あってよかった

早く使えばよかった! スリコの熱中症対策グッズに感動

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
2WAY HANDS FREE FAN。価格は1,650円

「ハンディファン」「ハンディ扇風機」といった商品群の勃興から約5年、その存在はすっかり世の中に定着した感がある。

大きさ、重さ、色、テクスチャ、形状、稼働時間、価格……といったハンディファンのバリエーションも年毎に広がり、目新しさやニーズの発掘により「複数持ち」も珍しくなくなってきている。

とはいえ、この商品が家の近所のスリコ(スリーコインズ)の店頭に並んだのはまだ4月半ばだった。早すぎるのでは? という思いはあったが、すぐ突発的に30℃近い気温になった日があり、あっという間にこの店舗では売り切れてしまった。

「2WAY HANDS FREE FAN(2WAYハンズフリーファン)」はハンディファンとしてよくある「扇風機」型のそれと異なる、「四角い」形状をしている。首から下げるようになっていて風が本体の上部から吹き出てくる。吹き出した風は、顔の下から涼ませる。

一瞥しただけだと、前からも風が出てくるのかな? と思ってしまうのだが、前からは出てこない。前からは吸うのみ。

おまけのような華奢なスタンドや、立てたときの妙な傾きの意味は、使ってみた後で納得した。というか構造を正確に理解したとき、正直かなり驚いてしまった。

筆者は先日さっそく子供の授業参観の折、風通しの悪い蒸した教室後部でこれを首から下げ、一人そよ風を得た。稼働音も弱風ならほとんど気にならないし、いかにもハンディファンを使っています! という雰囲気なく、こっそり使えるのが良かった。

服によっては服の内側に入れて動かすこともできる。使い方の応用を考えると楽しい。

珍しいスクエアデザイン
風量調節は3段階
スタンドが付いている

なんで去年使わなかったの!? と後悔した「COOL NECKBAND」

COOL NECKBAND

「COOL NECKBAND(クールネックバンド)」の価格は880円。「Ω」みたいな形の不思議な首輪……ネックバンドが世の中に売られていることには、去年か一昨年くらいから認識はしていたのだが使ったことがなかった。

今年、880円と手頃な価格で売られているのに惹かれて、これをおっかなびっくり使ってみたのだが(スリコで去年売られていたものは1,260円くらいしたらしい。一年でだいぶ価格がこなれたものだ)「なんでこれを去年から使わなかったのか!?」と後悔したくらいに、想像を超えて良かった。

しかし、まあ形状も材料も謎である。「材質 外側:TPU 内側:PCM」と商品説明に書いてあるのだが、TPUやらPCMやらという三文字が何を表しているのか全くわからない。

調べてみるとTPUというのは熱可塑性ポリウレタン樹脂(Thermoplastic Polyurethane resin)の略称だそうだ。へえ……熱可塑性ポリウレタン樹脂って何だろう……(ざっくり熱を加えると柔らかくなるプラスチックの一種のようであると理解)。

一方、PCMというのは相変化材料(Phase Change Material)のことをいい、温度によって個体になったり液体になったりするようなもののことらしい。なんでも宇宙時代の新素材なのだそうだ。新素材か。なるほど……。

まあ平たく言えば、このネックバンドは、いわば28℃で凍結している。水が0℃で凍結するのと比べるとだいぶあったかいが、私たちの体温が36~37℃であることに比べれば28℃は冷たい。

でも28℃は冷たすぎはしない。冷たすぎはしないが冷たい、このネックバンドを首に巻くと、首で28℃が長いこと維持されるわけで、涼しい。涼しいけど、でも「ヒヤッ」とするほどではないし結露も起こらない。そこがいい。

筆者は暑さに異常に弱い。熱中症経験者なので、ちょっと気温が高いだけでもすぐ頭痛を起こしたり気持ちが悪くなったりする。けれどもこのネックバンドを首に巻いていた気温29℃の午後は、平素考えられないくらいに絶好調だった!

思いつく原因、いつもと違う変数は、初めて装着したこのネックバンドの存在しかない。「すごい」と感動した。

首回りを冷やしすぎずに長く冷やす効能というのは、思っていたよりもかなりいいものなのかもしれない。この夏を通して使い続けて、効果を検証したい。

ちなみに使っているうちに28℃よりだいぶ熱くなると、カチカチの中身はぷよぷよの水になる。しかしエアコンの効いた部屋にしばらく置いておいたら、また固まった。水で冷やしたり冷凍庫に入れればもっとすぐである。

材質は外側:TPU、内側:PCM、重量130g
内径は約12cm

水に濡らして冷たく感じる「COOL TOWEL」

COOL TOWEL

「COOL TOWEL(クールタオル)」の価格は330円。一見したところ化繊のハギレのようなものである。よくある、水で濡らすと冷たく感じる布である。

濡らして使うので首に巻くと服が湿るし、下手をするとシミになるのだが、商品としてはクール「スカーフ」やクール「ストール」ではなくあくまでクール「タオル」であることに注目すべきである。

つまり首に巻く用途より、濡らして振って冷やしたものを、畳んでおデコに当てる……などの使い方の方が適している。

20×80cm、ポリエステル100%

とにかくは今日日スリーコインズにおいて、ほぼスリーコインでパッと買える点は、大きな価値である。3つの商品いずれも本格稼働の日はなるべく遠くあってほしいものだが、「備えあれば憂いなし」なのである。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。