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夏のエアコンは、日中30分の外出なら「つけっぱなし」がお得。ダイキンが調査

 ダイキン工業は、「エアコンを『つけっぱなし』と『こまめに入り切り』では、どちらが安くなるの?」をテーマに検証を行なった調査結果を発表した。結論は、「9時から18時までの時間帯の30分の外出であれば、つけっぱなしがお得」。「1日中つけっぱなし運転は、外出時に運転をOFFにするよりも1日の消費電力が大きくなった」とする。

同一条件の部屋で検証

 空気のプロとして空気にまつわる課題や悩みごと、素朴な疑問を検証する「ダイキン 空気のお悩み調査隊」による活動。SNS等で「夏場はエアコンつけっぱなし運転で電気代が安くなった」との情報が拡散しており、同社調査でも約7割が「つけっぱなしのほうが安い」と回答していることから、その実態を検証をした。

 大阪市内のほぼ同条件のマンション(2006年築。鉄筋コンクリート造14階建て、南向き)の2部屋を使って実際にエアコンを「つけっぱなし」、「こまめに入り切り」で運転し、検証。検証日は8月の猛暑日で、部屋の広さは約14畳で、使用したエアコンは「うるるとさらら Rシリーズ AN40TRP-W 4.0kW」。エアコン設定は冷房26℃、風量自動。

 実験1では、「つけっぱなし」の方が消費電力が安くなる時間帯を探るため、9時~23時まで「つけっぱなし」にしたエアコンと、30分間隔で「運転ON/OFF」を繰り返したエアコンの消費電力量を比較し、「つけっぱなし」の方が安くなる時間帯を検証。

エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の消費電力推移

 結果は、9時から18時までの外気温の高い時間帯は、「つけっぱなし」の方が「こまめに入り切り」よりも消費電力量が少なった。ダイキンでは、「設定温度と外気温の温度差が大きくなり、こまめに入り切りしたときの起動時の消費電力量が大きくなった」と分析している。一方、18時~23時は、こまめに入り切りの方が電気代が安くなった。

エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の温度・湿度推移
エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の時間帯別の累計消費電力量推移

 実験2では、1日の生活スケジュールを想定し、9時から23時までつけっぱなしにしたエアコンと、外出時に運転をOFFにしたエアコンの消費電力量を比較。想定スケジュールでは、9時から23時までの14時間のうち、11時から12時の1時間と、14時から14時30分の30分、16時から16時半の30分、18時から20時の2時間の合計4時間運転OFFとした。

 結果は、1日の消費電力量で「つけっぱなし」が5.7kWh、「こまめに入り切り」が4.4kWhで「つけっぱなし」のほうが大きくなった。電気代に換算すると前者が153.9円、後者が118.8円で、「つけっぱなし」のほうが1日35.1円高くなる。

エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の消費電力推移

 今回の実験条件下では、「日中は35分まで、夜は18分までの外出であれば、エアコンをつけっぱなしの方が安い」との結果が出たことから、ダイキンでは、一つの目安として「日中は30分程度の外出ならエアコンをつけっぱなしにし、夜はこまめに停止させることで、お得な運転ができる」とまとめている。

 「電気代がお得」ということでは上記のまとめになるが、外出時にエアコンをOFFにするよりも、つけっぱなしのほうが、帰宅時に快適となる。そのため、熱中症にならないよう、電気代だけでなく、帰宅時の快適性も考慮して、『つけっぱなし』『こまめに入り切り』の使い分けをするよう勧めている。

エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の室内温度推移