藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

掃除ガチ勢モップ、なでるだけで繊維やホコリを一網打尽

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
KBセーレン「そうじの神様 洗えるおそうじモップ」

我が家の洗面所では「前髪ガチ勢」が日々長い間身支度しているのだが、「歯磨きガチ勢」の滞在時間もまた長い。

前髪ガチ勢は日々ミリ単位で前髪を整えヘアスプレーで入念に固めているものだが、歯磨きガチ勢はデンタルフロスを使って丁寧に歯の手入れをしていて、まあそれぞれに致し方ない。

歯列矯正時に歯医者さんで歯の手入れ一式を教育された歯磨きガチ勢からは、私たち家族にもデンタルフロスの素晴らしさが日々伝えられているのだが、残念ながら定着するには至っていない。ほんとは使った方が絶対いいんだろうけど、「ガチ」に振らないとやはり面倒臭さが先に立つ。

さて、そんなデンタルフロスを、まさかの掃除道具に転用してしまったのがこの商品、「そうじの神様 洗えるおそうじモップ」。掃除ガチ勢向けの目新しいアイテムである。

掃除ガチ勢向けのモップ

歯を掃除するに使うのは糸一本だけだが、それをモフモフ手触りのモップ状態に成型している。デンタルフロスをモップに! この発想はなかった……びっくりする。

そのモフモフを形づくる糸一本一本が「極細繊維1,400本の集合体」とのことで、気が遠くなる。マイクロファイバーを知り尽くすメーカーがゆえ、1周回ってのこの形状なのだが、ガチ勢モップだけに見た目も洗練されていて美しい。

住まいが乾燥がちになるこれからの時期。あらゆる居室周り、棚や電化製品に張り付く微細な繊維、ホコリたちを、文字通り一網打尽としたくなるだろう(一網打尽の「網」は、ここでは「毛」と書きたいところ)。

極細繊維1,400本の集合体

ただ1点、気をつけたいのは、壁を払うときなど力を込めてしまうとモフモフの毛束がうっかりフェルト化してしまいやすいところだ。それでも汚れは絡め取れるが、せっかくの良さ(モフモフ感)は半減してしまうので、使う際には力まず払うのがコツ。やさしくなでるように使うと毛並みも持続するのでそこだけ注意したい。

さいわいノンワックスで、糸には油分やシリコンなどのコーティング成分が使われていないため、水洗いでの復活が可能だ。絡んだ箇所は洗いながら手でほぐせば、乾いた後モフモフが再来する。

ノンワックスのため、水洗いして乾かすとモフモフが復活する

思えば、皆それぞれの「ガチ勢」を貫きながら生活している集まりが家族であり、人数が増えるほどに住まいに増えるのがホコリというもので、人が生活している限り家は汚れる自然の理だ。

筆者は親の遺した遠方の家の管理をここ何年もしているのだが、掃除に行きつつ毎回驚くのはワタぼこりの少なさで、本当に人が生活していない家に繊維ゴミは溜まらない。微細な泥埃や煤煙はどこからともなく入ってくるのだけれど。
おそらくそんなワタと泥、どちらの種類のホコリにも、この「極細繊維ガチ勢」は効果を発揮してくれるだろう。

余談だがこのモップ、持ち手部分は木製で手にどこかあたたかい。年の瀬に向けて気忙しくなるこの時期、ふっと肩の力を抜かせてくれる1本なのだ。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。