和にはなく令和にはある家事・掃除のセオリーに「時短」がある。

これまた「ライフスタイルの多様化」の徒花であろう。共働き世帯の増加や個人の多忙化により、家事の効率化が求められる一方で、この時短の追求がもたらす弊害も無視できない部分がある。

例えば「梅雨はカビが嫌ですね!」のカビ取りといえば、カビ取り剤の使用。カビ取り剤といえば次亜塩素酸ナトリウム(が主成分)なわけだが、このカビ取り作業と、梅雨~夏の入浴頻度上昇に比例して増す浴室鏡の曇り汚れ取り作業をクエン酸で行なうという、よくある掃除術を、時短のつもりで並行すると浴室内で塩素ガスが発生して中毒する。

これは弊害どころの話ではない。うっかりたかが掃除で死にかねない。

またクエン酸より手間隙のかからない市販の洗剤を使用するにしても、石化した水垢落としには酸性成分が含まれている。となるとどうしてもカビ取りと同時並行したいなら水垢取りは物理の力のみに頼らなければならない。

超吸水スポンジ水垢取りは、そんな力での水垢取りに特化した掃除道具だ。スポンジにたっぷり水を含ませることで、アルミナ研磨剤に水分を送りながら鏡や水栓の鱗状痕を削り落とすことができる。他の類似商品では適宜水で流す手間が必要だがそれがない分、時短にも寄与する。

洗面台の水垢や水栓の鱗状痕を削り落とすことができる

まあ多少のカビやヌメリ、水垢で人が死ぬわけではないし、昔ながらの方法でも十分だというのも一つの見識である。何でもかんでも新しければいいものだというほど単純な話でもない。

しかし衛生的な環境が快適な生活につながるのは生き物として体感的に否定しがたいとなれば各々の個人的な「落としどころ」をどう設定するかだろう。

この先25年後には25年後なりの便利道具が誕生しているのだろう。そこまでできるだけ健康に、粛々と生活していければ本望である。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。