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高齢者の状況をテレビで見守る電気販売店向けサービス

 シャープは、テレビを利用した見守りサービスのソリューションを、11月より地域の電気販売店向けに提供する。同サービスは販売店がユーザーと契約する。利用価格は未定。

 販売店がユーザーに提供するサービス。主に高齢者を対象とし、インターネットに繋いだテレビをつけることで、テレビの使用状況を遠方からモニタリングできる。

高齢者がテレビを付けた時に表示される画面
販売店のパソコンに表示される画面

 使用状況は、販売店だけでなく遠方の家族にもスマートフォンやパソコンにメールで通知される。また、一方的な見守りではなく、テレビを通じて販売店が、アンケートや情報配信を行なうこともできる。

 このサービスには、インターネットが使える環境と、インターネットに対応した同社の液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」が必要となる。インターネットに非対応の液晶テレビ(他社製も含む)の場合は、別途、外付け見守り装置が必要になる。

高齢者のテレビ、販売店のパソコン、家族の携帯端末/パソコンを、見守りサーバーでつなぐ
サービスの主な流れ
高齢者のテレビに表示する項目は、販売店がカスタマイズできる
テレビ見守りサービスのメリット
利用シーンの一例

 実例としては、普段テレビをつける時間帯に通知が届かない、または24時間テレビがついたままになっているなど、高齢者との連絡が途絶えた場合に、状況を共有している高齢者宅近くの販売店のスタッフが電話連絡や訪問をして、家族に状況を伝える。

 なお同サービスは、2012年の7月~9月まで、埼玉県の北本市で実証実験が行なわれた。実証実験では、高齢者宅に同社の液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」を設置し、インターネットを介して市役所や自治会のパソコンでモニタリングした。実証実験後のアンケートでは、安心感が高まったと回答した人が全体の65%を占めたという。

 今回のソリューションについて同社は、地域に密着した活動を行なう電気販売店が高齢者の見守りに参加することで、高齢者、およびその家族に安心を提供できるとしている。今後、全国電機商業組合連合会と連携し、全国の電気販売店へ展開していく。

2030年の本格的な高齢化社会に向けた仕組みを構築

内閣府や厚生労働省が公表しているデータ

 シャープ株式会社 市場開拓本部 副本部長 兼 クラウド事業推進センター所長の米田旬氏は、同サービスについて「日本では、急速な高齢化が進んでおり、近い将来には65歳以上の高齢者の人口が全体の30%を超えると言われております。現在でも、1千万以上が高齢者世帯となっております」とコメント。

 社会的にも課題となっている高齢者世帯の支援の体制作りについて、「当社が提供できる、お客様への新しい価値を検討しています。その最初のステップとして、家庭のインフラとして根付いており、当社が高いシェアを誇るテレビを使ったB2B(Business to Business)の見守りサービスを2012年から事業化しています。その仕組みが、今回のサービスのベースとなっています」と述べた。

中野 信二