あってよかった

セリアの優秀トイレグッズ3選。トイレットペーパーで掃除できるトングなど

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
トイレ用おそうじトング

去年(2022年)は過去イチ、「100円ショップ」に足を向けない一年間だった。

なぜだろう。一年を通して筆者の心は暗く世のシュリンクフレーション(実質値上げ)を憂いていた。

100円ショップはわりと早めに、そのへんの時流が「見える化」される場所だと思う。なので「それ」を実感して悲しくなるのがなんとなく嫌だった。感情的な理由だ。

というわけで家の近所の「セリア」にも、なんと半年近く足を運ばず、久しぶりに行ってみたらレジが半分以上自動化されていて、ペイペイやクレジットカードで支払えるようになっていたのに驚いた。そして商品もだいぶ見慣れないものに入れ替わっていた……。

春である。新生活開始を前にし、個人的に目を惹いた3品をご紹介する。

トイレットペーパーで掃除できるトング

トングケース付き
トイレットペーパーなどを使って掃除ができる

「トイレブラシは要るのか、要らないのか」論争(論争……?)は、住まいのお掃除界では古くからあり、長年唯一解答は出されていない。

トイレブラシは確かに清潔な状態を維持しにくいうえ、中途半端に高価だったりすると買い替えしがたいという現実。そもそも無いほうが良い、ないし「使い捨てブラシを使えば良い」という意見。一方、やや粘度のある便に遭遇した際、ブラシが常駐していないと自ら処置しにくいという意見。便器の形状や洗浄方法によって、汚れの付きやすさには大きな差があるという現実。

拮抗する。

しかしついに、出てしまった。こんなものが。

商品説明をじっくり見る。なるほど、トイレットペーパーを畳んでこのトングで挟み、便器を洗う、とある。便器界の難所「フチ裏」の掃除方法まで丁寧に解説されてある(トイレットペーパーを三角に畳めば良い)。

FAじゃないか……こんなの……。

これで使い勝手がショボければ、その旨記載しようと思ったのだが、手近なトイレ用洗剤とコレとトイレットペーパーで、全然問題なかった。

これが110円なのだ。恐ろしい。

便座の「ヒヤッ」を防ぐあったかシート

ふわふわあったか吸着便座シート
便座に載せるだけ。簡単に装着できる

電気代の高騰が叫ばれる中、確かに節電は急務なのだ。しかし暖房便座なのにヒヤッとする「節電モード」の悲しみ……。気温の低い季節に、冷たい便座に座ることの苦痛と言ったら、表現のしようがない。

とはいえもう、かつての複雑形状、ギャザーやゴムやぱっちん留めのついた「便座カバー」を便座に着せる暮らしになど、戻ることはできない。となれば答えは一つだ。

便座に「載せるだけ」の便座シートのなかでも、肌触りや座り心地の良いものを選び、定期的に交換。「ヒヤッ」とするのを避けつつ衛生状態を保つ!

ところでこの手の便座シート、セリアのみならず100円ショップの多くや、生活雑貨店であればどこでも見ることができるけれど、どれほど取り入れられ、効果的に活用されているものだろうか。「見たことはあるけど、使うのはちょっと」と、食わず嫌いされていないだろうか。

賃貸住宅の多くにも洗浄機能はともかく「暖房便座」が広く行き渡っている今、ごく当たり前に通電させ「暖房」を享受していればはなから不必要だと思われているかもしれない。

しかしこの便座を常時温めておくコストは、たとえ一人暮らしであっても1日約10円かかる(2020年時点)。直近の電気代の上昇率と勘案して別の方法を思案してみる価値はあるのではないかと思う。110円の座り心地、ぜひ一度体感してみてほしい。

サニタリーボックス代わりの「袋」

中身を見せない柄入りポリ袋 ボタニカル
20枚入り

「トイレブラシは要るのか、要らないのか」問題同様「サニタリーボックスは要るのか、要らないのか」というのもトイレの問題として掲げられがちだ。

「サニタリーボックス」というのは住まいの内外のトイレに置かれる、主に女性の使用済み生理用品を捨てる箱のことだが、多くの男性にとっては謎なしろものであるだろう。場合によっては使用済みオムツなどを捨てることもあるが、サイズ的に兼用できないことの方が多い。

余談だが海外のトイレの中には、おしりを拭いた「紙」を捨てるゴミ箱がトイレ内にあることがあると聞き、いろいろな面で脆弱な筆者は「耐えられない」と思う。

そう、例え入っているものがこのような排泄物そのもの(が付着した紙)ではなくてもサニタリーボックス周りは、やはり、それなりに「臭う」。

汚物ではあるだけに、こまめに捨てやすいしくみ化、外部から分かりにくくするしくみ化が必要である繊細なエリアなわけだが、この点をクリアするのが「柄入りポリ袋」の「立て設置」という方策なのだった。

実のところサニタリー用の柄入りポリ袋という存在自体は、10年まではいかないが以前から他の100円ショップで見ることができた。しかし微妙な透け感、厚みによる自立の可・不可など、本当にコンマいくつかのモノづくりセンスが問われるジャンルなのだ。その点、なんていうことのない商品に思われがちなのだが、筆者は深く唸らされた。

再び余談だが、車酔いの激しい子が、この袋を「オシャレエチケット袋」として愛用している。主目的のどこも「オシャレ」にも「エチケット」にも係らないが、きわめてヘビーな実用性を持ちながら美(学)を忘れないモノの姿勢に、ある種の文化と平和の到達点を感じざるを得ない。

日本はまだまだ、大丈夫な気がしてきた。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。